ホーム > クモ目 > ミズグモ科
 
ミズグモ
学名:Argyroneta aquatica

ミズグモ(2008.11.5) 撮影場所:井の頭自然文化園(水生物館)
Data
和名 ミズグモ
体長 ♂♀:9〜15mm
分布 北海道,本州(青森県,京都府),九州(大分県,鹿児島県)
出現期 1年中
水生の昆虫や虫,アカムシ,イトミミズなど
解説 世界で一種しかいない水中に生息するクモ。
ヤチグモ科の仲間に似た姿をしており、頭胸部は赤褐色,腹部は灰色をしている。
タヌキモやマツモなどの水草が豊富な池や沼,湿地で、標高は比較的高い場所に生息している。
水面上からは一切出ることはない大変変わった生態をしている希少種で、北海道以外では滅多に見ることができない。
腹部全体と頭胸部の裏側は水を弾き、空気を溜めることができ、水草の間などに糸で固定した空気室を作り、住居にしている。呼吸に使用する酸素はすべてこの空気室で賄う為、気温の高い場所では空気室と水中とのガス交換の効率が悪く生息することができない。生息域が気温の低い場所が多いのはこのためである。
クモ綱の仲間は体外消化で、水中では肉質が水中に流れ出してしまう為、獲物を捕らえると空気室に運んで食べる。脱皮も空気室内で行なう。
 
本種は国外ではヨーロッパ,シベリア,アジアの亜寒帯〜温帯地域に分布している。
 
写真は11月5日に、井の頭自然文化園の水生物館内の本種を撮影許可を得て撮影したもの。誠文堂新光社より刊行予定の「水棲昆虫大集合」の制作の為、スタッフのご協力により貴重な本種の撮影をすることができた。もちろん本種についても紹介予定。
PHOTO

ミズグモ
(2008.11.5)

横から見た本種
(2008.11.5)

裏から見た本種
(2008.11.5)

後ろから見た本種
(2008.11.5)

空気室と本種@
(2008.11.5)

空気室と本種A
腹部を空気室に入れ、酸素を補充している。
(2008.11.5)

空気室内の幼体
(2008.11.5)

幼体
成体より色が淡い。
(2008.11.5)
 
先頭ページへ