テイオウヒラタクワガタ
Dorcus titanus typhon
産地:カタンドゥアネス島

オオヒラタの中では特に内歯上がりの立派な大アゴを持ち、
太い胴体も兼ね備えた人気種テイオウヒラタ。
以前メールで知り合った虫友のヒロさんが、
引越しで飼育できないのでなんとマンディブラリスフタマタクワガタと
ともにご好意で譲っていただけた。
こんな幸運はめったにないでしょう。
ヒロさんから引き継いで飼育をしていきたい。


テイオウヒラタの♂87mm



テイオウの到着
2003年11月25日
虫友ヒロさんからテイオウヒラタの幼虫群と種親の♂87mmが到着した。
なんと幼虫は♂・♀7頭は2Lの菌糸ビンに♀2頭は1L菌糸ビンに大変良い状態で、お送りいただけた。
ビン交換したばかりの3齢幼虫だそうだ。
この幼虫の種親はカタンドゥアネス島産/F1 ♂87mm・♀42.5mmだそうだ。
その種親の♂87mmも一緒に入れてくれた。
♂は思ったとおり喧嘩っぱやく獰猛だった。
スタイルも良く、他のオオヒラタとは一味違う。
とりあえずこのまま飼育して様子をみたい。

到着した幼虫群
2L菌糸ビンの中には大きな♂幼虫が見えた。
(2003.11.29)


 
3齢幼虫
幼虫は白く、まだまだ大きくなりそうだ。
(2003.11.29)


♀蛹化
12月19日
♀が1頭早々蛹化した。
12月23日
2頭目も蛹化した。
12月27日
 ♀が1頭早々蛹化した。
どうやら残りはすべて♂のようである。

マット交換
3齢幼虫(58g)
かなり大きかった58gの幼虫は中プラケースに移動、大型個体の羽化を目指す。
(2004.1.2)
2004年1月2日
 2L菌糸ビンの菌床も食い尽くされ限界にきてしまっていたので、マット交換することにした。
6頭のうち5頭を取り出してみると58,56,51,49,45gと、最大で58gという巨大な幼虫になっていた。
一番大きかった58gの幼虫は中プラケースに移動、他は2Lブロー容器に移した。
マットは市販の評判がよくかなり安いマットを使用、かなり黒いマットだが評判がよいので大丈夫だろう。
マット交換しなかった1頭も相当大きそうなので、近々マット交換したい。
1月3日
 残りの1頭が菌床から出てきてしまったので、2Lブロー容器へ移動させた。
体重は56gとかなり大型の幼虫だった。
ラベルでは♀ということだったが、♂幼虫だった。
結局♂6頭・♀3頭で♂が多い結果となってしまったが、これはヒロさんが引越し時、前蛹や蛹は処分してしまった結果なので本来は半々程度のはずである。

♀羽化
2004年1月9日
 ♀が羽化した。
1月13日
 2匹目の♀も羽化した。
1月18日
 3匹目の♀も羽化した。

新成虫♀取り出し
2月22日
 羽化した♀を取り出してみた。
43mm・45mm・46mmだった。
うち2Lガラスビンの♀は46mmと一番大きかったとはいえ、差が1mmとさほど違いはなかった。
取り出した♀3匹は1匹ずつミニプラケースに入れて、ゼリーをセットしたところすぐに食べ始めた。
もう少し取り出すのが遅れていたら、餓死させてしまうところだったようで、危なかった。

新成虫の♀46mm@
2Lの菌糸ビンで育てた♀。
(2004.2.22)


  新成虫の♀46mmA
(2004.2.22)


♂蛹化
(2004.3.28)

3月21日
 2Lブロー容器で飼育していた♂幼虫1頭が蛹化した。
他は1頭蛹室を作成している幼虫が1頭いるのみで後はすべて幼虫である。
3月28日
 ♂の蛹を取り出してみることにした。
マット交換時51gの幼虫だった個体で、やはりかなり大きく感じた。
大アゴの内歯もかなり上のほうに付いており、テイオウヒラタの特徴がよく表れていた。
取り出した蛹はそのまま元の蛹室で羽化してもらうことにした。
4月6日
 2頭目も蛹化した。
5月6日
 他の♂4頭もすべて蛹化していた。
♂羽化
4月20日
 ♂が羽化した。
5月6日
 ♂を取り出してみた。
体長を測ってみると思っていたよりも大きく86mmもあった。
この♂は51gの幼虫だったので、最大58gの羽化に期待したい。
ちなみに今日は平日だが、今日と明日は年休推奨日で、お休みなのだ。

新成虫の♂86mm@
1匹目にして大型の♂を羽化させることができた。
(2004.5.6)

 
新成虫の♂86mmA
(2004.5.6)

5月11日
 2匹目の♂も羽化した。
5月18日
 3匹目の♂も羽化した。
5月22日
 中プラケースで飼育していた4匹目の♂も羽化していた。まだ前翅は赤く腹も出ているので、20日くらいに羽化したようだ。
2匹目に羽化した♂を取り出してみることにした。
幼虫時、56gもあった個体なのでかなり巨大ですごい迫力があった。
体長は94mmもあり、へこみ等もまったくないパーフェクトな♂であった。

新成虫の♂94mm
(2004.5.22)

新成虫の飼育
 残りの幼虫達もすべて羽化して詳細な記録はしていないが、大半が90mmオーバー、1匹95mmも出た。
羽化した新成虫は羽化後、1ヶ月少々で活動を開始したのだが、♂♀ともにゼリーをやってもとにかくケースから出ようとガリガリと中蓋を齧り穴を開けてしまう。うるさくて寝られないので、温度管理していない部屋で飼育することになった。
他のヒラタではまったくそのようなことは起こっていないのだが、本種に限っては♀はすべて同様の行動を取った。

ペアリング・産卵
産卵用ケース
ペアリング開始して3日で♀が材を削り始めた。
(2004.7.31)

7月25日
 ペアリングもさせずにズルズルと飼育してきてしまったので、とりあえず1ペアブリードすることにして、大プラケースを産卵用にセットして、まず♂86mmのみ入れて落ち着かせることにした。
♂86mmを使ったのは、一番小さめの♂を使用することで少しでも♀殺しを防ぎたかったからであるが、気の荒い性格に違いないので、あまり意味がないことかもしれない。
産卵用ケースはマット産みの傾向が強いかもしれないので、黒土も混ぜてケース下部は固めに詰めて、材はやや太めのコナラ材を使用した。
7月28日
 ♀も産卵用ケースに入れた。
7月31日
 ♀殺しが不安であったが、ケースを開けてみると材がかなり削られており、その中に♀も確認できた。産卵行動に間違いない。
♂を取り出して、そのまま産卵に専念してもらうことにした。



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