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ジグモ
学名:Atypus karschi

庭にいた本種(2007.3.3)
Data
和名 ジグモ
 別名:サムライグモ,ハラキリグモ,ネヌケ,ゲンジ,ズボズボ,ツチグモ
体長 ♂10〜17mm
♀12〜20mm
分布 北海道,本州,四国,九州
出現期 ♂:6〜8月
♀:1年中
昆虫
解説 木の根元などに管状住居を造り、発達した上顎を持つ暗褐色のクモ。
管状住居は樹木の他、石垣や灯篭、塀などに作成する。
住居は地中から地上に繋がっており、糸で造った巣の表面に土をつけてカモフラージュしている。
昆虫が巣に触れると本種はその振動を感じて獲物に近づき、巣の中から鋭い上顎で噛み付き、そのまま巣内に引きづり込む。破れた箇所を補修した後に獲物を食べる。
繁殖期は7〜8月で♂は♀の住居を探して徘徊、同居する。
本種の寿命は4〜5年と長い。
 
長い寿命とその個性的な生態から古くから飼育対象としても親しまれている。地方名(別名)の多さも人気の証拠だろう。別名の中にフクログモもあったが、フクログモ科と混同してしまうため、記載しなかった。もちろんフクロとは本種の袋状の巣から来ている。
ジグモで検索してみると実にさまざまなページがヒットする。ハラキリグモと呼ばれる由縁は手のひらに乗せると自分で腹部を切って死んでしまうことから名付けられたらしい。
本種の巣はそっと引っ張ると地中の巣ごとすっぽりと取れるそうだ。子供の頃にジグモ釣りやハラキリグモと言って遊んだ人も多いようだ。
 
国内に生息するジグモ属(Atypus)は以下の2種。
和名/学名 分布
ジグモ
Atypus karschi
北海道,本州,四国,九州
ヒラヤジグモ
Atypus wataribabaorum
奄美大島
 
写真は庭のカクレミノの木にあった筒状住居にいた本種の♀を採取して撮影したもの。1つだけあった本種の巣を草の茎で突いてみると巣は振動で波打つが、巣内の本種が下から出てきたような明らかに異なる動きがあり、そのまま逃がさないように袋の途中から取り上げたところ本種を採取することができた。
本種を撮影後、また巣の近くに本種を置くと、すぐに巣に行き潰れて塞がれた管状住居を器用にこじ開けて入っていった。一度移動させた上に住居は半分以上壊れていたのにも関わらず、自分の巣を認識したことには驚いた。
 
日本に生息するジグモ属(Atypus)の仲間は本種のみ。
PHOTO

庭にいた個体@
(2007.3.3)

庭にいた個体A
(2007.3.3)

前から見た本種
巨大な上顎は普段は折り曲げているので、牙自体は見えない。
(2007.3.3)

管状住居@
(2007.3.3)

管状住居A
写真の個体がいた巣。右にいるのはエグリヅマエダシャクの幼虫。
本種の巣に擬態しているように見える。
(2007.1.8)
 
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