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ゼブラノコギリクワガタ
Prosopocoilus zebra zebra
産地:パラワン島
 
 
ゼブラ模様が大変綺麗で前から欲しかったゼブラノコギリクワガタ。
パラワン産F1新成虫ペアで累代に挑戦したいと思います。


ゼブラノコギリクワガタ♂43mm(パラワン島産・F1)



新成虫到着
2003年3月16日
 弥○カブト・クワガ○ワールドよりパラワン島産F1ゼブラノコギリクワガタ新成虫♂43mm・♀24.5mmが到着した。ジャワ産のものもあったが黒みが強いようなので少し高めのパラワン産を選んでみた。
 想像通りの綺麗な個体。ぜひとも増やしてみたいものである。
♂は1月羽化、♀は2月羽化とのこと。ゼブラノコは羽化後、長い期間休眠するようなので、とりあえず中プラケースにコナラ材2本をマットに9割程埋めてセットして様子をみることにした。
ネットで調べてみると♀殺しが多いようである。単独飼育にしたほうがいいかもしれない。

休眠
3月23日
 休眠してマットから出てこないが、♀殺しが怖いので♂を隔離することにした。
マット中を探したこところ♂♀が一緒にくっ付いて眠っている!!
案外仲がいいのかもしれない。ともあれ♀殺しは避けたいので♂はミニプラケースで単独飼育することにした。
ニコラスさんのジャワ産ゼブラノコは♀が生み始めるまで8ヶ月かかったそうである。後食後も2ヶ月は成熟をまたなければならないらしい。

後食開始
4月5日
 ♂♀とも後食を開始していた。1ヶ月後食させてからペアリングさせてみることにした。


♂43mm@(パラワン島産・F1)
中歯くらいの個体。長歯型を羽化させてみたい。
ゼブラ模様が非常に綺麗だ。
(2003.4.29)

 

♂43mmA(パラワン島産・F1)
♀は元気がよすぎて全く止まってくれず、飛ぼうとするので撮影できなかった。
(2003.4.29)

ペアリング
5月4日
 後食を開始して1ヶ月になるので、♂を産卵用ケースに入れてみた。♀はマットに潜っているので、タイミングとしては丁度よいだろうと思う。
5月6日
 ♀殺しが多いノコなので、♂を取り出すことにした。と、思ったら皿木の下に前翅に穴の空いた♀が!!
普通に歩いていたが遅い。ペアリングの時間的には丸2日間である。これで、事故が起こってしまうとは!
非常に残念でならない。

再挑戦
♀26mm(パラワン島産・F1)
前回の♀より少し大きい。産卵に期待!
(2003.5.10)

5月10日
 HPを持っていなければそのまま諦めていたのだろうが、せっかく飼育記をUPいるので、再度挑戦することにした。またしても弥○カブ○・クワガ○ワールドよりF1♂42mm・♀26mmペアを購入、再挑戦することにした。
どちらも今年の2月羽化とのこと。前回の失敗だけはなんとしても避けたい。成熟が足りなかったのだろうか?今回は更にもう1ヶ月待つことにした。
今度の♂は更に気が荒そうなので、ペアリングには1月羽化の♂43mmを再び使おうと思う。一応中プラケースで産卵用ケースをセットし、♂43mmを入れて慣れさせておくことにした。今度はペアリングを1日にしてみようと思う。

ペアリング開始
6月21日
 ♀は2月羽化なので、もうそろそろいいだろうと思い♀を♂のいる中プラケースへ入れた。♀殺しが怖い。
とりあえず明日♂を取り出すことにした。夜入れたので、12時間くらい一緒にさせることになる。

産卵

産卵用ケース
今回はペアリング成功した。ペアリングは半日で充分のようだ。
(2003.6.22)

6月22日
 ♀を♂のケースに入れて12時間くらいたったので、♂を取り出すことにした。♀が殺されていないか少々不安だったが、ケースを開けてみるとなんと♀が材を削っている最中だった。早くも産卵を開始したらしい。まったく無傷だったので、ペアリングは成功したようだ。とりあえず♂を取り出し、埋め込みマットを新しいものにして、同じ材(コナラ材2本)を8分目くらいまで埋めてセットした。

♂死亡
8月3日
 ♂が2匹とも死んでいた。30℃の暑さが原因なのだろう。他のクワガタもよく死んでいる。
♀は比較的暑くなりにくいラックの中段で管理しているので、大丈夫だった。

材割り


♀の捕食@
産卵中?と思いきや口に何かをくわえている・・・。
(2003.8.10)

8月10日
 そろそろ材割りすることにした。
皿木をどけてみるといきなり1齢幼虫を発見、しかしまったく動かない。死んでいるようだ。
材を取り出してみた。
材の下に♀が材に頭を突っ込んでいた。産卵中だと思ったのだが、何かをくわえている。
♀を取り出してみるとなんと幼虫を捕食していた!
オオクワでは産後などの栄養補給に動物性タンパク質を摂取するのは有名だが、ゼブラノコも同様らしい。結構食べられてしまったのではないだろうか?
とりあえずこの材を割ってみることにした。
結果は1・2齢幼虫7頭、卵3個だった。他卵が赤く腐っているものもいくつか見られた。
 ちょうど手ごろな飼育用のビンが少なかったので、サバゲノコの新成虫を取り出したりして、なんとかコーヒービンやジャムビンを7個用意して、クヌギの小麦粉発酵マットを詰めて1頭ずつセットした。
卵はプリンカップで孵化させることにした。
もう1本の材も産卵痕が少し見られたが、ビンもないのでそのままにして、コナラ材をもう1本追加した。

♀の捕食A
なんと自分の幼虫を食べていた!
オオクワでは有名な話だがゼブラノコも同様に産後の栄養補給の為動物性タンパク質を摂取するようだ。
卵も結構食べてしまったのではないだろうか?
(2003.8.10)

 


相当小さい。赤く腐った卵もいくつか見られた。
(2003.8.10)

1齢幼虫
7頭中6頭が1齢幼虫だった。
(2003.8.10)

 

2齢幼虫
2齢幼虫も1頭採れた。
まだ2齢幼虫になって日が浅いようだ。
(2003.8.10)

3齢幼虫
10月25日
 2頭とても大きく成長してマットがかなり食べられていたので、そのビンだけマット交換することにした。
体重を量ってみると2頭とも9gだった。
体の透明度から見てまだ大きくなりそうなので、1Lガラスビンで飼育することにした。
他の幼虫も見てみると1頭蛹室を造っていたものが見られた。大きさから♀幼虫のようだった。

3齢幼虫
順調に大きくなっていた。体重は9gだった。
(2003.10.25)

 

3齢幼虫の頭部
これといった特徴はなかった。
(2003.10.25)

種親♀死亡
11月1日
 遂に♀26mmが死亡した。
2月羽化で、後食を開始してからも半年以上生きたことになりノコギリにしてはかなり長生きで以外だった。
多分幼虫を食べていたことも長生きの秘訣だったのだと思う。

♀蛹化
11月2日
 遂に♀が蛹化した。
もう1匹も蛹化寸前のものがいる。
11月6日
 もう1頭の♀も蛹化した。
11月21日
 3頭目も蛹化した。

♀羽化
11月20日
 朝見ると遂に♀が羽化していた。
昨日は蛹の段階で既に前胸背板にはっきりとしたゼブラ模様が見えていた。
羽化したての前翅は透明感を感じるような綺麗な色をしており、とても感激した。
3頭目の♀も蛹室を造って蛹化寸前である。
11月22日
 2頭目も羽化した。
12月7日
 3頭目も羽化した。
羽化した3匹とも羽化不全なく完品で羽化してくれた。
トカラノコやモーニッケノコはマットによっては羽化不全が多く出るが、ゼブラノコでは羽化不全は非常に少ないようである。

♂蛹室作成
12月5日
 コーヒービンの♂幼虫が、蛹室を作成して既に前蛹になっていた。
1Lガラスビンで飼育している大きめの♂幼虫も蛹室を作成した。
真っ白な幼虫だったので、まだまだ大きくなると思っていたのだが、成熟していたようだ。
ゼブラノコは成熟しても黄色っぽくはならないようである。

♂蛹化
12月10日
 コーヒービンの♂幼虫が、蛹化した。
一部しか見えないのが残念。
12月12日
 1Lガラスビンの♂も蛹化した。
結構期待していたのだが、大アゴを見ると種親くらいの大きさのようだ。

♂羽化
12月28日
 コーヒービンの♂幼虫が、羽化した。
外からは後翅しか見えないので、羽化不全か?と心配したが、後に綺麗に畳んで結合した前翅を見ることができた。
12月30日
 2頭目も羽化した。
今度は1Lガラスビンで飼育した個体である。
ゼブラノコにしては大きめといった程度のサイズのようだ。

新成虫♀取り出し
12月28日
 羽化した♀をそろそろ取り出してみることにした。
3匹を取り出してみると体長は27.5、27.5mm、27mmだった。
棚の置くにうっかり忘れていたビンが1つあり、見ると既に♀が羽化していた。
取り出してみるとこの♀も27.5mmであった。

新成虫の♀
♀は4匹羽化したが、すべて完品だった。
ギラファノコやサバゲノコでもそうだが、ゼブラノコも羽化不全が非常に少ない種類みたいだ。
(2003.12.28)

  新成虫の♀27.5mm
どの個体も大変綺麗な模様をしていた。
(2003.12.28)

新成虫♂取り出し 新成虫の♂46mm
すべて完品。羽化不全は起きにくい種類のようだ。
(2004.1.18)
2004年1月18日
 羽化した♂2匹を取り出してみることにした。
1匹目の♂は43.5mm、2匹目は46mmとまずまずの大きさだった。
♂43.5mmのほうはコーヒービンでマット交換なしで羽化させたものである。
残りの♂1匹はビンの外からは確認できない状態が続いているので、ビンの中央部で蛹室を造ったと思われ恐らく蛹か既に羽化しているかもしれない。
もう少し待ってから取り出してみたい。
1月24日
最後の♂幼虫のビンを暴いてみることにした。
やはり既に♂が羽化していた。43mmであった。
 ♂43.5mmはペアで販売した。1,000円ポッキリだったため、すぐに売れてしまった。
1月28日
♂43mmは自宅でインターネットをしていなくて会社で見ていつも売り切れだという方のために考慮して休日に販売してみた。
1,000円ポッキリだったため、案の定会社からご注文をいただき、すぐに売れてしまった。

新成虫後食開始
2月上旬
 羽化した成虫が後食を開始するようになった。

2月10日
 1月24日にお買い上げいただいたお客様から後食を開始したのでうれしくてついペアを一緒にしてしまい、出会った瞬間に喧嘩をして相打ちになってしまったとメールをいただいた。
やはりゼブラは大変気が荒く、ペアリングには相当の危険が伴うことを改めて再確認した。

不明幼虫の羽化
3月14日
 クワガタ繁殖で材割りしたクズを残しておいたところ、不明幼虫が数匹出てきたので飼育していたらそのうち2匹がゼブラノコの♂として羽化した。コーヒービンで飼育していたが、44mmと41mmの個体であった。
♀が3匹もいてブリードが大変そうなので、今度は♂2匹♀1匹でまたまた1,000円ポッキリで販売する予定だ。
3月17日
 ♂2匹♀1匹を販売、1,000円ポッキリにてお買い上げいただいた。
少々話が飼育から脱線してしまった。これからは飼育に集中したいと思う。

ブリード開始
4月4日
 結局、販売して残ったのは♂46mm・♀27mmの1ペアになった。
そろそろ後食を開始して2ヶ月になるので、まず中プラケースを産卵用にセットした。
材は太めのコナラ材を使用した。
ペアリングはすぐに雌雄一緒にすると突然の環境の変化で、事故が起きるといけないので、まず♂を産卵用にセットした中プラケースに入れて慣れさせることにした。
1週間後に♀を入れてペアリングさせようと思う。

ペアリング
4月11日
 ♀27mmを産卵用ケースに入れてペアリングさせることにした。
明日には取り出す予定。
4月16日
 忙しくうっかり♂を取り出すのを忘れてしまった。
マットに少し潜った状態で♂を発見したので、すぐに取り出した。
♀の姿が見当たらない。
傷つけられていなければよいのだが・・・。
マットに潜った状態で死んでいたというオチになりそうで怖い。
5月2日
 ぜんぜん♀の姿が見えないので、もうマット内で死んでいるのかと半分諦めていたのだが、材をどけてみると材の下に♀が無傷で元気にしていた。
まだ、材を削っていないので、ペアリングしたのかは分からないがとりあえずホッとした。

産卵
5月11日
 ケース側面から材の削りカスが見えた。
材を持ち上げるとかなり削った跡があり、産卵に専念している様子だった。
この様子だと交尾さえしていれば確実に幼虫が得られると思う。
販売に出してしまい、1ペアしか残さなかったので、かなりヒヤヒヤした。
今回はもっと幼虫を得たいものである。

その後の飼育 3齢幼虫
♀殺しに合い、ほとんど諦めていたが、13頭を採ることができた。
(2004.8.28)

6月
産卵を開始して1ヶ月になるので、材を少し削ってみたが、腐った卵が複数見られたので、交尾していなくて無精卵を産んでいるのではと思い、♂を産卵用ケースに入れて再度ペアリングを行うことにした。
1週間入れっぱなしにしてしまい、気付いたら♀がバラバラにされていた。
8月27日
 ほとんど諦めてほったらかしにしていたのだが、ケース側面から幼虫が見えたので、ケース底面を見てみると3頭も幼虫を確認できた。
8月28日
 材割りを行ったところ、材から9頭、マットから5頭の2,3齢幼虫を採ることができた。マットにいた脱皮直後の3齢幼虫は非常に柔らかいため、残念ながら採る時に頭部を潰してしまった。
マットの幼虫は材が過密になり、出てきたものと思われる。
得られた13頭はコーヒービンに1頭ずつセットして、累代飼育を続行することになった。

まとめ
 結論としては、ゼブラノコの飼育は難しくない。ただただ♀殺しが非常に多いので、いかにペアリング時に注意するかが累代飼育のポイントになる。マットには産卵せず材産みのようだが、普通のコナラ材で十分産卵してくれる。幼虫は小さいコーヒービンやジャムビンでマット交換なしでも羽化させることができるほど容易で、羽化不全もまったく起こらなかった。
大型を目指すなら菌糸ビン飼育となるが、大きさよりも綺麗な模様を楽しみたいので、あくまで手軽をモットーに手元にあるマットで気軽に累代飼育を続けていきたいと思う。

 とりあえず飼育記は終了しますが、また何か新しい発見があれば、このページで紹介したいと思っています。


その後の飼育
12月30日
 幼虫をビンに入れてから、まったく見ていなかったのだが、今日確認してみたところ、ほぼすべて蛹になっていた。


 


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