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サンボンヅノカブト飼育記 - No.2 -
Beckius beccarii
産地:ニューギニア イリアン Mtファクファク
 
 
 2年前、珍品であったサンボンヅノの♀1匹を購入し、結局卵も産まないまま死んでしまい、それっきり忘れていたカブトでした。
最近、天然物のペアがオークションで出品していたので、入札してみたら2年前の♀1匹の価格の約半額で購入できてしまいました。
季節物のようで、今ではさほど珍品ではないようだが、未だブリード個体が出回っていないようで、やはりブリードが難しいようです。
 今回もダメ元で挑戦してみたいと思います。
 


 
購入〜産卵セット サンボンヅノカブト♂66mm@
ゴホンヅノに近縁の種のようだが、生態は不明な点が多く、ブリードは難しいようだ。
(2005.5.21)
2005年5月14日
 
朝の8時半に奈良オオより、ニューギニア イリアン Mt.ファクファク産/WILD サンボンヅノカブト♂66mm・♀42mmが到着した。
クロネコさんも生き物だといつも早く届けてくれて、非常に親切である。
♂はA’だが、右前翅に小さいシミがあるというだけで、完品といって問題のない個体であった。
初めてみるカブトだが、イメージ通りの3本角のカブトであった。
早速、産卵用ケースをセットすることにした。
大プラケースを使用し、マットは使い古しだが、質のよい比較的細かく固め易いマットをケース下部5cmほど固めに詰めて、その上に新品のカブトマットを固めずにフカフカした状態で入れた。
他、マット上に落ち葉を敷き、クワガタ飼育に使って細くなった産卵材を1本埋めた。
情報がほとんどないため、手探り状態のセットではあるが、多湿を好むのでは?と思い、水分多目に加湿した。
♀殺しもなさそうなので、ペアでケースに入れてみた。
サンボンヅノカブト♂66mmA
2年前は高価なカブトであったが、ずいぶんと安価になっていた。
(2005.5.21)
 
  サンボンヅノカブトの♀42mm
今回購入した♀も2年前と同じサイズであった。
※写真は2年前に購入した♀。
(2003.4.19)
飼育状況
5月16日
 ケースに入れて以来、♂は高タンパクバナナゼリーに齧り付いたまま、♀はマットに潜ったきりである。
一緒に入れてある樹液ゼリーは食べていない。
他のカブトだと大抵樹液ゼリーのほうを食べるので、食性が少し違うのかもしれない。
 
5月17日
 夜、♀もマット上に出てきていた。
♂は相変わらずバナナゼリーに齧り付いている。
ゼリーを交換しようとフタをあけたところ♀が警戒し、キュー,キュー,キュ,キュ・・・と鳴いてやがて収まった。
まるでハムスターのようなかわいらしさがある。
オークションを覗いたところ、また奈良オオがサンボンヅノを多数出品されていて、♀2匹セットがかなり安かったので、いくつか入札してみると♀2匹1セットのみ2,611円で落札できた。2年前は♀1匹に9,000円前後だったのだが、なんという下落であろうか・・・。
♀3匹となるとダメ元とは言っていられない。
まだ適した産卵環境は不明なため、主に湿度を変えてセットしてみたいと思う。
 
5月18日
 夜、まだ♂は同じ場所のゼリーに齧り付いている。
♀はまたマットに潜って姿が見えない。やはり産卵している、或いは産卵しようとしている可能性が高い。

追加♀2匹購入
5月20日
 奈良オオから追加で♀2匹が到着した。
 
5月21日
 ♀2匹を取り出してみると1匹はキューキュー鳴いて元気だが、もう1匹は鳴かずに元気がない。
1匹毎に産卵ケースをセットする予定であったが、1匹は産卵に期待できないため、大プラケースに2匹で産卵させることにした。


産卵ケース再セット 産卵用ケース
マットはフルイに掛けて、固め易いように微粒子にしたものを使用した。
(2005.5.22)
5月22日
 
ヘラクレス・ヘラクレスの産卵ケースをセットする際、マットをフルイに掛けてみたのだが、産卵用として販売されているマットであっても、かなり大きめの石や木片が多くあることが分かった。
これではサンボンヅノも産卵してくれないのではと思い、1ペアのケースのマットをフルイに掛けたマットで再セットすることにした。
♀は1日おきにゼリーに齧り付いており、非常に状態がよいので、産卵に期待したい。
♀2匹の産卵ケースも再セットしたいが、ヘラ・ヘラとサンボンヅノペアのマットをフルイに掛けてヘトヘトなので、次回再セットしたい。

フルイに掛けた産卵用マット
湿度よりも、木片などが混ざらない微粒子マットを使用することが重要なのかもしれない。
(2005.5.22)
 
  フルイに残った木片や石
かなり大きめの木片や石がゴロゴロ出てきた。
目分量だが、10L中2Lほども出てしまった。
(2005.5.22)
 
飼育状況
6月5日
 1ペアのケースは、♀がゼリーに頭を突っ込んでお尻だけ出している光景が見られる。
♂は最近、見かけない。既にマット内で死んでいる可能性がある。
♀2匹のケースはマットに潜ったきり姿を見ていない。こちらも死んでいないか不安だ。

産卵せず
6月26日
 最初に購入した1ペアの♀は相変わらずゼリーに頭を突っ込んで食べている。
しかし、その他はずっと姿を見ていないので、既に死んでいると思われる。
そろそろ採卵してみることにした。
しかし、残念なことにマット中からすでにバラバラになった成虫の死骸が出てきて、卵は一個も見つからなかった。
マットはある程度フルイで細かくして、質も新しくて良いものを使ったつもりだが、サンボンヅノの場合は他の何かが必要なようである。
それは、低温を好む或いは多湿、乾燥気味などいろいろ試してみないとなんとも言えない。
♀1匹は生きているが、他の3匹はかなり前からマット中で死んでしまっていたようで、寿命も短いようである。
しかし、♀1匹は未だに生きていてゼリーにいつも齧り付いていて、マット中で活発に産卵活動をしている様子はまったく見られない。
 
今回も残念な結果となってしまったが、次回も購入できるチャンスがあれば、またセットを変えて試してみたいと思う。


 

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