ホーム > ハエ目 > ミバエ科 > ケブカミバエ亜科
 
ツマホシケブカミバエ
学名:Trupanea convergens

夜間、アカマツ上で休む本種(2012.3.24)
Data
和名 ツマホシケブカミバエ
 別名:オキナワケブカミバエ
体長 3〜4mm
分布 本州,四国,九州,沖縄島
出現期 3〜6月
花の蜜
 幼虫はヤクシソウの蕾を食べる。
解説 翅先に黒い斑紋を持つケブカミバエの一種。
胸部は灰色、複眼は赤〜緑色の光沢がある。
翅は先端付近に黒い斑紋が見られ、同属の近似種は斑紋の形で区別できる。
幼虫はヤクシソウの蕾の中で成長する。
 
国内に生息するTrupanea属は以下の3種。
和名/学名 分布
ツママダラケブカミバエ
Trupanea amoena
本州,九州
ツマホシケブカミバエ
Trupanea convergens
本州,四国,九州,沖縄島
オオケブカミバエ
Trupanea guttistella
国後島,本州
 
トップの写真は3月24日の夜、近所の杉林の林縁にあるアカマツの葉に止まって休んでいる本種を撮影したもの。
松の葉や枝が邪魔して撮影するのに苦労したが、眠っているのか、少々揺れてもピクリともしなかった。
本種を見るのはこれが二度目で、1度目の写真はページ下部のチャの葉上にいた本種を撮影したものである。
普通ハエの仲間は近づくとすぐに飛んで行ってしまうものだが、本種は逃げずに翅をしきりに広げたり畳んだりを繰り返しており、掃除でもしているのかと思っていた。しかし、その時小さな蟻が本種の前に来たので今度こそ飛んで逃げるだろうと思っていたところ、何と本種は蟻に向かって間合いを取りつつまるで闘牛士かのように左右の翅を広げて前縁中央付近をやや曲げて蟻に黒い斑紋を見せつけて蟻が怯んで逃げてしまったのである。
透明な翅の先端にある黒い斑紋は、黒大きい紋が胴体で紋から伸びる帯が脚となり、独立した黒い虫に見えてしまうのである。
例え、ハエトリグモのような天敵であっても、攻撃の的を翅先に逸らして逃げることができる知恵で関心させられる。
PHOTO

夜間、アカマツ上で休む本種@
(2012.3.24)

夜間、アカマツ上で休む本種A
(2012.3.24)

チャの葉上の本種@
(2010.6.6)

チャの葉上の本種A
(2010.6.6)

チャの葉上の本種B
(2010.6.6)

チャの葉上の本種C
(2010.6.6)

天敵を翅先に誘導する行動を取るシーン
前の敵に左右の翅を交互に広げて斑紋の部分を見せることで攻撃を回避している。最大限に斑紋を強調するシーンの写真はややブレてしまったので、一歩手前の写真を紹介している。
(2010.6.6)
 
先頭ページへ