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トウカイコルリクワガタ
学名:Platycerus takakuwai takakuwai

♂(2009.5.1 静岡県)
Data
和名 トウカイコルリクワガタ
体長 ♂:9.5〜12.0mm
♀:9.0〜11.5mm
分布 本州(静岡県,神奈川県,東京都,山梨県,長野県)
出現期 5月
カエデ,ブナ,ミヤマアオダモの新芽
 幼虫はミズナラ,ブナの朽木
寿命 1ヶ月
飼育難易度 簡単 ★★★★★ 困難
 低温管理が必須なだけでなく、クワガタ用ゼリーでの飼育も出来ず飼育は困難。
解説 青緑色の光沢が美しいコルリクワガタの一種。
本種はブナ林に生息する山地性の小型クワガタで、カエデやブナなどの新芽を齧り、汁を舐めるという変わった習性をしている。
♂は青藍色から緑味を帯びた青色まで変異があり、♀では、紫色や緑色を帯びた銅色をしている。
本種は、山地性のブナ林に生息する為、棲息地が隔離されるので、生息域によって4亜種に分けられている。また、今後も細分化される可能性もある。
→やはり近年また変更があり、コルリクワガタ(Platycerus acuticollis)の亜種とされていたのが、昇格し種となった。
近似種のルリクワガタ(Platycerus delicatulus)やホソツヤルリクワガタ(Platycerus kawadai)などとは、前胸背板の形状や上翅の点刻,縦条の強弱などで同定することができる。
本種では、前胸背板の後角が角ばっていることや、中央より前方で幅広くなるなどの特徴がある。
本亜種の特徴としては、基亜種に比べやや小型であることや、細長いこと、上翅の光沢がやや強い点などが挙げられる。
 
ルリクワガタ属の仲間は、高地という生息地が隔離されている為、種の分化が進んでいて、その変容レベルに応じて種か亜種に分類が再検討されており、クワガタという人気の昆虫だけあって新種が見つかったと驚く方々もいるが、実は他の虫ではなくたまたまクワガタだから話題になるだけという話なのである。
最近の変更はWikipediaでさえも追いついていない。
 
写真は5月1日に静岡県の標高1,000m以上のブナ林で地面を歩いていた本種を撮影したもの。ブナ林の斜面で、落ち葉上を歩いたところを発見した。最初は、青黒い光沢が目に留まり、ゴミムシか?と思いきやよく見ると図鑑でしか見たことのなかった本種だったので、夢中で撮影した。忙しく歩き回るものの、落ち葉の下に潜る気配もなく、飛び立つこともなかった。腹面の写真以外は、すべて発見時の手に触れていない写真である。
 
トウカイコルリクワガタは以下の3亜種に分けられている。
  
学名 和名 分布
Platycerus takakuwai takakuwai トウカイコルリクワガタ 本州(静岡県,神奈川県,東京都,山梨県,長野県)
Platycerus takakuwai akitai (キンキコルリクワガタ) 本州(中部地方以西)
Platycerus takakuwai namedai (シコクルリクワガタ) 四国
参考リンク  コルリクワガタのグループルリクワガタ属の魅力
PHOTO

♂@
(2009.5.1 静岡県)

♂A
(2009.5.1 静岡県)

♂B
(2009.5.1 静岡県)

♂C
(2009.5.1 静岡県)

♂D
(2009.5.1 静岡県)

♂の腹面
(2009.5.1 静岡県)
 
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