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タイワンサソリモドキ
学名:Typopeltis crucifer

タイワンサソリモドキ(2007.3.18 石垣島)
Data
和名 タイワンサソリモドキ
  • 別名:ビネガロン,ヤエヤマサソリモドキ,ハカムシ
体長 50mm
分布 沖縄(意平屋島)〜八重山諸島
  • 国外では台湾にも生息している。
出現期 一年中
エサ ヤスデ類,昆虫
コメント 沖縄の伊平屋島以南に生息するサソリモドキ。
森林内の石や倒木の下に隠れている。
触肢はカニのような鋏を持っており、第一脚は細長く長い。普段は鋏をカニのように畳んでいるが、捕食する時は鋏を伸ばして襲い掛かる。
本種を刺激すると、細長い尾から酢のような強い刺激臭を出して身を守ることから英名でビネガロンの異名を持つ。
夜間、徘徊してヤスデ類や昆虫類などを捕食する。
♂では触肢にある桿状突起が長く、途中で強く折れ曲がるが、♀ではやや短く曲がらない。
墓地に多いことから、ハカムシとも呼ばれている。
 
日本には他にアマミサソリモドキ(Typopeltis stimponii)も生息しているが、♂では触肢の桿状突起が反ることと、♀では生殖板の刻状紋が異なる。
 
日本に生息するサソリモドキは以下の2種。
 
学名 和名 分布
Typopeltis stimponii アマミサソリモドキ 九州(南部),トカラ諸島,奄美諸島,沖縄(伊是名島)
Typopeltis crucifer タイワンサソリモドキ 沖縄(伊平屋島)〜八重山諸島
撮影メモ 2007年3月の石垣島旅行で出会った152種目の生き物。本種は今回の旅行の採集目的でもあったのだが、西表島ではあらゆる倒木や石を探したのにまったく見つからなかった。最終日、諦めかけていたのだが、石垣島で森林周辺の大きな石をどかすと本種を発見した。最初は地面の色と同じだったので気付かずに石を元に戻してしまい、更に近くの石をどかした時に発見した。あれだけ見つからなかった本種が、この場所には多産しているようで、成体3匹と子供1匹も見ることができた。この時は雌雄の区別が付かなかったので、ペアであることを祈りつつ成体3匹を持ち帰った。しかし、残念なことに♀であることが分かった。
採集した個体の体長は鋏を伸ばさない状態で、尾も含めず5cmもある大型個体であった。
次回は♂を採集すべく、勤続10年目のリフレッシュ休暇を使い、再び石垣島に行くことにした。
 
151種目 152種目 153種目
2007年7月に石垣島旅行で撮影。林縁の石がごろごろしているところで、石の下から発見できた。今回は幼体ばかりだったが、大型個体よりも黒味が強く感じた。逃げ足も速く、まるでクモのように走った。♂の採集という目標だったので、多少不満は残ったが、今後の飼育に期待したい。
 
12種目 13種目 14種目
飼育メモ 2007年3月18日〜
石垣島の林縁にあった大きな石の下から1匹ずつ合計3匹の本種を採集した。いずれも5cm程ある大型個体であった。
翌日、自宅に持ち帰った3匹を特大プラケースで写真のようなセットで飼育している。ネットで調べたところ、飢えよりも乾燥に非常に弱いということで、常に多湿な環境で飼育している。採集したのは3匹とも♀で腹も膨れていないことから、繁殖は期待できない。
餌はオカダンゴムシArmadillidium vulgare)とヤスデの仲間を与えているが、いずれもよく食べているようで、与えた翌日には餌の表皮が散らばっている。夜、懐中電灯でケース内部を確認して見ると、オカダンゴムシを鋏でがっしりと捕らえて食べているところが観察できた。オカダンゴムシだけでは栄養が偏ると思われるので、できるだけいろいろな餌を与えるようにしたい。
本種に触れない限りは酢の臭いは出さず、まったくの無臭であった。更に刺激臭とは言っても、酢とまったく同じ匂いなのでまったく気にならない。
普段はケースに入れてある石の下に穴を掘って隠れており、喧嘩もしないようである。
7月14日現在もいたって元気にしているので、今度は♂を採集して繁殖にも挑戦してみたいと思っている。
 
7月17日
再び石垣島に採集に出かけ、前回本種がいたところを探してみたところ、いることはいたのだが、3cm程の小型個体が2匹と12mmほどの幼体しかいなかった。2匹を採集して、ゆったりとした広さのあるタッパーに2匹とも入れておいたところ、一晩で共食いして1匹が食べられてしまった。
 
7月18日
別の場所で川沿いの大きい石をどかすと3cm程の個体がそれぞれ1匹ずつ出てきて合計3匹採集することができた。いつも一つの石に対して1匹いるので、狭い場所では縄張り争いをするようだ。まだ小さいからか残念ながら♂の特徴を確認することはできなかった。
 
7月21日
4匹持ち帰り、共食いした教訓を生かして、今回はミニプラケースで単独飼育をすることにした。
今回見られたサソリモドキは何故か前回のような大型個体が見られず、約30mmと約12mm程の2タイプのみ見られた。いずれも個体数は少なくなく、大小合わせて10匹ほど見ることができた。
今回の採集した4匹はまだ小さいので、♂の特徴が出ているものは確認できなかったが、大型の成体にまで育て上げたい。
 
7月29日
ここ2週間程、何故か大型の♀3匹の姿が一度も見えず、入れた餌も食べられていない。嫌な予感がして、特大プラケース内の一番大きい石を持ち上げてみた。すると石の下にケース底面まで掘られた大きな空洞ができており、その中に本種が無事に確認できた。更に腹部の下辺りに真っ白なものが!
よく見ると大粒の卵のようであった。腹部に隠れていてよく確認できなかったが直径6mm?程のまん丸のものが2個以上あったように思える。卵にしては大きすぎるように思えるので卵のうなのかもしれないが、詳細はまったく分からず。親が卵を放棄してしまうことを恐れ、すぐに石を元に戻した。
採集した時から実に4ヶ月以上も経っているのだが、採集時から既に交尾済みだったということなのだろうか?
 
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PHOTO

石の下に隠れていた♀@
(2007.3.18 石垣島)

石の下に隠れていた♀A
左の写真とは別個体。
(2007.3.18 石垣島)

石の下に隠れていた個体@
7月に見られた個体は何故か約20mmか約12mmの2タイプしかいなかった。
(2007.7.17 石垣島)

石の下に隠れていた個体A
(2007.7.17 石垣島)

石の下に隠れていた個体B
(2007.7.18 石垣島)

石の下に隠れていた2齢幼生
約12mmほどの小さな幼体も複数見られた。
(2007.7.17 石垣島)

♀@
(2007.4.15)

♀A
(2007.4.15)

♀の触肢
触肢は鋏になっており、♂では突起が発達して大きく湾曲する。
(2007.4.15)

横から見た♀
飼育ケースに入れてある止まり木によく止まっている。
(2007.4.15)

飼育ケース
(2007.3.22)

卵塊
ケースごしのため、不鮮明だが、左右に分かれているのが分かる。
(2007.8.6)

幼生達
(2007.8.13)

脱皮した幼生達
脱皮と共に親から離れた。体長は10mm程もあり、既に親と同等のスタイルになっている。
(2007.9.4)

2齢幼生@
既に10mm強あるが、まだ親離れしない。
(2007.9.21)

2齢幼生A
石の下に群れる幼生達。
(2007.9.27)

ヨーロッパイエコオロギを捕食する2齢幼生@
(2007.9.30)

ヨーロッパイエコオロギを捕食する2齢幼生A
(2007.9.30)

脱皮が近い2齢幼生
体節間膜がだいぶ伸びてきた。
(2007.11.10)

3齢幼生
(2007.12.29)

3齢幼生(上)と2齢幼生(下)
(2007.12.29)

4齢間近の3齢幼生
だいぶ太ってきた。
(2008.3.1)

4齢幼生
(2008.5.13)

4齢幼生(左)と3齢幼生(右)
(2008.5.13)

コオロギを捕食する4齢幼生@
(2008.6.26)

コオロギを捕食する4齢幼生A
(2008.6.26)

コオロギを捕食する4齢幼生B
(2008.6.26)

コオロギを捕食する4齢幼生C
(2008.6.26)

5齢幼生@
他の幼生より格段に大きな幼体であったので、5齢と判断した。
(2008.7.21)

5齢幼生A
(2008.7.21)

5齢幼生B
(2008.7.21)

八重山諸島の奇蟲達
マダラサソリ(左),タイワンサソリモドキ(中央),ヤエヤマサソリ(右)
本種がダントツに大きい。
(2007.12.31)

成体
去年の3月に成体で採集したこの種親は現在も元気である。
(2008.6.26 石垣島産)
 
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