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  カブトムシ累代飼育マニュアル
 

カブトムシ
カブトムシ族としては国内唯一の種。
 
はじめに
ヘラクレスオオカブトといった外国産の大型カブトムシのブームの中でも、子供達に変わらぬ人気を誇る国産カブトムシ。
既に飼育したことがある方も多いとは思いますが、虫ナビとしての飼育法をご紹介したいと思います。
カブトムシの累代飼育と言っても、野外では農家の積み肥や廃材や畳の腐ったもの、廃棄した飼育用マットなどに♀が卵を産みつけ自然にたくさん繁殖している訳ですから、何も難しく考える必要は一切ございません。
むしろ、マニュアル人間にならずに、自分流の飼育法を探求して飼育を楽しんでいただけたら幸いです。
ここで述べているのはあくまで私の実経験を元に紹介しているだけであり、一例としての参考程度にしてください。
 

 
 

 
    カブトムシとは
 
国産カブトムシは日本全土に広く分布しており、クヌギやコナラがある雑木林があれば、普通に見られます。
一言で国産カブトムシと言っても、カブトムシの仲間は国内に5種が生息しており、亜種も含めると10種類になります。
 
■日本産カブトムシの仲間
学名 和名 分布
Trypoxylus dichotoma septentrionalis カブトムシ 北海道,本州,四国,九州
Trypoxylus dichotoma takarai オキナワカブト 沖縄
Trypoxylus dichotoma inchachina クメジマカブト 久米島
T.dichotoma tsuchiyai ツチヤカブト 口永良部島
Eophileurus chinensis chinensis コカブトムシ 北海道,本州,四国,九州
Eophileurus chinensis irregularis アマミコカブトムシ 奄美大島
Eophileurus chinensis okinawanus オキナワコカブトムシ 沖縄諸島,八重山諸島
Oryctes rhinoceros タイワンサイカブトムシ 八重山諸島
Oryctes hisamatui ヒサマツサイカブトムシ 大東島
Alissonotum pauper クロマルコガネ トカラ諸島(宝島),喜界島,沖永良部島,粟国島
 
しかし、カブトムシの仲間というのはコガネムシ科カブトムシ亜科の仲間であり、その中で最もカブトムシらしい姿をした真性カブトムシと呼ばれるカブトムシ族(Dynastini)に属しているのは、国内ではカブトムシTrypoxylus dichotoma)一種だけなのです。樹液に集まるのもこのカブトムシ族だけです。カブトムシ族は樹液が出ている限られた場所を巡って戦う必要があるために、ここまで角が発達したわけですね。
 
カブトムシの成虫は、6〜9月に出現し、その年や地域によっても誤差がありますが、関東ではだいたい7月下旬〜8月中旬が最盛期となります。夜行性で、主にクヌギやコナラの樹液に集まり、頭部にある発達した長い角で、他の昆虫を投げ飛ばしたり、頭角とやや短い胸角とで敵を挟み地面に落としたりして、餌場や♀を独占する強い昆虫です。集まる樹種は、クヌギやコナラ以外にも、カシ類やヤナギにも集まります。私の経験ではシラカシの樹液にクロカナブンRhomborrhina polita)と共にカブトムシも集まっているのを見たことがあります。また、カリンの樹液にも多数のカナブンRhomborrhina japonica)が集まっていたので、きっとカブトムシも来ると思います。ただし、クヌギやコナラ以外では樹液が出にくく、出ても長続きしません。
実はクヌギやコナラが夏場だけ樹液を出し続けるのには理由があり、ボクトウガCossus jezoensis)の幼虫がクヌギやコナラに穿孔し意図的に樹液を出して餌となる昆虫を誘っていることが分かっています。他にもスカシバ科やコウモリガ科の蛾の幼虫やカミキリムシの幼虫も木に寄生することで樹液を出しています。
 
夏も終わりに近づくと、♀は産卵に適した場所を匂いを頼りに探し、昼夜を問わず飛び回ります。そして、多くは農家の積み肥,廃材や畳などが捨ててある場所などに1匹で100〜200個程の卵を産み付けます。自然界では腐食の進んだ倒木の下などに産卵しますが、人工的なもののほうが、幼虫の餌として適していることが多く、特に椎茸栽培をしているような農家がある雑木林では毎年たくさんの成虫を見ることができます。


♂には立派な角がありますが、小型個体では大変小さくなります。


♀は角がないだけでなく、胸部がザラザラし、前翅にも微毛がうっすらと生えています。
 

 
    成虫飼育に使用する用品
 
飼育ケース

飼育例
マット上に散らばっているのは転倒防止用の樹皮。
昆虫飼育用に市販されているプラケースが最も適しています。大きさも各種ありますので、飼育数に合わせてできるだけゆったり飼育できるようにしましょう。1ペアであれば、中サイズのプラケースでも構いませんが、大プラケースが理想的で、産卵数もアップすることでしょう。
防虫シート

防虫シート及び保湿板
コバエ対策には必須。ただし、蒸れないように注意。
カブトムシのマットに一般にコバエと呼ばれるクロバネキノコバエ類の一種が卵を産み付け大量発生するので、侵入を防止する防虫シートが必要になります。
ビニール製のものや塩ビ板,プラスチック製など各種が揃っており、プラケースのサイズに合ったものを使用します。
ただし、コバエも侵入できない小さな穴ですので、カブトムシのオシッコなどで、容易に塞がり蒸れることもありますので、注意しましょう。
マット

マット
カブトムシ用として販売されている焦げ茶色をしたもの。そのまま幼虫の餌にできるものが好ましい。
市販されているカブトムシ用マットが最も適しています。発酵が進み、焦げ茶色になっているものが産卵及び幼虫飼育用に最も適しています。
あまり古いものを使用すると、卵に有害なダニも発生することがありますので、新鮮なマットを使用しましょう。ただし、ダニがいるようなマットでも私が飼育してきた経験では、構わずどんどん繁殖して問題なく大きくなっています。
ダニがいるマットで特に注意する点とすれば、卵を産んだままの状態にして、マット内やマット上に露出してイトダニ科の仲間に捕食されないようにすることです。
成虫観賞用であれば、どんなマットでも構いません。ただ、適度に湿らせておきましょう。
 
♀はマットを固めつつその中に1個ずつ産卵しますので、あらかじめケース半分ほど固めに詰めることで、マットの縮みも押さえることができ、産卵の手助けにもなります。固詰めしたマットの上に更にケース7分目ほどマットを乗せてやります。
 
マットの水分量もあまり難しくに考える必要もなく、泥でもなく砂でもない、ほど良い水分量であればOKです。どんなマットでも構いません。ただ、適度に湿らせておきましょう。
皿木

皿木
ゼリーを入れる餌台として使用します。
カブトムシの餌となるゼリーを入れる木製の餌台です。
ゼリーの蓋を開けてカップごと穴に入れて使用します。
ゼリーのサイズに合わせて穴の大きさも変わってきますので、自分の使用しているゼリーのサイズにあったものを使用してください。
カブトムシは大食漢で、あっという間にゼリーを空にしてしまいますので、穴が多数あいた大きめの皿木を使うと一度に複数のゼリーをセットできるので、ゼリー交換の回数を減らして管理が楽になります。
 
皿木はサイズ以外にも、広葉樹製と針葉樹製の2種類があり、広葉樹は劣化が早く、朽ちてくるとすぐにカブトムシがバラバラに砕いてしまいます。それに対し、針葉樹は劣化が非常に遅く、頑丈なので長く使用することができます。
ただし、産卵をメインに考えると産卵促進の意味で広葉樹製が適していると言えますが、カブトムシの産卵はマットだけで十分産んでくれますので、クワガタほど神経質に考える必要もありません。

昆虫用ゼリー
黄色をした少々高価な高タンパクゼリーもあるが、赤色の樹液ゼリーだけで十分。
樹液の代わりとなるゼリーです。
樹液成分のゼリーや高タンパクゼリーなどさまざまなものが出ていますが、赤色の樹液成分の入ったゼリーが最も安く、最も食い付きがよく、好結果が得られています。
 
ちなみにこの樹液ゼリーをよく採集用のトラップとして使われている方をちらほらお見かけしますが、アルコールや酢などは含まれていませんので、集まりませんよ。樹液は発酵して甘酸っぱいツーンとしたアルコールと酢の臭いによって集まります。
 
ゼリーを使用する注意点としては、もうひとつのコバエであるキイロショウジョウバエDrosophila melanogaster)の発生です。クロバネキノコバエ類よりも大きく、防虫シートなどで対策していればまず発生しませんが、発生してしまった場合でも、発生源であるゼリーの交換ペースをショウジョウバエのライフサイクル(約10日間)よりも早くすればそれだけで駆除できちゃいます。
転倒防止用グッズ
障害物のないマット上では、カブトムシは引っくり返ると起き上がれずにもがいたあげくに体力を消耗し、死んでしまいます。
そこで転倒しても起き上がれるように、止まり木や樹皮,落ち葉などを入れてやります。
販売もされてますが、買うまでもなく入手できると思います。
その他の飼育用グッズ各種
近年、初心者をターゲットにした本当に必要なの?と思わざるを得ない用品もたくさん出ていますので、初心者の方は返って混乱するのではないかな?と思っています。このページで紹介していないものはカブトムシの飼育する上では、あっても無くてもよいものと考えて問題ないと思います。
 

 
    成虫飼育
 
上記で説明した用品をセットし、成虫を飼育します。
餌切れに注意していれば、2〜3ヶ月は楽しめます。
飼育温度
暑い夏に活動する昆虫ではありますが、森や林の中は草木により、意外に涼しいので、室内では温度が上がり過ぎないようできるだけ風通しを良くしたり、クーラーを使用したりして、30℃を大幅に超える状態が長期間続かない程度に管理してあげましょう。直射日光が当たる場所には絶対におかないでください。熱ですぐに死んでしまいます。
飼育数,同居種について
多頭飼育も可能ですが、過密になると休む場所がなくなり、早死にしてしまいますので、飼育するサイズのケースに対しゆとりを持たせた数を飼育しましょう。
また、カブトムシは自然界では強い昆虫ですが、クワガタと同居させると狭い飼育ケース内では独自の戦法が取れずに挟まれて最悪穴を開けられ殺されてしまうことがありますので、長く楽しむことを目的とするのであれば同居は控えましょう。
カブトムシ同士或いはクワガタとの喧嘩を観察したい場合は、大きなケースに大きめの止まり木を入れてカブトムシが戦い易い環境を作成する必要があります。
稀に飼育でカブトムシやクワガタを喧嘩させる行為を虐待として非難される方もおられますが、自然界では毎晩行なわれていることであり、喧嘩して餌や♀を奪うという行為は本来のあるべき姿なのです。つまり、カブトムシの角は飾りではないということですね。命,命と言って過保護になりすぎるのもどうかと思います。短い時間をより充実した一生にしてあげることこそカブトムシの為になるのではないでしょうか?
ペアリング
ペアリング、つまり交尾です。
ペアで飼育していれば、餌場で自然と交尾します。お店で購入した個体や、飼育で羽化させた個体が産卵するには必ず交尾させる必要がありますが、屋外で灯火採集や樹液採集などで得られた活動中の♀の場合は既に交尾済みであることがほとんどで、そのまま産卵させることができます。
産卵
ペアで飼育していても、♀はマットに潜り産卵しますが、餌を食べる際に毎回♂が交尾を強要するため、餌を食べる邪魔になる場合もありますので、交尾後は♂を取り出すことによって産卵に専念させより多くの卵を得ることができます。
産むペースなどは、環境や個体によっても相当変わりますので、時々マットを少し掘ってみて卵がたくさん出てくるようであれば、2つめのケースを作り、♀を移してやることで今まで産んだ卵を保護し、更に多くの卵を得られます。ケースを変えないと少なからず一度産んだ卵を♀のツメで潰してしまうことがあります。
 
もし、潰れた卵が多いようであれば、イトダニ科のダニの一種が発生している場合がありますので、卵を取り出して新しいマットに埋めて保護する必要があります。卵が成長せずに萎んでしまうようであれば、無精卵の可能性がありますので、再度交尾をさせてあげてください。
ちなみに栄養価の高いカブト専用マットを2年以上前に購入し劣化して多湿気味になったものをそのまま使用しましたが、マットにはトゲダニ科とイトダニ科のダニを多数確認したにも関わらず、カブトムシのペアを飼育すると3週間後に多数の1齢幼虫が得られました。素人の方ほどダニを気にされる傾向が見られますが、失敗するとすればマットに原因があるのでしょう。
 
産卵時の卵は真っ白で細長い形をしていますが、次第に丸く大きく膨らみ、黄色っぽくなっていきます。卵は産卵から2週間もすれば孵化します。

マットの塊りに産み付けられた卵
1こずつ丁寧に後ろ脚で塊りを作り、産卵管を伸ばして産み付ける。

卵の拡大写真
産卵から比較的日が浅い卵。真っ白で細長い。

卵@
黄色っぽくなっている卵を孵化が近い。

卵A
10円玉との大きさの比較。
 

 
    幼虫〜羽化まで
 
幼虫

1齢幼虫
小さいが日に日に目に見えて大きくなる。
基本的にカブトムシ用のマットを与えるだけです。糞が目立つようになったら、新しいマットに交換します。
マットはカブトムシ専用マット以外では腐葉土でも飼育可能です。ただし、殺虫用に石灰が混ざっているような腐葉土では、カブトムシの卵や幼虫も死んでしまいますので、入手時に注意が必要です。
孵化した1齢幼虫は約10日で脱皮し、2齢幼虫になります。
そして、1ヶ月もすれば今までよりも格段に大きい3齢幼虫になり、温度管理しない状態で、翌年の6月中には蛹になります。
蛹化が近づくと幼虫はクリーム色になりますので、蛹室を作成できるようにマット下部5,6cmはきめの細かいマット或いは黒土で固く詰めてください。
 
ちなみに写真の1齢幼虫はイトダニ科やトゲダニ科を多数確認している劣化した多湿のマットを使用しており、撮影中もダニが幼虫の体を歩き回っている有様ですが、このようなマットでも多数の1齢幼虫が得られており、弱っている幼虫は1頭も確認できませんでした。

1齢幼虫
10円玉との大きさの比較。

2齢幼虫
脱皮したての2齢幼虫は1齢幼虫と大きさはあまり変わらないが、頭部は格段に大きくなっている。

3齢幼虫
非常に大きくなり、マットを食べる量もハンパじゃないので、マット交換を怠らないことが大型個体を羽化させるポイントとなる。

成熟した3齢幼虫
成熟するとこのようにクリーム色になる。
3齢幼虫が成熟し、クリーム色になるとそろそろ蛹化が始まります。
蛹室はケース下部に縦方向の部屋を作り、立った状態で蛹化します。
蛹室を作成し、蛹になるまでの期間を前蛹と言い、次第にまっすぐになり、皺が出てきます。
蛹化したかどうかは、ケース下部を覗くと、お尻だけ見えるので、鮮やかなオレンジ色が見えたら蛹になった証拠です。
温度にもよりますが、約20日すると羽化します。

♂の蛹
蛹はデリケートなので、傷付けたりショックを与えるだけでも死んでしまうので注意すること。

♀の蛹
♀には角がないのですぐに分かる。

人工蛹室
観察できるようにガラス瓶に人工蛹室を作成してもよいが、人工蛹室の形やサイズによっては羽化不全になってしまう場合もあるので、可能な限り本来の蛹室と同じサイズにすること。

露天掘り
人工蛹室を作成するのが面倒であれば、蛹室の上部だけを取り除き、そのまま上から観察することもできる。ただし、上部のマットを取り除く際に、あまり蛹室内にマットがこぼれ落ちないよう注意。
羽化
羽化直前は、蛹の中から成虫が透けて黒っぽく見えるようになります。
羽化直後は、まだ前翅が真っ白で、柔らかく、触れるとへこんでしまい、直りませんので、絶対に触らないでください。
羽化した成虫は3日ほど体が固まるのを待ち、前翅は白から赤,黒くなって固まります。
頭角先端部の殻だけなかなか取れませんが、自然界では蛹室から地上に這い上がる時点で取れます。
新成虫
蛹室から出てきた新成虫はそのまま活動しますので、すぐに餌を与えてください。
私の経験では、過去あまりにカブトムシが増えすぎた為、幼虫のケースの一つを屋外に置いたまま忘れてしまい、秋頃になって発見した時には、雨水が侵入しマットが泥状になっていて、全滅か?と思いきや、マット上に成虫の死骸が多数見られ、マットから元気な1,2齢幼虫が多数出てきました。このことから、成虫は後食できない状態にあっても子孫を残すことができることが分かりました。

羽化した成虫群
マットを捨ててある場所に幼虫を放すだけでもこれらのような成虫達が勝手に羽化するくらい、本種の飼育は容易なのです。

樹液に集まるペア
日中に見ることも多い。
 

 
    飼育上のご注意
 
カブトムシの飼育は非常に簡単です。しかし、思わぬ落とし穴があります。それは1匹から100個以上の卵が容易に得られるということです。更に幼虫は1匹ずつかなりの量のマットを食べますので、それほどの数の幼虫飼育となると、マット交換が追いつかなかったり、多頭飼育で過密になってしまい、結局は羽化まで持たないことも多いと思います。
ですから、増えすぎた分の処理として、子供達へのプレゼントや飼育した親を採集した雑木林の幼虫が生息可能な場所に放してあげるなどして、飼育数を減らす必要があります。
飼育可能な数に減らすことによって、その分残った幼虫達にマットをたっぷりと食べさせて特大のカブトムシを羽化させてください。

 

 
    購入時の注意
 
カブトムシをどうしても採集できない場合はペットショップで購入することになります。その場合は、脚に欠損がないこと、触角が付いていることなどをチェックし、何より弱っていないことを確認してご購入ください。
 
後、直接国産カブトムシの飼育には関係しませんが、次に外国産カブトムシの飼育に挑戦されることをお考えの方は、その入手にだけはご注意ください。現在、オークションサイトでは、日常的にあまり外国産種に詳しくない初心者をターゲットにした詐欺が横行しております。例えば、高価な種であるヘラクレス・ヘラクレスDynastes hercules hercules)をヘラクレス・リッキーDynastes hercules lichyi)と偽って販売するなどで、残念ながら目的の種がずっと安く購入できたとお喜びになられている初心者の方々をお見かけすることもよくあります。そして、例えば入手した♂或いは♀を繁殖させるため、今度は本物のヘラクレス・ヘラクレスの♀或いは♂を入手して交雑させることでしょう。それらで発生した雑種達は、堂々とヘラクレス・ヘラクレスの幼虫として出品されてしまうのです。
オークションの評価欄についても、到着時の大喜びしていた時のものですから「とてもよい」の評価をしてしまうのは容易に想像がつきますね。評価欄で出品者の信頼性を判断することはできないのです。
安く買いたいという理由だけで、知らない間に初心者の方が詐欺の一旦を担ってしまうのです。通常より安い価格で購入してお金儲けする訳ですから素人だから知らなかったでは済まされません。ですから、可能な限り知名度のある専門店で購入することをお勧めします。専門店選びについても、もちろん詐欺師達はパクリサイトを作成しており待ち構えていますので、騙されないようにご注意ください。
近年、当サイトの写真を無断使用し、パクリサイト上で出品中のオークションを紹介、販売するという詐欺と言われても仕方のない手口も見受けられました。例えば、イークワドットコム様に対してはイークワカブドットコムといった有様です・・・。
このパクリサイトも、本文の内容さえもパクっており、例えばオオクワガタの説明に「KabuKabu」のData baseを使用している為、Dorcus属は私の飼育種がすべてであるような紹介になってしまっていたり、学名一覧表のデザインさえも「KabuKabu」のHTMLコードをそのままパクっているという悪質なものです。
このように基礎知識も無い人間が金儲けの為だけに販売している訳ですから、当然産地や亜種などといった情報に誤りや意図的な嘘などお金儲けの要素は盛りだくさんです。もちろん、カブトムシが好きでやっていることもありませんので、虐待とも言える行為も普通に行ないます。より高価なカブトムシに至っては、安価なカブトムシの幼虫であることを悟られないようする為、羽化することがないように、発送時に幼虫のお尻に針などで見えないくらいの穴を開けて少しずつ体液を出すことにより、到着時には元気な状態を維持しつつ、購入後数日を掛けてじっくり弱らせて死亡させるという手口も有名なのです。犯罪ではありますが、このような手口は証明のしようがありませんから、法律的に罰することもできません。単純な詐欺で証拠があったとしても、有名なビッダーズオークションについては一切協力もしませんので、購入者側でオークションは使わないなどの自衛策を講じる他ないことでしょう。
ご紹介したパクリサイトについてもこちらの警告によって、画像の撤去は確認できましたが、このような人は一人で多数のオークションIDを持っていることがほとんどですので、初心者のオークション購入は大変なリスクを伴うものになるでしょう。もちろん、一人が複数のオークションIDを持つことはオークション規約上にも違反していますが、ビッダースオークションについては売買が盛んなほどオークションサイト側の収入に繋がることもあってか、実際には詐欺師達は自由に複数のIDを簡単に作成し、詐欺がバレたようなIDは切り捨てていくつもの新しいIDを作成することが可能なのです。
私が最も信頼している業者様である「ドルクス政宗」様によると、パクリサイトは、多数存在し、キューバ産ヘラクレス・偽バウドリー・偽ヘラクレス亜種事件等多数の詐欺を行なっているそうです。そして、ドルクス政宗様の日常的な努力により、詐欺事件も解決された貴重なお話もお聞きすることができました。
昨今話題になっている食品におけるさまざまな産地偽装や中国産の劣悪な食品も、今のオークション詐欺を彷彿とさせるものがあり、お客の側は皆安いからといって購入した結果、真実を知っていれば決して安くないばかりでなく、大きなリスクを背負わされる結果になっているはずです。特に農薬の類は体内に蓄積して、長年の間にある一定量を超えた時点で初めて発病することもあり、このような原因を特定することが困難な病気に掛かる危険も孕んでおり、安いというだけで取り返しのつかない損害を被る危険性もあります。残念ながら一般的に関心の高く被害額も莫大になる食品とは違いカブトムシですから、よほど悪質で多額の被害額にならない限り、警察も取り合ってくれないことがほとんどです。
ですから、初心者だからという甘えが通用しないご時世ですので、購入者の側が信頼のおける商品を購入できるように賢くなっていただく必要があるのです。
悪質な詐欺師達に得をさせない為にも、これらのことを参考にしていただき、騙されることなく確実な産地のカブトムシを入手していただき愛着を持って長く飼育していただけたら、私にとってこれ以上の幸せはございません。
 

 
    最後に
 
いかがでしたでしょうか?既にご存知のことばかりだったかもしれません。
初めて挑戦される方もきっと成功されることでしょう。その分物足りなさも感じるほどで、次は外国産カブトムシの飼育に挑戦されることも多いと思いますが、外国産カブトムシと言っても、やはりカブトムシはカブトムシですので、飼育法もほとんど変わりません。後は飼育する種の生態に合わせて、冬場を加温したり、気の荒い種であれば交尾以外は単独飼育,大型種であればケースをより大きいケースにしたりとするくらいのアレンジで飼育が可能です。
しかし、カブトムシは飼育が容易である反面、飼育しきれなくなるケースも多いと思います。
採集するばかりでなく、増えたカブトムシを採集した雑木林に放してあげることもよいことだと思います。
しかし、採集場所以外では決して逃がさないようにしてください。
元々生息していなかった北海道や沖縄でカブトムシが見つかっており、特に沖縄では在来種であるオキナワカブトムシ(Trypoxylus dichotoma takarai)との交雑により、固有の亜種が絶滅の危機に瀕しています。
更には中国や台湾といった産地のカブトムシまで出回っており、不安の種が尽きません。
国産種と交雑ができるカブトムシは買わないといった販売業者への意思表示も必要ではないかと思っている次第です。
想像してみてください。日本で採集できるカブトムシは雑種しかいないとしたら、今までのように夢中になって採集や飼育をしたいと思えるでしょうか?
いつまでも、国産カブトムシの採集や飼育を楽しめるよう一人ひとりが責任を持って飼育されるようお願いします。
 
 
 
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