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クベラツヤクワガタ(亜種 fallaciosa)
学名:Odontolabis cuvera fallaciosa

新成虫♂63.5mm(2022/10/9 中国 広西省産/WF1)
Data
和名 クベラツヤクワガタ(亜種 fallaciosa)
 別名:クベラツヤクワガタ(亜種ファラシオサ)
体長 ♂:43.0〜92.7mm
♀:41.2〜51.3mm
分布 ミャンマー東部,中国南部(雲南省南部,広西壮族自治区),ベトナム,ラオス北部,タイ北部
樹液
 幼虫は発酵が進んだマットを食べる。
飼育難易度 簡単 ★★☆☆ 困難
解説 クベラツヤクワガタの中で最も大型となる亜種。
本亜種はミャンマー東部から中国北部・ベトナムにかけて分布している亜種で、上翅の両側の黄褐色部は後方で角ばるという特徴を持つ。
棲息地では500〜1,500m付近の山地でカシ類,タブノキ,クロガネモチなどの樹液に集まるという。

 
ツヤクワガタ属(Odontolabis)の本種は以下の4亜種に分けられている。
亜種区分/学名 分布
基亜種
Odontolabis cuvera cuvera
ネパール,インド北東部,ブータン
亜種アルティコラ
Odontolabis cuvera alticola
インド北東部〜ミャンマー北西部
亜種シネンシス
Odontolabis cuvera sinensis
中国(浙江省,福建省,広東省,湖北省,湖南省,四川省,雲南省北部,海南島)
亜種ファラシオサ
Odontolabis cuvera fallaciosa
ミャンマー東部,中国南部(雲南省南部,広西壮族自治区),ベトナム,ラオス北部,タイ北部
 
トップの写真は11月16日にネットオークションで広西省大瑶山産WF1として購入した2齢幼虫を撮影したもの。飼育方法は不詳だが他のツヤクワガタと同様、発酵の進んだマットで飼育可能と思われる。飼育難易度については無難に三ツ星としたが、今後実際に飼育して確かめたい。
飼育記録については以下に飼育メモとして記載していきたい。
飼育メモ 2021年11月16日
1齢幼虫として5頭購入したが既に2齢になっていた(4頭として買ったが+1頭は死着保証)。
種親は「WD♀44ミリにWD♂69ミリを追いがけ」と記載されていたので、幼虫はF1とした。
ツヤクワガタは成長するまでは多頭飼育のほうが安全らしいので、コバエシャッター中で5頭一緒に飼育することにした。
マットは大型を狙いUマットのみとした。

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12月30日
飼育ケースの外からは幼虫を確認することができず、マットも特に劣化していないように見えるが、大きくなるほど喧嘩で数を減らすため、単独飼育に切り替えることにした。
飼育ケースをひっくり返すと大きく成長した3齢幼虫がゴロゴロ出てきたが、1頭足りず4頭のみとなっていた。
当初800mlのクリアボトルにする予定だったが、予想以上に成長が早かったため、より大型を目指すべく2300mlのクリアボトルで単独飼育することにした。
マットはUマット主体にNマット及び既存のマット少々の混合マットでセットした。
 
7月10日
2頭は最近姿を見せなくなったので繭玉を作成した可能性が高い。もう2頭は未だ3齢幼虫でトンネル内で活発に活動している。
 
8月9日
最近残りの2頭も見えなくなってすべて繭玉を作成したかと思いきや、1頭はまたトンネルにいるところを確認した。
 
10月8日
そろそろ成虫になっている頃かと思い、クリアボトル内の繭玉を慎重に割ってみたところ、羽化不全の♀が出てきて既に死亡していた。
2本目も確認したところ、繭玉内で真っ白な状態で溶けていた死骸となっていた。まさかの結果に唖然として3本目を確認する気力を失ってしまった。
 
10月9日
片付けの意味で3本目を開けてみたところ、新成虫の♂が出てきた。大型ではないものの完品で体長は63.5mm、ギリギリ中歯型といった個体だった。
2頭が失敗した環境とほとんど変わりがなく、原因ははっきりとしたことは言えないが、後半キノコがよく発生してマットが多湿すぎる状態となっていたのが悪かったのかもしれない。マット自体は線虫やコバエの発生はまったくなく問題はなかったと思うが、たまに行っていた加水を控えていたら結果は変わっていたのかもしれない。
 
11月26日
♀が得られなかったので♂はヤフオクで販売した。
 
2023年2月9日
最後の♀が繭玉を作ってかなり日数が経っているようなので小さな窓を開けたところ、幼虫の一部が見えた。前蛹かもしれないがマットの塊を乗せて蛹化を待つことにした。
 
2月11日
幼虫が繭玉を放棄している様子はないので、繭玉の窓を塞いでいるマットの塊を退けてみると窓が完全に修復されていた。このまま3ヶ月後の5月頃まで待ってみたい。
 
5月8日
繭玉を再度確認したが、まだ前蛹のようだった。
 
6月16日
繭玉を早期に穴を開けたので失敗したかと思って生死確認のつもりで繭玉の窓を覗いてみると短歯型の♂の成虫になっていた。
完品だが、♂しかいないので売ろうかと思っている。
羽化後まだ日が浅いようで上翅は柔らかい感じだったので固まるまで待ってから手放したい。
別亜種になるかもしれないが、いずれ長歯型を目指して再度挑戦してみたい。
PHOTO

中歯型の♂63.5mm@
(2022/10/9 中国 広西省産/WF1)

中歯型の♂63.5mmA
(2022/10/9 中国 広西省産/WF1)

短歯型の♂55mm@
(2023/7/15 中国 広西省産/WF1)

短歯型の♂55mmA
(2023/7/15 中国 広西省産/WF1)

短歯型の♂55mmB
(2023/7/15 中国 広西省産/WF1)

短歯型の♂55mmC
(2023/7/15 中国 広西省産/WF1)

短歯型の♂55mmD
(2023/7/15 中国 広西省産/WF1)

短歯型の♂55mmE
(2023/7/15 中国 広西省産/WF1)

短歯型の♂55mmF
(2023/7/15 中国 広西省産/WF1)

2齢幼虫@
(2021/11/16 中国 広西省産/WF1)

2齢幼虫A
(2021/11/16 中国 広西省産/WF1)

2齢幼虫B
(2021/11/16 中国 広西省産/WF1)

3齢幼虫@
(2021/12/30 中国 広西省産/WF1)

3齢幼虫A
(2021/12/30 中国 広西省産/WF1)

3齢幼虫B
(2021/12/30 中国 広西省産/WF1)

3齢幼虫が入った2300mlのクリアボトル
(2021/12/30 中国 広西省産/WF1)

繭玉内で羽化不全で死亡していた♀@
(2022/10/8 中国 広西省産/WF1)

繭玉内にいた新成虫♂
(2022/10/9 中国 広西省産/WF1)

繭玉内の短歯型の♂
(2023/6/16 中国 広西省産/WF1)
 
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