ヘラクレス・リッキー
Dynastes hercules lichyi
産地:コロンビア
〜羽化編〜
 
 
幼虫飼育も順調に大きくなり、過密でいい加減な飼育をした♀幼虫のうち3頭が
死んでしまった以外は32頭すべて大きく成長させることができた。
飼育当初、♂は単独飼育なのでてっきり雌雄羽化ズレになると
思っていたのだが、羽化ズレはほとんど皆無であった。
目標の160mmオーバーは無理そうだが、
どこまで大きな♂を羽化させることができるのか
今までの飼育条件と照らし合わせて検証していきたい。


ヘラクレス・リッキーの新成虫♂144mm





♀の羽化
2月4日
 最初に蛹化した♀が羽化した。やはり蛹化からほぼ2ヶ月であった。
2月5日
 2頭目の♀も羽化した。他、同ケースにいる2頭はマットで外部から確認できないので、管理表の記録では2ヵ月後の羽化とした。
2月8日
 3頭目の♀も羽化した。
以後、2月中に大部分の♀が羽化した。
羽化の遅れた♀は3月から4月上旬の羽化となりそうだが、やはりマットの劣化を長く放置していたもので、成長が遅れたようだった。

♂の羽化 ♂の羽化
最初にしてはかなりの大型個体が羽化した。
だいたい140mm前後のようだ。
頭角突起も2本あった。
(2004.2.15)
2月15日
 今日は日曜日だが、午前中は資格試験だったので昼に帰宅、数ある飼育ケースの中になにやら目立つ白いものが!!
開けてみると1月1日に掘り出した♂の蛹(b-1)が羽化していた。
140mmくらいの大型の♂で、頭角突起も2本ある立派な完品だった。
この個体の蛹化した日は確認しなかったが、羽化まで2ヶ月掛かるとすると蛹化した日は12月中旬ということになる。
角曲がり等もまったくなく、幼虫飼育から1年と1ヶ月でこれほどの個体を羽化させることができて、大満足。
 しかし、種親を購入したのが、おととしの10月である。ここまで飼育するのは気の長い話である。
132gだった幼虫が羽化したものなので、更に大型でも160mmには及びそうにない。
160mmオーバーを作出するには更に菌糸の食いカスなどの添加が必要なのだと思う。

新成虫♀取り出し
2月22日
 最初に羽化した♀4匹(a−2,3,8,9)を取り出してみることにした。
4匹とも元気な完品で羽化していた。
体長と体重は65mm(25g)、65mm(25g)、66mm(26g)、67mm(28g)であった。大プラケースに4匹で少し過密気味だったが、普通サイズの♀が羽化してくれて満足した。
1頭だけ♂の窪みのある部分に窪みはなかったのだが、黒点があり、♀?としていたが、やはり♀だった。
4匹ともとても元気がよく、前翅も少し色付き始めていた。
3月13日
 羽化して2週間になる♀3匹(b−10・11・12)を取り出してみることにした。
4匹同時飼育のものに比べ、やはり全体的に大きかった。3匹とも67mm(21〜24g)ほどの大型の♀であった。
♀は取り出し時に体重を量っているが、羽化後排泄ごとに体重が減るのであまり参考にならないかもしれない。
羽化した♀達
この4匹は同じ大プラケース内で飼育、羽化させたもの。
(2004.2.22)

  新成虫の♀67mm
4頭一緒に飼育していたが、結構大きな♀が羽化してくれた。
(2004.2.22)

新成虫♂取り出し(b−1)
2月22日
 最初に羽化した♂(b−1)を大プラケースから取り出し、中プラケースに移動させた。
大きさを測ると141mmもあった。
まだ前翅は黒い。
3月6日
 最初に羽化した♂(b−1)を取り出してみるとまだ完全ではないが、前翅の大部分が色付いた。
ヘラヘラには及ばないが、胸角も太めで角曲がりも全くなく完璧な個体だった。
新成虫の♂141mm@
1匹目にして、見事な大型の♂を羽化させることができた。
(2004.3.6)

  新成虫の♂141mmA
種親の♂からはとても想像が付かないほど大きく立派だ。
(2004.3.6)

新成虫♂取り出し(b−5)
3月13日
 1月1日に羽化した2匹目の♂(b−1)を掘り出してみることにした。
1匹目より大きい144mmの角曲がりなしの完品の大型の♂が出てきた。
この個体もリッキーにしては角も太めで大変立派な個体だった。
どちらの♂も販売するには惜しい個体だが、まだまだ羽化してくるのでとても飼育しきれないだろう。
新成虫の♂144mm@
2匹目はこれまた更に大型の立派な♂が羽化してくれた。
(2004.3.13)

  新成虫の♂144mmA
リッキーにしては角も太くて、頭角突起も多め。
(2004.3.13)

羽化不全の♂(b−6) 羽化不全の♂147mm
残念ながら3匹目にして羽化不全が発生してしまった。
蛹化時にコバエが繁殖していたので、マットがスカスカのスポンジ状になっていて、蛹室すら確認できず、羽化不全の状態でマット上でひっくり返っていた。
(2004.3.21)

3月21日
 3月16日に羽化した♂を取り出してみることにした。
蓋を開けてみるとなんとマット上でひっくり返っていた。
残念なことに羽化不全であった。
どうやらマットが非常に劣化していてスカスカのスポンジ状になっており、羽化時に起き上がれなかった可能性が高い。
蛹室の痕跡すら確認できず、羽化時には既に蛹室が崩壊していたのかもしれない。
蛹化時、既にコバエが繁殖してしまい、気にはなっていたのだが、残念だ。
しかも、角の先端から前翅の先までで147mmもある大型の♂であった。
しかし、このような個体は雑菌が体内に侵入してしまうため、近いうちに必ず死ぬ。
オークションでこのような個体が種親用にと販売されているのを見かけることがあるが、まず無理であろう。
3月22日
 羽化不全の♂は昨日の時点で、生きていながら腐敗臭を放っていたが、今日死亡した。


中プラケースの♂の羽化(a−6)
3月27日
 中プラケースで単独飼育していた♂が羽化した。
最後のマット交換時、99gとケースが小さいためか他の幼虫より大きくならなかったが、どんな成虫になっているのか近々確認したい。

大プラケース♂1♀2トリオ蛹室作成(d−3・4・5)
3月28日
 大プラケースで♂幼虫1頭と♀幼虫2頭で一緒に飼育していた幼虫が3頭とも蛹室を作成した。
ゾウカブトではまったく違う結果となってしまったが、リッキーの飼育では蛹化の時期が完全に一致した。


新成虫♀後食開始
3月28日
 3月13日に取り出した3匹の♀(b−10・11・12)がマット上に出て、活動を開始していた。
すぐにエサを与えた。
3月29日
 2匹の♀がゼリーを食べているところが確認できた。
この♀達は2月10日に羽化したもので、今までの経験から2ヶ月掛かると思っていたが、後食開始まで1ヶ月半しか掛からなかった。

新成虫♀取り出し(b−7・8・9)
4月3日
 2月28日に羽化した♀3匹を取り出すことにした。
体長は69mm(27g)、69mm(26g)、66mm(25g)であった。
すべて完品で、すごく元気だった。

中プラケース♂の取り出し(a−6) 新成虫の♂127mm@
中プラケースで単独飼育したら、140mmオーバーにはならなかった。
しかし、前翅に黒紋がほとんどなく、非常に綺麗な個体。
(2004.4.11)
4月3日
 中プラケースで単独飼育していた♂を取り出してみた。
腐葉土にミミズがいたようで、巨大なミミズとともに♂が出てきた。
127mmと140mmオーバーの2匹に比べると小さいが、綺麗な完品で羽化していた。
確かに3月26日までは蛹の背面をケース下部より確認していたので、羽化後日が浅いのだが、どんどん色付いていき、模様がほとんどない黄色い前翅に色付いた。まだ尻部近くは色付かないが、羽化後日が浅いのに色付き、かなり意外だ。
他の♂140mm(b−1)は完全に色付くまで1ヶ月以上掛かったのだが・・・。
角曲がりもない完品で、前翅が特に綺麗な♂で、それぞれ個体差が楽しめて非常に面白い。
♂140mm(b−1)の濁った黄土色の前翅に比べても、この個体はかなり鮮やかなヤマブキ色をしている。
頭角突起は一つで、これは大きさによっても本数は影響されるようだ。
 大プラケースで飼育している個体群がすべて140mmオーバーなのと比較すると中プラケースで飼育したこの♂は127mmと小さめで、やはり飼育ケースのサイズに体長が影響されるようだ。
4月11日
 完全に色付いていると思い、♂127mm(a−1)を取り出してみた。
やはり完全に前翅が色付いて、とても鮮やかなヤマブキ色に発色した。
種親が同一ショップの小型ペアなので、その種親も鮮やかな色をしてそれが遺伝して、腹違いのb群からの個体と比べて違いが出たと思われる。
新成虫の♂127mmA
頭角もリッキーの特徴がよく現れている。
(2004.4.11)

  新成虫の♂127mmB
中プラケースでの飼育でも、文句なしの完品個体で羽化してくれた。
(2004.4.11)

新成虫♂144mm(b−5),後食開始
4月29日
 ♂144mm(b−5)が、後食を開始した。
羽化日が2月29日なので、ちょうど2ヶ月で後食を開始したことになる。
♀も続々後食を開始しており、すさまじい食欲で飼育が大変なので、販売して数を減らしていくしかない。
5月6日
 ♂144mm(b−5)は中プラケースで飼育していたが、かなり窮屈そうだったので、大プラケースに移動させた。

ミミズの大発生による蛹室崩壊 角曲がりを起こしてしまった♂の蛹@
大プラケースで3頭の飼育ではスペースが無いためか♂は小さい蛹室しか造らず角曲がりを起こしてしまった。
この蛹は以前ヘラクレスを羽化させた人工蛹室を再度使用して羽化させることにした。
(2004.5.6)

5月7日
 現在蛹のケース(d−3〜5)を見てみるとマットが半分以下に縮んでいる。
ミミズがたくさん見えてケース下部から見えた幼虫も確認できなくなっていたので、急遽掘り出すことにした。
掘ってみると蛹室が崩壊され、♀の蛹が1頭むき出しの状態になっていた。
もう1頭の♀の蛹室も簡単に崩れるほどもろかった。
♂は大プラケースで♀2頭と♂1頭が窮屈だったのか蛹室が小さく角曲がりを起こしていた。
取り出した蛹は黒土で作成した人工蛹室にセット、♀1頭は以前に羽化したリッキーの♀の蛹室がとても頑丈だったので壊すのがもったいなくそのままくり抜いた状態で置いておいた蛹室をそのまま使うことにした。
更にもう羽化しているはずa−1,5のケースも同じくミミズが大量に発生していて、残念ながらこちらは手遅れでマット中にむき出しの状態のまま羽化してしまい、♂2匹とも即死状態であった。
角曲がりを起こしてしまった♂は、蛹室を作成した場所には余裕があり、角の先まで十分にスペースが取れる場所だった。
にもかかわらず小さい蛹室を造って、角曲がりを起こしてしまっていた。
これは他の幼虫の存在を認識していてわざと小さい蛹室を作成したのでは?と考えている。

今回のミミズは小さいミミズが大量に繁殖するというものだった。♂127mm(a−6)を取り出し時には大きなミミズが1匹のみいたが、まったく蛹室に害はなかった。どうやらミミズには少なくとも2種類はいるようだ。
今回の小さいミミズは大変繁殖力が強く、小さい状態で成虫?なので繁殖するサイクルが異常に早くあっという間にマット内に大量のミミズが発生してしまうのである。
一度繁殖したマットからいくらミミズを取っても既にマット中に無数の卵があるはずなので、マットはすべて破棄したほうが賢明である。

残念ながら羽化不全で死亡していた2匹はどちらも角曲がりのない立派な胸部・頭部をしていたので、築地カブ市場の看板になってもらうことにした。角は蛹化時に決まってしまうので、この場合、羽化時にマット中にいたため、前翅・後翅を伸ばすことができなかったために死んでしまったと思われる。
蛹室にセットした♀の蛹
以前リッキーの♀が造った蛹室を再利用した。
この蛹はミミズによって完全に蛹室が破壊されていた。
(2004.5.6)

  人工蛹室にセットした♀の蛹
マット内に大量のミミズが繁殖してしまい、急遽黒土で人工蛹室を作成して避難させた。
(2004.5.6)

大型ペアの飼育 飼育ケースのペア
♀の数が多いので、実験的に♀も同居させてみた。
(2004.5.7)
5月7日
 今のところ♀のほうが多く、1匹の♂に連続して交尾させることは控えたいので、実験的に♀67mmを1匹のみ♂のいる大プラケースに入れて一緒に飼育してみることにした。
交尾が確認できたら、産卵用ケースに♀をセットする予定。
入れた♀は3月28日に後食を開始したb−10,11,12のうちの1匹である。
もっと羽化が早い2月上旬に羽化した♀を入れるべきかもしれないが、その♀は種親aの子供であり、種親aから得られた子供は♂も♀も前翅の黄色がとても鮮やかで特徴があるので、それを遺伝させたく、種親aから得られたペアで繁殖させようと考えている。
5月9日
 今のところ、かなりの食欲だった♀がセットからエサ場に来たところが一度も確認できない。
♂は休むこともあるが、ほとんどエサ場にいることが多いので、警戒して来ない可能性もある。
5月16日
 セット以来、まったく♀がエサを食べているところが観察できないので、♀を取り出すことにした。
姿も見えないので、マット中で死んでいるかと心配したが元気だった。

ダニによる蛹の死亡 ダニに寄生された蛹
白いダニが大発生して蛹に寄生してしまい、死なせてしまった。
(2004.5.22)

5月22日
 3月25日に蛹化した♂(b−3)が一向に羽化しない。
よく蛹室内を覗き込んでみると白い粒がたくさん蛹に付いていた。
どうやらダニが大発生してしまったようだ。
幼虫によく付いていたピンク色のダニとは違い、体液を吸っているようで蛹が死んでしまったようだ。
新成虫♂138mm(b−2)の取り出し 新成虫の♂138mm@
角も太めで頭角突起が小さいものも含めると4つもあり、先端が棒状で尖っていない。
同じリッキーでも非常に個体差が激しい。
この個体では頭角先端近くの突起がヘラ状なところにリッキーの特徴が現れている。
(2004.5.29)

5月29日
 5月22日に羽化した♂(b−2)を取り出してみた。
体長は138mmであった。頭角突起が小さいものも含めると4つもあり、先端が棒状で尖っていない。
ヘラクレスの亜種の見分け方は頭角の突起の数や先端が尖る・尖らないなどがポイントにもなるのだが、個体差が激しく一般に言われている特徴に当てはまらない個体もかなり多い。
この♂の場合では頭角先端近くの突起がヘラ状になっているところにリッキーの特徴が現れている。
6月12日
 黒かった前翅が色付くようになった。
オオカブトは食欲旺盛でエサ交換も大変なので、この♂はペアにして販売することにした。

新成虫の♂138mmA
(2004.6.12)

  新成虫の♂138mmB
(2004.6.12)

蛹室崩壊後の人工蛹室での羽化
5月22日
 ミミズの大発生で蛹室が破壊されて人工蛹室で管理していた♀が完品で羽化してくれた。
5月24日
 蛹室をくり抜いてセットした2匹目の♀も完品で羽化した。
6月12日
 角曲がりを起こした♂も無事に羽化してくれていた。
既に体が固まっていたので、羽化後1週間近く経っているようだ。
頭角、胸角ともに90℃に曲がっている。
♂は小型だったが、♀2匹の体長は70mm、67mmで大型の♀となった。
角曲がりの♂@
蛹室崩壊のために、角を伸ばすことができず、頭角、胸角ともに90℃に曲がってしまった。
しかし、ブリードには何の問題もない。
(2004.6.12)


  角曲がりの♂A
実際には90mmだったが、角が曲がっていなければ110mm前後の個体だったと思う。
(2004.6.20)

交尾・産卵セット 交尾(♂144mm×67mm)
♂の気が荒く、毎回失敗してきたが、やっと交尾に成功した。
(2004.6.12)

6月12日
 ♂144mmでほぼ毎週交尾にチャレンジしてきたのだが、ものすごい闘争心で♀を攻撃してしまい、毎回失敗してしまっていた。
しかし、今回は♀の上に♂を乗せるとようやく交尾してくれた。
1時間近くして交尾が終了したので、♀を特大プラケースにセットした産卵用ケースに入れた。
マットは90%使用済みマットを使用して、ケース下部5cmのみ固く詰めて、その上に軽くマットを敷いた。
新成虫♂143mm(c−2)の取り出し
7月4日
 6月30日前後に中プラケースで羽化した♂を取り出してみた。
最後のマット交換で大プラケースから中プラケースに変更した個体だったが、不全もなく143mmもある大型個体になっていた。
胸角が太く、前翅の模様はほとんどなく、胸角のラインが綺麗な素晴らしい個体だった。
恐らく中プラケースだったので、スペースがギリギリで胸角が蛹室内の壁に沿ってカーブを描いたのであろう。
この♂も養いきれないので、近々販売しようと思う。
7月10日
 ペアで販売してすぐに売れた。宮崎県の方で発送に2日掛かったが、暑さによる死着もなく無事に到着してくれた。
新成虫の♂143mm@
中プラケースでスペースが足りなかったためか胸角の先が下向きに湾曲して、返って綺麗なカーブを描いてくれた。
(2004.7.4)

  新成虫の♂143mmA
(2004.7.10)

新成虫♀69mm(b−7)との交尾
7月25日
 産卵は♀1匹だけにすることに決めていたのだが、失敗する恐れもあるので、もう1匹の♀69mmも産卵させることにした。
♂を♀の上に乗せて、しばらくほっておくと交尾を開始した。時間は計っていないが2時間くらい交尾していた。
産卵ケースは特大プラケースを使用して、1匹目と同様にセットした。

残りの幼虫の蛹化
12月30日
 蛹化が遅れた残りの幼虫も1ヶ月ほど前から蛹化しだして、すべて蛹化した。
この幼虫達はいずれも大プラケースで2頭同時飼育なので、マットの消費が早く、栄養が取りにくかった可能性がある。
しかし、大型になってくれたようだ。

残りの羽化
2005年3月9日
 種親♀60mmの子供である蛹が羽化した。
3月13日
 同じケースで飼育していた蛹も羽化した。
3月16日
 種親♀69mmの子供である蛹が羽化した。同じケースにまだ蛹が1匹いる。

新成虫取り出し
4月3日
 そろそろ活動を始める頃だろうと新成虫を取り出すことにした。
残念なことに最後の蛹1匹はそのまま死亡してしまっていた。
取り出した3匹はどれも130mmオーバーで最大で136mmであった。
飼育環境としては大プラケースで2頭飼育とマット交換の頻度も遅く、最後は半年近くほったらかし状態で大きさは期待していなかったのだが、他の幼虫群と大きく蛹化が遅れてしまい長く成長期間をじっくりと取れたのがよかったのか小型化せずに大型個体となってくれたようだ。
残念ながら、繁殖はマットが劣化していたことと、ゼリーの追加が頻繁にできなかったことが影響してか産卵には至らなかった。
この最後の3匹を販売して、ヘラクレス・リッキーの飼育を完了することとしたい。
新成虫の♂136mm
大プラケースで2頭同時飼育でマット飼育の頻度も遅かったと思うが、セミ化したためかそこそこの大型個体になってくれた。
(2005.4.3)

  新成虫の♂134mm
種親♂の前翅が鮮やかだったからなのか同じ種親で羽化した2匹ともに前翅の色が鮮やかであった。
(2005.4.2)

新成虫の♂133mm@
この個体の種親は♀69mmなので、やはり遺伝したらしく、前翅の色がオリーブ色であった。
写真では太陽光の影響で黄色味が強調されてしまっているが、実際は大変緑がかった前翅をしている。
(2005.4.2)

  新成虫の♂133mmA
前翅にシワが寄ってしまっているのが残念ではあるが、胸角も太くヘラヘラのような♂であった。
(2005.4.2)

まとめ
 ヘラクレス・リッキーの飼育は初挑戦でしたが、飼育は簡単で繁殖はヘラヘラよりも採卵しやすかったように感じました。
唯一残念なことは幼虫飼育用のマットにミミズが発生してせっかく大きくした幼虫を蛹化・羽化不全させてしまったことです。
大型個体も狙って幼虫飼育をしまして、最大で147mmが出ましたが、惜しくも羽化不全で完品では最大で144mmでした。
150mmの個体にも期待していましたので、少し残念でした。
大プラケースで単独飼育で大型化を狙いましたが、夏場の温度は30℃近くあり、成熟を早めてしまったとすると25℃前後に保ち、良質のマットを定期的に与えれば150mmオーバーするのかもしれません。

羽化した新成虫達はどれも個性豊かで、胸角が太い個体や前翅が渋いオリーブ色の個体、前翅の色が鮮やかなオレンジ色で黒点がほとんど無い個体など、個体差に富んでいて、飼育していて飽きませんでした。
累代がストップしてしまったことは残念ではありますが、販売のほうでもリッキーの需要が多いので、また機会があれば飼育したいと思っています。

 

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