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マツムラトリシラミバエ
学名:Ornithomya avicularia aobatonis

自宅に現れた本種(2012.6.15)
Data
和名 マツムラトリシラミバエ
 別名:ハトシラミバエ,アオバトシラミバエ,カラスシラミバエ,キビタキシラミバエ,アホウドリシラミバエ
体長 約5mm
分布 北海道,利尻島,本州,四国,九州,奄美大島
出現期 6〜8月
鳥類の血液
 幼虫は親の体内で育つ。
解説 扁平な体型の吸血性のシラミバエの一種。
シラミバエの中では最普通種で様々な鳥類に寄生する。
シラミバエの仲間には翅が退化していたり、宿主に寄生した時に翅を落とす種がいるが、本種は終生、翅がある。
幼虫は親の体内で育ち、前蛹の状態で産む。
国内で知られている同属の仲間はアオバトシラミバエ(Ornithomya avicularia aobatonis)で本種である可能性があるが情報不足の為、属までの同定としていたが、その後研究が進んで複数の種が本種であることが判明し、和名もマツムラトリシラミバエと改められた。
 
国内に生息するトリシラミバエ属(Ornithomya)は以下の6種。
和名/学名 分布
マツムラトリシラミバエ
Ornithomya avicularia aobatonis
北海道,利尻島,本州,四国,九州,奄美大島
ミノゲトリシラミバエ
Ornithomya candida
北海道,礼文島,利尻島,本州(山梨県,富山県,福井県)
ユーラシアトリシラミバエ
Ornithomya chloropus extensa
北海道(石狩支庁),本州(新潟県,福井県,山口県),四国(愛媛県)
ツバメシラミバエ
Ornithomya comosa
本州(新潟県),九州(鹿児島県),沖縄島
キタトリシラミバエ
Ornithomya fringillina
北海道(十勝支庁,石狩支庁),利尻島,本州(福井県)
ミナミトリシラミバエ
Ornithomya fuscipennis
本州(静岡県)
 
写真は2012年6月15日に自宅のテーブル上に出現した本種を撮影したもの。一目見た時はそのペッチャンコな姿にハエが何かの下敷きになって潰れているのかと思ったほどだった。何故出現したのか不思議だったが、昼間父が庭仕事をしており、家に入った後で脇の辺りがもぞもぞして見たところ何かが飛んで逃げたとの事だった。ハエも寄生するタイプは扁平なマダニのような姿に行き着くようである。
このシラミバエは人にも付く点を参考に、参考文献で調べたところ、さまざまな動物や鳥類に付くとされるウマジラミバエ(Hippobosca equina)だと思ったが、属名で画像検索すると姿が異なっており、アオバトシラミバエ(Ornithomya avicularia aobatonis)がそっくりであった。しかし、人にも付くのかなど不明点も多く、こういったマイナーな種の同定にはいつも悩まされる。
撮影後、セミロンチューブで保管していたが、2日目にお亡くなりになったので、腹面も含め撮影したので近々更新する予定である。
その後、出版された日本昆虫目録で確認したところ、本種と似ていたアオバトシラミバエが複数の種と同一種となっており、やはり本種であることが分かったため、死骸の写真も含めて改めて紹介した。
PHOTO

自宅に現れた本種@
(2012.6.15)

自宅に現れた本種A
(2012.6.15)

自宅に現れた本種B
(2012.6.15)

自宅に現れた本種C
(2012.6.15)

自宅に現れた本種D
(2012.6.15)

腹面@
(2012.6.17)

腹面A
(2012.6.17)

死骸
(2012.6.17)
 
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