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オオシモフリエダシャク
学名:Biston betularia parva

ライトトラップに飛来した♂(2012.7.27 山梨県)
Data
和名 オオシモフリエダシャク
開張 ♂:29〜45mm
♀:42〜53mm
分布 北海道,本州(東北地方から中部地方の山地)
出現期 7〜8月
花の蜜など
 幼虫は広食性で、カバノキ科(ダケカンバ,ヤマハンノキ),マツ科(カラマツ),ニレ科(ハルニレ),マメ科(タイツリオウギ)などの葉を食べる。
解説 灰白色をした北方系のエダシャク。
翅はやや細長く、全体的に灰白色で、暗褐色の斑紋がある。
触角は♂では櫛歯状、♀では糸状。
本種の色彩には変異があり、稀に暗化した個体も見られるが、ヨーロッパや北アメリカでは工業化による環境破壊の結果、暗化した個体だけが生き残り、工業黒化現象或いは工業暗化現象と呼ばれ研究されている。要は環境破壊により環境が暗化することで、明るい色彩の種が目立ち、鳥に食べられて暗化個体だけが生き残るという現象である。
北方系の種である為、国内では標高の高い山地にのみ棲息することから、工業化の影響は皆無である。
国内に棲息する本種は中国産と同じ亜種で、基亜種はヨーロッパに分布している。この他、海外に複数の亜種が分布する。
 
国内に生息するBiston属は以下の9種(1亜種)。
和名/学名 分布
チャオビトビモンエダシャク
Biston strataria
北海道,本州(東北地方から中部地方の山地)
フタオビウスグロエダシャク
Biston thoracicaria
北海道,本州,四国,九州
オオシモフリエダシャク
Biston betularia parva
北海道,本州(東北地方から中部地方の山地)
クロズエダシャク
Biston marginata
本州(紀伊半島以西),四国,九州,対馬,種子島,屋久島,奄美大島,沖縄島,西表島
トビモンオオエダシャク
Biston robustum robustum
北海道,本州,伊豆諸島(伊豆大島,新島,御蔵島,八丈島),四国,九州,対馬,種子島,屋久島
トビモンオオエダシャク(奄美以南亜種)
Biston robustum ryukyuense
奄美大島,沖縄島,石垣島,西表島
タケウチエダシャク
Biston takeuchii
本州,四国,九州
シロシモフリエダシャク
Biston melacron
本州(広島県,島根県),四国(高知県),九州,対馬
ハイイロオオエダシャク
Biston regalis comitata
北海道,本州,四国,九州,対馬
キオビゴマダラエダシャク
Biston panterinaria sychnospilas
北海道(奥尻島),本州,四国,九州,対馬
 
トップの写真は7月27日の夜、山梨県の標高1,600m付近の林縁に設置したライトトラップに飛来した♂を撮影したもの。細長い翅に似合わない太った腹部、このアンバランスさが堪らない。
PHOTO

ライトトラップに飛来した♂@
(2012.7.26 山梨県)

ライトトラップに飛来した♂A
(2012.7.25 山梨県)
 
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