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  スズムシ累代飼育マニュアル
 

スズムシ
♂はリーン,リーンと綺麗な声で鳴く秋の風物詩。
 
はじめに
鈴の音のような美しい声で鳴くことでペットとして人気の高いスズムシ。
虫嫌いの方でも、スズムシを嫌いという方は滅多にいないでしょう。
飼育も簡単で、繁殖も容易ですので、累代飼育で毎年たくさんのスズムシを増やして鈴の音を楽しんでみてください。
スズムシの飼育法でコオロギの仲間も飼育することもできますので、いろいろな虫の声を楽しむこともできます。
このページで紹介している飼育法は、あくまで自分流の部分もあり、参考程度にしてください。
 
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    スズムシとは
 
スズムシ(鈴虫)とは、コオロギ科スズムシ亜科の一種です。その名の通り、鈴の音のようなリーン、リーンと綺麗な声で鳴きます。鳴くのは♂で、前翅にある複雑な形状をした翅脈が発音器になっており、ヤスリ状の突起を擦り合わせることで、音を鳴らしています。
自然界では草原などの湿った地面を好んで生息していますが、さほど目にする昆虫ではなく、ペットとして販売・飼育されているスズムシを見かけるほうが多いと思います。


♂の翅は複雑な模様をしている。


♀は翅が小さく、翅脈も直線的な他、尻から長い産卵管が1本伸びている。
 

 
    成虫飼育に使用する用品
 
飼育ケース

飼育例
エサ皿,水飲み場,隠れ家がある。
昆虫飼育用に市販されているプラケースが最も適しています。スズムシは密度が高くても飼育可能ですが、動物質の餌がないと共食いし易くなりますので、可能であれば大きめのケースでゆとりを持って飼育するのがよいでしょう。
マット

ピートモス
ピートモスは保湿性に優れている。
100円ショップなどで手軽に購入できる。大体2L100円,4L400円程度。
スズムシ用マットが市販されていますが、保水性のあるピートモスが最適だと思います。産卵床となりますので、やや厚め(4〜6cm程度)敷きます。
乾燥しないよう、また多湿になり過ぎないように適度に湿らせておきます。
スズムシ用として市販されているマットは、針葉樹や広葉樹のオガクズが原料のようですので、コバエが発生する原因にもなると思いますので、私の飼育で実績のあるピートモスをお勧めします。
水飲み場

水飲み場
小さなタッパーにミズゴケを湿らせてある。
小まめの霧吹きで加水していれば、特に入らないものですが、カビが生えやすくなったりするのを防ぐ為にマット表面を乾燥気味にしておいたり、長期間放置しても生きられるようにしたい時などは、水場を設けるのがよいでしょう。
水飲み場は、小さなタッパー等の浅い入れ物をマットに半分ほど埋めてやり、溺れたりしないように、また乾燥防止にミズゴケを入れてやると飲むだけでなく足場にもなり、より安全です。
ミズゴケには保水力に優れていますので、水やりを忘れたとしても、長期間生きられます。

餌場
手頃な餌台に飼料を入れてやるだけでよい。
人工飼料が最も手軽です。スズムシ・コオロギ専用として販売されています。私はサソリ等の餌用コオロギ飼育用として市販されているクワの葉を乾燥させて粉末状にした餌だけで成虫にまで飼育できています。しかし、人工飼料がこのような植物性の場合は共食いが起きる可能性がありますので、動物質の餌として、鰹節を一緒に与えるとベストです。
人工飼料のような粉末状の餌や鰹節などは、マット上に撒いたりするとすぐにカビが生えて腐りますので、必ず餌用の皿などの上に入れて与えてください。
ナスやキュウリも餌になりますが、マットに付かないように串に刺して与えます。ただし、腐りやすいので小まめに交換する必要があり、飼育が面倒になりますので、人工飼料を与えているのであれば特に与えなくても大丈夫だと思います。
 
ケース内の湿度によっては、餌にカビが生えやすくなりますので、できるだけ通気をよくしてください。
隠れ家
割れた植木鉢や木製のペン立て等、隠れられるものであれば、何でも構いません。
私は竹製の箸立を使用しています。
 

 
    成虫飼育
 
上記で説明した用品をセットし、成虫を飼育します。
餌切れに注意していれば、2〜3ヶ月は楽しめます。
飼育温度
日本の昆虫ですので、常温で構いませんが、出来るだけ風通しの良い場所がよいでしょう。直射日光が当たる場所は厳禁です。
飼育数について
多頭飼育も可能ですが、足場も無いほどの密度では傷付けあったり、体力を消耗し易く好ましくありません。多頭飼育の場合は共食いを避けるため、特に動物性の餌も与えるようにしてください。
ペアリング
ペアリング、つまり交尾です。
雌雄一緒に飼育しますので、ほっとけばいつの間にか交尾しています。
産卵


直径3mmほどで、黄色く細長い。
♀は卵を持つと腹部が膨れてきますので、見た目で分かります。
♀は長い産卵管をマットに突き刺して直径3mm程の黄色く細長い卵を産み付けます。1匹で100〜150個ほどの卵を産みます。
卵はケース側面から、見えることも多いので、よく観察してみてください。
 
卵はそのままにしておき、来年の5〜6月に孵化します。成虫は冬になると死んでしまいますので、死骸や餌を片付けた後に、乾燥を防止する為に、ケースと蓋の間に保湿シートや新聞紙などを挟んで乾燥を防ぐとよいでしょう。
越冬中はマットを凍らせないようにご注意ください。あまりに寒い地域の方は、マットを冬場だけ乾燥させると良いようです。
 

 
    幼虫〜羽化まで
 
幼虫
産卵したマットを保湿して管理すると、来年の5〜6月に孵化してきます。
産卵させた♀の数やマットの状態で、産まれて来る幼虫の数は増減しますので、多すぎる分はケースを増やすなどしましょう。多すぎて飼育しきれない場合はそのまま飼育すると数は自然に減っていき、ケースに適した頭数が残ります。
1齢から7齢を経て、成虫となります。

若齢幼虫
体長は3〜4mm程で大変小さい。

終齢幼虫
体長は3〜4mm程で大変小さい。
羽化


直径3mmほどで、黄色く細長い。
夏の終わりから秋口にかけて、終齢である7齢が脱皮すると翅が生えた成虫になります。
羽化したては翅が真っ白で、よく目立ちます。
数日すれば、演奏開始です。
 

 
    飼育上のご注意
 
ペットショップで販売されているスズムシは元々、繁殖を重ねて血が濃くなっており、近親交配の為に孵化率が下がる可能性がありますので、交配用に種親を購入するのが最も安全であると言えます。
 

 
    最後に
 
秋の昆虫の代表として、スズムシの飼育をご紹介致しました。
同じ飼育で、コオロギの飼育も可能です。コオロギも種類によって乾燥〜多湿まで性質が異なりますので、この点だけを考慮してやればたくさん繁殖させることができます。特に肉食性の生き物を飼育する時に、餌用としてコオロギを使用される場合、コオロギの繁殖ノウハウを知っていればコストを抑えることもできます。
スズムシのみならず、好みの声で鳴く虫の飼育にチャレンジしてみてはいかがでしょう?
 
 
 
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