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イボタガ
学名:Brahmaea japonica

イボタガ(2008.4.30 静岡県)
Data
和名 イボタガ
開張 80〜115mm
分布 北海道,本州,四国,九州,屋久島
出現期 3〜4月
食べない
 幼虫はイボタノキ,モクセイ,トネリコ,ネズミモチ,ヒイラギ,ヤナギなどの葉を食べる。
解説 美しい模様を持つ大型の蛾。
模様から恐らくフクロウに擬態していると思われる。前翅の先端部には鳥の羽の模様、目玉模様には陰影まで表現されている。後翅には口ばしに相当する黄褐色の模様がある。
このような模様を持った本種が木に止まっていると、小鳥やネズミなどは天敵であるフクロウと見間違って逃げてしまうのだろう。後から知ったことだが、英名はやはりフクロウガ(Owl moth)であった。
幼虫は初夏に土中に潜り、繭も蛹室も作らずそのままやや赤味を帯びた黒い蛹になり、翌春に羽化する。
本種はインド・中国・台湾に生息するものの日本産亜種とされていたが、近年♂の交尾器が異なることから日本産の固有種とされた。
  
日本に生息するイボタガ科(Brahmaeidae)の仲間は本種のみ。
 
写真は4月30日の夜、静岡県の渓流沿いの外灯に飛来した本種を採集し撮影したもの。模様で驚かしているからかまったく逃げずに採集後は一度も飛ぶことがなかった。幼虫の写真は、5月15日にイボタノキにいた幼虫を撮影したもの。蛙の子は蛙で幼虫も変わっていた。持ち帰って飼育したところ、5月29日にはより大きくなっており体色も変化した。写真のように頭を丸め紐状の突起を前に出した格好で頭部を左右に振って威嚇する行動が観察できた。胸部辺りから出ている長い紐状の突起はこの時に役立つのだろう。
6月11日には紐状の突起が無くなっていて終齢幼虫となっていたので、翌日撮影した。食欲旺盛で入れておいたイボタノキの葉を丸坊主にされてしまったので、イボタノキの枝を調達してきたが、3日後にはまた丸坊主にされてしまった。近所にはイボタノキはないので、どうしたものかと思っていたが、6月19日に確認したところ、幼虫の姿はなく、敷いておいたマットに潜ったようだ。恐らくこのまま蛹になってくれるようだ。
7月17日にマット内を探したところ、大きめの蛹が出てきた。
PHOTO

イボタガ
(2008.4.30 静岡県)

イボタガ
(2008.4.30 静岡県)

イボタガ
(2008.4.30 静岡県)

翅の模様
(2008.4.30 静岡県)

前から見た本種
(2008.4.30 静岡県)

イボタノキ上の若齢幼虫@
(2010.5.15)

イボタノキ上の若齢幼虫A
(2010.5.15)

イボタノキ上の若齢幼虫B
(2010.5.15)

中齢幼虫
(2010.5.29)

終齢幼虫
(2010.6.12)

蛹@
(2010.7.17)

蛹A
(2010.7.17)

蛹B
(2010.7.17)
 
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