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シラカシトガリキジラミ
学名:Trioza sp.

成虫(2010.4.8)
Data
和名 シラカシトガリキジラミ
体長 約2mm
分布 本州
出現期 4〜5月
 幼虫・成虫で越冬する。
シラカシの汁
解説 シラカシに付くトガリキジラミ。
成虫は黒色で艶消し状。体側・腹節沿いは黄褐色〜赤褐色をしている。
幼虫は緑色で、糸状の長いロウ質物を分泌する。
通常、2齢幼虫で越冬し、春に4齢幼虫が脱皮し成虫となる。
幼虫に寄生されたシラカシの葉は、葉の表面が膨らみ葉の裏側に反る。葉上にできる虫コブははっきりとしたものではない為、はっきりとした虫コブの場合はフシダニの一種による可能性が高く、虫コブの裏側は凹んでいて0.5mmの柔毛が密生する。
 
本種は以前、冬から春にかけてシラカシやヤマモモの葉の裏にいた成虫を撮影しており、トガリキジラミ属の一種(Trioza sp.)と紹介していたもので、最近購入した参考文献の虫えい図鑑で初めて同定することができた。もっとも、本種の写真やイラストが載っているわけではないが。未記載種のようで、学名は以前と同様、トガリキジラミ属の一種のままである。
 
写真は3月22日に虫こぶのあったシラカシの葉を持ち帰り、葉にいた2齢幼虫が育ち羽化したもの。下の写真のシラカシを枝ごと持ち帰ったところ、たった1枚の葉だけから2齢幼虫が次々と脱皮を始め、初めて幼虫の存在に気が付いた。その他の葉も虫コブはあるが、まったく幼虫は見られず、また幼虫が発生している葉は表面が膨らみ、裏側に反っているので、他の葉とは一見して見分けることができる。葉の表面の明瞭な虫コブはフシダニの一種によるものであることは間違いないようだ。羽化直後の成虫は体長2mmと小さいながらも、マスカットグリーンの体色にラベンダー色の眼をして大変綺麗だった。羽化後日数が経過し体色が黒くなった個体は活発で、トップの写真を撮影後、跳んだようでいなくなってしまった。当ページで掲載している成虫の写真はいずれも同様にすぐに跳んで逃げてしまっている。
PHOTO

ヤマモモ上の本種
この1ショット直後に跳んでいなくなってしまった。
(2009.1.3)

シラカシ上の本種
(2009.2.28)

羽化直後の成虫@
(2010.4.8)

羽化直後の成虫A
(2010.4.8)

羽化直後の成虫B
(2010.4.8)

羽化直後の成虫C
(2010.4.8)

シラカシ上の4齢幼虫@
(2010.4.8)

シラカシ上の4齢幼虫A
(2010.4.8)

シラカシ上の4齢幼虫B
(2010.3.24)

脱皮直後の4齢幼虫
幼虫の後方に付いているものは2齢幼虫の脱皮殻。
(2010.3.24)

脱皮直後の3齢幼虫@
右上のものは2齢幼虫の脱皮殻。
(2010.3.24)

脱皮直後の3齢幼虫A
(2010.3.24)

本種の虫えいのあるシラカシ
虫こぶはフシダニの一種も作る為、本種の虫こぶとは限らない。
写真の葉が丸く萎縮した葉にのみ2齢幼虫が潜んでいた。
(2010.3.22)
 
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