ミズカマキリ | |
学名:Ranatra chinensis | |
![]() ミズカマキリ(2011.8.14 山梨県産) |
Data | |||||||||
和名 | ミズカマキリ | ||||||||
体長 | 40〜45mm | ||||||||
分布 | 北海道,本州,隠岐,淡路島,四国,九州,対馬,沖縄島? | ||||||||
出現期 | 5〜10月 | ||||||||
餌 | 小魚,オタマジャクシ,アメンボ,マツモムシなど | ||||||||
解説 |
カマキリに似た水生カメムシの一種。 呼吸管は大変長く、体長とほぼ同じで、呼吸管の長さも含めた体長では国内最大の水生昆虫となる。 同属のヒメミズカマキリに似ているが、ヒメミズカマキリは小型で呼吸管も体長の3分の2と短いのに対し、本種は大型で呼吸管も体長と同じくらい長い。 小学生時代に小学校のプールに飛んできた本種を見たことが1回あっただけで、それ以来本種を見るのは今回が初めてだった。採集した池はメダカが多く流れが非常に緩やかな環境で、水中の岩の側面に止まってメダカが来るのを待ち構えている個体が複数見られた。体色が黒っぽいものと淡褐色のものとが見られたので、それぞれ1匹ずつ採集して持ち帰り、亜生殖板による同定で黒っぽい個体が♂、淡褐色の個体が♀であることが分かった。 2011/8/14 採集した個体は帰宅時の8月13日も元気だったので、空腹による共食いを防ぐ為に最初だけ個別飼育することにした。キューブ型のガラス水槽に♀を、中プラケースに♂をいれた為、ケースの透明度の関係上、今のところ写真は♀しか撮影できていないが、満腹後に雌雄で同居させる予定。 エサにミナミヌマエビを与えたところ、見向きもしないように見えたものの翌日、どちらのケースにもちょうど本種がいた場所の下にミナミヌマエビの死骸が1匹ずつ落ちていたので捕食したようだった。ただし、エサとしてはあまり向いていないように見えるのでメダカを注文して与えることにした。 飼育中の大部分は水中でじっとしているが、午前中の一時期は陸に上がって体を乾かして飛ぼうとしていた。 2011/8/15 昨日注文したメダカが到着した。メダカは観賞用も兼ねて、ヒメダカの他、青白いものとクロメダカの三種類を購入し、メダカ用にセットした60cm水槽に入れた後、1匹ずつミズカマキリのケースに入れた。♂は明らかにメダカに反応し、捕食しようとするが、成魚のメダカでは少々大きいようでまったく捉えることができない。小さめのメダカを追加して入れてみたが、メダカのほうが動きが素早く捕食は難しいようだった。一方、♀のほうは鎌の掃除はよくするもののメダカを捕食しようとはしていなかった。 2011/8/17 朝、♂のケースの成体のほうのメダカが死んでおり、どうやら♂に捕食されたようでかなり萎んでいた。予定通り、♂を♀の水槽に移して♂も撮影することができた。 2011/8/22 今度は小さいメダカが捕食されたようで、死骸が水底に落ちていた。メダカをミズカマキリ用に買ったものの、最近はメダカ水槽を眺めているのが楽しくてメダカを餌にするのに罪悪感を覚えそうだ。ちなみにメダカ用の餌やりも照明もすべて自動化しているので手間はまったく掛かっていない。 2011/8/26 朝、ようやく♀がメダカを捕食した。 ただ本種は思いのほか、飢えに強く、1匹は11月に死亡したが、もう1匹は現在も生きており、そのまま越冬できるようである。 以上の事から、多数のメダカを入れた水槽に本種を入れておくといったやり方でも、元気なメダカは犠牲にならず自然死したメダカか死にかけたメダカのみを食べることで飼育が可能なようなので今後の飼育で試してみたいと思っている。
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