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ヒメツチハンミョウ
学名:Meloe coarctatus

ヒメツチハンミョウの♀(2009.5.4)
Data
和名 ヒメツチハンミョウ
体長 9〜23mm
分布 本州,佐渡島,伊豆諸島(大島,三宅島,御蔵島,八丈島),淡路島,隠岐,四国,九州,対馬
出現期 3〜5,11月

 幼虫はハナバチ類の巣に寄生して卵や花粉,蜜を食べる。
解説 巨大な腹部を持つツチハンミョウの一種。
ハンミョウと付くが、まったくの別種。ツチハンミョウの仲間は、上翅が短く、腹部がむき出しになっている。更に、変態にも特徴があり、3齢幼虫では蛹に似た姿になり歩くことも食べることもしない特別なステージがあり、更に脱皮することで蛹となり、このような変態を過変態と呼ぶ。
本種は他のツチハンミョウと似ているが、触角の形状で同定することができる。
本種の触角は、途中で太くならない。♀では、触角の第1節が、第2から4節の長さとほぼ同じ。
本種は触れたりするとカンタリジンという有毒物質を分泌する為、注意が必要である。
 
本種は土中に数千個に及ぶおびただしい数の小さな黄色い卵を産み付け、孵化した幼虫は花の上で待機し、マルハナバチに乗り移ることで、マルハナバチの巣に侵入して、卵や花粉などを食べて成長する。
 
国内に生息しているツチハンミョウ属(Meloe)の基亜属は以下の6種。
和名/学名 分布
オオツチハンミョウ
Meloe proscalabaeus sapporensis
北海道,本州,伊豆諸島(大島),隠岐,四国
ムラサキオオツチハンミョウ
Meloe violaceus
北海道,本州
ヒメツチハンミョウ
Meloe coarctatus
本州,佐渡島,伊豆諸島(大島,三宅島,御蔵島,八丈島),淡路島,隠岐,四国,九州,対馬
キョウシュウツチハンミョウ
Meloe auriculatus
本州,四国,九州,対馬
メノコツチハンミョウ
Meloe menoko
北海道,本州(中北部)
カラフトツチハンミョウ
Meloe lobatus
北海道
 
写真は5月3日に静岡県の観光地で発見した個体を撮影したもの。歩き回る為、撮影は難しく何度も本種を掴んだが、その際掴んだ手に黄色い液体がベッタリと付いてしまった。テントウムシが出す汁のようなものだろうと、まったく気にしていなかったが、帰宅後、本種について図鑑やネットで調べてみるとカンタリジンという毒で、赤く腫れあがったり水泡が出来たり、食べると死ぬこともあるようなことが書かれていて、かなり多量に手に付いただけにゾッとしたが、数日経過しても痛くも痒くもならなかった。
PHOTO

♀の頭部のアップ
(2009.5.4)

発見時の写真
人が多い観光地で、この1ショットしか撮影できなかった為、持ち帰った。
(2009.5.3 静岡県)

横から見た♀
(2009.5.4)

上から見た♀
(2009.5.4)

草を食べる♀@
(2009.5.4)

草を食べる♀A
(2009.5.4)

草を食べる♀B
(2009.5.4)
 
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