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エレファスゾウカブトムシ
Megasoma elephas elephas
産地:メキシコ
 
 
エレファスゾウカブトは、ゾウカブトの仲間では最大になり、重量では世界一のカブトムシ。
ゾウカブトの仲間は幼虫期間が大変長いがこのエレファスゾウカブトは約1年半と短いらしい。
3齢幼虫をペアで購入したので、金色の毛が美しく大型の新成虫を羽化させてみたいと思います。


特大の3齢幼虫



3齢幼虫購入
2002年9月22日
 弥○カブ○・クワガ○ワールドよりメキシコ産F2 エレファスゾウカブトの3齢幼虫をペアで購入した。
既にかなり大きくなっていたが、まだ白いので特大の成虫を羽化できるかも知れない。
 3齢幼虫なので羽化時期を一緒にさせる為、2頭を大プラケースに一緒に飼育することにした。マットは今後大量に食すると予想されるので、安く済ませる為、雑木林で採ってきた腐葉土(コナラ、カシ主体)とカブト専用マットを3:1の割合で混ぜたマットを使用した。

腐葉土主体のマットで飼育
(2002.9.22)

 

糞をするゾウカブトの幼虫
右にいるのは♀幼虫
(2002.9.22)

マット交換
11月3日
 マットが縮んできたので、マット交換をおこなった。
更に大きく成長していた。大プラケースでは狭い感じだ。

特大プラケースへ移動(マット交換2回目)
12月22日
 大プラケースに2頭では狭いと思い、特大プラケースへ移動させた。
既に黄色くなっていた。成熟したようだ。
マットはそれほど劣化していなかったが、新しいものと交換した。

3齢幼虫ペア
(2002.12.22)

 

♂の3齢幼虫
(2002.12.22)

マット交換(3回目)

成熟した3齢幼虫
かなり黄色く成熟した。蛹化は近いと思う。
(2003.6.21)

2003年2月8日
 マットがだいぶ縮んでしまったので、マット交換した。見た感じでは更に成長しているみたいだ。
6月21日
 マットが縮んでいたので、4回目のマット交換をおこなった。
体重を量ってみると♂は128g、♀は79gだった。かなり黄色くなっているので、蛹化が近いようだ。

マット交換(4回目)
9月6日
 マットがだいぶ劣化してしまったので、4度目のマット交換をすることにした。かなり成熟しているのだが、まだ蛹室を造る気配がない。
幼虫の体重は♂128g、♀83gだった。前回とほとんど変わっていない。もう蛹化してほしいものである。

蛹室作成
11月1日
 やっと1頭蛹室を作成した。もう1頭はまだだが、一部しか見えないので♂♀どちらかは分からない。
でも、前回のマット交換時♂の幼虫のほうが濃いオレンジ色になっていたので、蛹室を造ったのは♂だと思う。
♀の羽化ズレが心配だ。

蛹化
11月20日
 遂に蛹化した。
蛹の一部しか見えないので、♂♀どちらか分からない。
もう1頭はまだ蛹室を造る気配はない。
残念ながらペアリングは難しいだろう。
同時飼育だと同時に蛹化すると言われているが、このペアでは当てはまらないようだ。
11月21日
 もう一度蛹室内を懐中電灯で照らして観察してみると♀の蛹だった。
♂も相当成熟しているのだが、♀のほうが成熟が早かったのだろう。

♀の羽化
2004年1月9日
 ♀が羽化した。
ケース側面より♀の頭部が少し確認できる。
もう少し待って掘り出そうと思う。
♂は相変わらず幼虫でブリードは無理なので、ブリードするなら♂を探すしかない。

♂落札
1月11日
 やはりせっかく♀を羽化させたのだから、ブリードさせたいのでオークションにて♂単品を発見、落札することができた。
去年の12月上旬に羽化したメキシコ カマテコ産/F2 エレファスゾウカブト♂110mmの♂で後食を始めたばかりの個体だそうである。ブリード成功させたいものである。到着が楽しみだ。

♂到着 ♂111mm@
到着当初まったく動かず死んでいると思ったが、3時間以上して動き出し驚かされた。
(2004.1.17)

1月17日
 午前9時半に♂が到着した。
早速開けてみるとまったく動かない。足は固まっていて触角すらまったく動かず死んでいると思った。
30分すると固まっていた足が柔らかくなったがピクリとも動かず残念ながら死着だろうと思っていた。
しかし、更に3時間が経過すると触覚が反応するようになり、足の先も動くようになり死骸としか思えなかったのだが、どうやら仮死状態になっていたらしい。
今まで寒さでちぢこまっていて動かないことはあったが、今回のように完全にのびた状態で生きていたという経験は初めてだった。
1月18日
 ゼリーもよく食べるようになって、完全に回復したようだ。
しかし、ほとんど歩くこともなくナマケモノといった感じのカブトだ。

♂111mmA
(2004.1.18)

  ♂111mmB
(2004.1.18)

新成虫♀取り出し ♀72mm
国産カブトムシの♀をそのまま巨大化させたような♀だった。
(2004.1.18)

1月17日
 ♂が到着したので、羽化した♀も掘り出してみることにした。
72mmもある大型の♀だった。
♂同様こちらも非常におとなしく歩こうともしない。
他のカブトとは違いあまり動かないのはゾウカブトの特徴なのだろう。
ゾウカブトは産卵数も多いらしいので、ブリードが楽しみだ。
♀後食開始
2月14日
 やっと♀が後食を始めた。
♂は毎日ゼリーを空にしてゴリゴリケースを削って飼育も大変だが、寿命もあまり長くないと聞いているので、♀の成熟期間は2週間くらいにしてペアリングをさせようと思う。

交尾・産卵用ケースセット
2月28日
 ♀が後食開始後、2週間経ったので交尾させることにした。
歩き回っている♀に♂を乗せたらすぐに交尾成立、小一時間交尾していた。
 ♀は単独で産卵用にセットした特大プラケースに入れた。
マットは以前にヘラクレスの産卵に使用した固めやすい埋め込みマットを主体に市販のカブトマットをブレンドしたものを使用、ケース下部5cm固めに詰めて後は軽くセットした。
産卵の促進になればと、クワガタ飼育に使って不要になった乾燥したコナラ材も入れてみた。
ゾウカブトの産卵は容易らしいので、たくさん産んでほしいものである。
交尾
♀の上に乗せるだけですぐに交尾が成立した。
(2004.2.28)

  産卵用ケース
以前にヘラクレスの産卵に使った固めやすい埋め込みマットに市販のカブトマットをブレンドしたものを使用した。
(2004.2.28)

マット交換(5回目)
2月28日
 1ヶ月ほど♂幼虫の姿を見ていないので、蛹になっていると思い、掘り出したところまだ幼虫だった。
体重は132gあり、前回より4g重くなっていた。
後は蛹化するだけだと思い、特大プラケースから中プラケースに移動させた。
小さめのケースにしたのはヘラクレスなどの角曲がりの危険がほとんどなく、蛹室を造るために暴れたりしないからである。

2度目の交尾
3月28日
 産卵用ケースのマットは♀によってかなり固められており、ケースの半分ほどの高さまで縮んでいた。
たくさん産んでくれているようなので、さらに多くの卵を得たいので新しく産卵用ケースを交換することにした。
交尾させて丁度1ヶ月になるので、産卵用ケースの交換を兼ねて、2度目の交尾をさせることにした。
♂を♀に乗せるとすぐに交尾をした。1時間くらいで交尾が終了して、♀を新しい特大プラケースの産卵用ケースにセットした。
1ケース目はすぐに採卵すると孵化率が下がるので、2週間くらい待ってから採卵しようと思う。

採卵
1ヶ月間産卵させたが、採れたのは8個のみだった。
しかし、とても大粒であった。
(2004.2.28)

4月11日
 そろそろ採卵することにした。
ケースをひっくり返してみるとマットはカチカチに固まっていたのだが、採れたのは8個だけだった。
♀がマットをかき回してマットの隆起がかなり激しく、もっと産んでいると思ったのだが?
もしかしたら、♀の成熟が後食開始後、2週間では足りなかったのかもしれない。
しかし、♀は今もとても元気なので、これからの産卵に期待したい。
採れた卵はプリンカップにセットして孵化を待つことにした。
孵化
4月24日
 8個の卵のうち、3個が孵化した。
2個は腐ってしまったようだ。
4月26日
 残りの卵もすべて孵化していた。

幼虫飼育開始
5月1日
プリンカップを開けてみると1齢幼虫が7頭出てきた。
2個腐ったと思っていたが、小さく細長い黄色い卵のみが腐って残り7個はすべて孵化していたようだ。
大きく育てたいので、1頭ずつ2Lブロー容器に移動させマットは市販のものを使用した。
1齢幼虫@
孵化して日が浅い1齢幼虫だが、大きくヘラクレスよりも多少大きく感じた。
(2004.5.1)

  1齢幼虫A
孵化率は高く、丸い卵はすべて孵化した。
細長く黄色かった卵1個のみ孵化しなかった。恐らく最初から死んでいたと思われる。
(2004.5.1)

♀転倒
5月19日
 エサ交換をしようと産卵用ケースを開けてみると♀が引っくり返って死んでいるようだった。
しかし、取ってみると動き出し一安心。
周りはマットがひっくり返したようになっていて、材や皿木が移動しており、起き上がることができなかったようだ。
1週間に一度くらいしかチェックしていなかったので、数日もがいていたようで、かなり体力を消耗させてしまったと思う。
♂は前足フセツがかなり前から取れてしまっているが、元気でエンジン音のようなやかましい羽音で起こされることもしばしば・・・。

2度目の採卵
5月23日
 ケースを変えてから2ヶ月近く経つので、そろそろ採卵してみることにした。
♀は未だに完品でフセツ一つ欠けていなく、非常に元気で安心した。
卵が11個、1齢幼虫が2頭採れた。
卵は大変細く、米のような形のものしか採れなかった。
2度目の産卵用マットは新しいマットを主体にしたので、少々固めにくく産卵しづらかった可能性もあり、今回lは古く固めやすいマットを少し混ぜて固めやすくしてみた。
なかなか国産カブトのように思うようにたくさん産んでくれない。もう少し頑張ってほしいものである。
採れた1齢幼虫は前回の7頭と同様に2Lブロー容器で単独飼育することにした。

前蛹 前蛹
蛹室はミミズによって破壊されていたので、人工蛹室へ移動させた。
(2004.6.20)

6月20日
 中プラケースで飼育中の3齢幼虫が2週間前からようやく蛹室を造り始めていたのだが、案の定ミミズが発生してしまい蛹室が心配なので掘り出すことにした。
やはり蛹室はミミズによって半分破壊されていて前蛹が出てきた。
ヘラクレスを羽化させた人工蛹室に前蛹をセットして蛹化を待つことにした。
だいぶ皺が寄っているので、蛹化が近いようだ。

蛹化不全
7月
 結局、人工蛹室にセットした♂の前蛹は蛹化時に頭部が脱皮できずに蛹化不全に終わってしまった。
その後、そのまま死亡してしまった。恐らくミミズによるマットの土化で十分な栄養をとることができなかったからであろう。

3齢幼虫 3齢幼虫
5月1日に2Lブロー容器にセットして3ヶ月後には83gにまで達していた。
(2004.8.14)

8月14日
 5月に2Lブロー容器にセットして以来、そのままだった幼虫のマット交換をすることにした。
幼虫は結局孵化率もよくなく、全部で9頭の飼育となったが、かなりマットが食べ尽くされて糞が多く見られた。
幼虫はすべて3齢幼虫になっており、♂4頭(83g、65g、58g、52g)、♀3頭(59g、53g、33g)、残り2頭はマットに糞が目立たなかったので、そのままにしておいた。♂は既に最大で83gにも達しており、このまま大型を狙いたい。
1ペアはPHTOコンテストの賞品になる為、2Lブロー容器で管理して、残り5頭は大プラケースで2頭ずつ飼育することにした。
大型の♂83g、65gは2頭で大プラケースで飼育、小さめの♂52gと♀53g、33gは3頭で大プラケースで飼育することにした。賞品用には♂58gと♀59gのペアにすることにした。

飼育結果
2006年10月9日
 その後の飼育は管理人が虫navi作成のための昆虫撮影に専念してしまい、記録を取っていなくてご報告していなかった。
現在は去年の9月4日に交換依頼された方とこちらのグラントシロカブトの3齢幼虫と本種の3齢幼虫を交換し飼育していたところ、いつの間にか羽化しており、気づかずにそのまま死なせてしまったのだが、とても新鮮で綺麗な大型個体で体長は115mmもあったので紹介しておきたい。
可愛そうなことをしてしまったが死骸とはいえ、まだ微毛が禿げていない美しい大型個体が見ることができただけでも満足だった。
エレファスゾウカブト♂115mm@
まだ微毛が禿げていない綺麗な個体。
(2006.10.9)

  エレファスゾウカブト♂115mmA
(2006.10.9)

エレファスゾウカブト♂115mmB
(2006.10.9)

  エレファスゾウカブト♂115mmC
(2006.10.9)

 

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