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ルリオビナミシャク
学名:Acasis viretata

ライトトラップに飛来したルリオビナミシャク(2016.8.9 山梨県)
Data
和名 ルリオビナミシャク
開張 ♂:18〜20mm
♀:20〜24mm
分布 北海道,本州,四国,九州,奄美大島,徳之島,沖縄島
出現期 5〜8月
花の蜜など
 幼虫はブナ科(コナラ)などの葉を食べる。
解説 山地性の小型ナミシャク。
前翅の地色は淡緑色で中央部の2本の横線は黒褐色で太い帯状。帯の幅は個体差が大きい。
触角は雌雄共に糸状。♂の後翅後縁には小さな袋があるという。
同属のテンオビナミシャクに似るが、山地性のやや珍しい種で帯状にならず外横線の外側の翅脈上に白点列があることなどで区別できるとされる。
本種に限らないが緑色の蛾は脱色しやすいため、同定には注意が必要。
海外ではサハリン,ロシア南東部からヨーロッパまで分布している。
 
国内に生息するAcasis属は以下の3種。
和名/学名 分布
ルリオビナミシャク
Acasis viretata
北海道,本州,四国,九州,奄美大島,徳之島,沖縄島
テンオビナミシャク
Acasis appensata
北海道,本州
アヤコバネナミシャク
Acasis bellaria
北海道,本州,四国,九州
 
トップの写真は8月9日の夜、山梨県の標高1,000m付近のコナラ主体の雑木林内に設置したライトトラップに飛来した本種を撮影したもの。5月1日にも同じ場所の林縁で飛来しているが今回は緑色が鮮明な個体だった。
幼虫の写真は4月4日に海岸の近くの林内でアオキをビーティングして得られた幼虫を撮影したもの。別々のアオキから1匹ずつ得られたのでアオキを食べていたようだ。色彩もアオキの暗い赤色の花にも溶け込む保護色効果があるように思える特徴的な色彩をしていたので正体を調べようと得られた2匹を持ち帰ったところ、ケース内に入れたアオキの葉上で動かなくなり次第に縮み始めたので弱ったのかと心配していたら4月7日には蛹になっていた。黄緑色をしていた蛹は次第に黒っぽくなり、4月21日の夜に確認したところ1匹が既に羽化して成虫になっており正体が本種であることが分かった。朝見た時は蛹のままだったようなので日中に羽化したようだ。2匹目は翌朝見た時には成虫になっていた。
PHOTO

日中に杉に止まっていた個体@
近所の林道で撮影。
(2021.2.23)

日中に杉に止まっていた個体A
(2021.2.23)

ライトトラップに飛来した本種
(2016.5.1 山梨県)

アオキにいた幼虫@
ビーティングで得られた。
(2020.4.4)

アオキにいた幼虫A
(2020.4.4)

アオキにいた幼虫B
(2020.4.4)

アオキにいた幼虫C
(2020.4.4)

蛹@
(2020.4.11)

蛹A
(2020.4.11)

蛹B
(2020.4.11)

蛹C
(2020.4.11)

羽化前日の蛹@
(2020.4.21)

羽化前日の蛹A
(2020.4.21)

羽化前日の蛹B
(2020.4.21)

蛹の抜け殻@
(2020.4.21)

蛹の抜け殻A
(2020.4.21)

羽化した成虫
(2020.4.21)
 
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