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オオクワガタ
Dorcus hopei binodulosus
産地:山梨県

 
 
1999年の7の月、クワガタに目覚めてしまい、待望の熊本産オオクワを購入、
初の繁殖は成功したのだが、70mm程の大きい割りに大アゴは短く思い描いていた
イメージとはかなり違っていた。どうやら産地によってかなり個体差があるようだ。
もっともポピュラーな山梨県産を購入、大型個体を目指して飼育していきたい。


新成虫の♂69mm



新成虫購入 購入した♂66.5mm
今回は予想どおりの綺麗な個体。
以前購入した熊本産は体は太っていて大アゴは短く同種とはいえこの個体とは相当違っていた。
地域変異もあると思うが、栄養価の高すぎる菌糸ビンでブクブク太ることで不恰好な個体が出ることもあるようだ。
(2000.3.26)

2000年3月26日
 DRE○Mにて山梨県産/F2オオクワガタ ♂66.5mm・♀43mmを購入した。
羽化日は♂は2000年1月20日、♀は1月17日で、種親の大きさ等の情報も記載されていた。
新成虫なので♂♀別々に管理してエサを十分に与え、成熟を待つことにした。
♂は大プラケース、♀はミニコンテナで飼育した。

産卵用ケースセット


産卵用ケース
♂は♀をよく認識して仲が非常によかった。
(2000.5.12)

5月12日
大プラケースに幼虫飼育済みマットを3分目まで入れ、クヌギ材2本、コナラ材(大きめ)を1本埋め、♂・♀を入れた。

♂・♀共、中央の材の下を棲みかにして、エサもよく食べている。
産卵
産卵用ケース
産卵して材がかなり削られているのが分かる。
(2000.7.30)

6月28日
コナラ材の下部を少し削った跡が見られた。
6月30日
左と中央の材の下部に産卵跡を発見。
7月4日
産卵に専念させる為、♂を取り出し、別に管理した。
7月16日
日中も活発に中央の材をかじっていた。

材割り
8月6日
 コナラ材を割り、初齢幼虫3頭と卵8個を採取、マットからも初齢幼虫1頭採れた。
他に黒くなって死んでいた卵と幼虫も1つずつ見られた。採取した初齢幼虫は菌糸ビンへ、卵は人工孵化させることにした。
8月12日
 産卵用に大きめのコナラ材を入れた。
8月13日
 スカスカになっていたクヌギ材から卵が2個採れた。
8月16日
 クヌギ材から卵が4個採れた。

材割り時の1齢幼虫 ※参考写真
材から3頭の1齢幼虫が得られた。

  卵と1齢幼虫@ ※参考写真

材割り時の1齢幼虫A ※参考写真
コクワガタと比べるとずっと大きい。

  オオクワガタの卵 ※参考写真
とても黄色い色をしている。

人工孵化
8月6日
 プリンカップに発酵マットを詰め、側面に箸で穴をあけ卵8個を落とし埋めなおした。
8月11日
 昨日から3頭孵化した。
8月13日
 4頭目が孵化していた。孵化した4頭を菌糸ビン(クヌギオガコ・ヒラタケ菌使用)へセット。
採卵した卵2個も同様にプリンカップにセットした。
8月16日
 昨日、孵化していた1頭を菌糸ビンにセット。
採卵した卵4個もプリンカップにセット、現在9個の卵を管理している。
8月17日
 孵化していた2頭を菌糸ビンにセットした。
8月24日
 孵化していた1頭を菌糸ビンにセットした。
8月28日
 孵化していた幼虫2頭を菌糸ビンが無かったので市販のコナラ主体小麦粉発酵マットをガラスビン2Lに詰めて飼育することにした。

★人工孵化の結果:採卵数14個、孵化数10頭。孵化率71%

幼虫飼育
8月6日
 割り出した幼虫又は人工孵化した幼虫は菌糸ビンへ、1部マット飼育もおこなった。個体数21頭。
菌糸ビンはキノコ菌はヒラタケ、オガ粉はクヌギのものを使用した。
幼虫に番号No.01〜21を付け、管理表を作成して管理した。

ビン交換 3齢幼虫 ※参考写真
飼育開始後、半年間食痕が見られなかったが、そこそこ成長していた。

12月24日
  ヒラタケ菌が高温に弱いのか全く食痕が見られない。菌床も痩せて黄色い水が溜まっている。
仕方がないので、 6本ビン交換をおこなった。
2001年2月18日
 2月になって急に食痕が見られるようになり、マット状になってしまったビンが多く見られたので、菌糸ビンを購入、交換した。

交換後、また食痕が見られなくなったが、菌糸自体劣化は見られない。

蛹化
5月1日
 1頭蛹室を作成している幼虫が見られた。マット飼育の幼虫は既に蛹室内で前蛹になっていた。
5月4日
 既に♂幼虫が蛹になっていた。
5月6日
 ♂の蛹はガラスビンの底に蛹室を造られており、菌床の劣化も見られたので人工蛹室に移す事にした。
ミニコンテナに黒土で作成した。
5月21日
 食痕が無く、菌床も劣化してだめだと思っていたビンを開けたら蛹化直後の♀の蛹が出てきた。

♂の蛹
黒土で造った人工蛹室で管理。
初めての人工蛹室でかなり心配。
(2001.5.6)


  羽化直前の蛹
赤っぽくなってきて今にも動き出しそうである。
(2001.6.2)


羽化


AM11:26
羽化@
蛹が動き出し、起き上がろうとしている。
(2001.6.3)

6月3日
 人工蛹室にセットした♂の蛹が羽化を始めた。
人工蛹室での羽化だったため、羽化シーンを目の前で観察できた。

PM1:35
羽化A
起き上がり脱いだ皮を体の下へ隠した。
これから後翅を伸ばすのだろう。
(2001.6.3)

 


PM6:31
羽化B
頭部も持ち上がり、前翅も白からオレンジに変化した。
後翅を伸ばして、濡れた翅を乾かしている。
(2001.6.3)


AM6:08
羽化C
翌日、前翅は真っ赤になっていて、後翅も綺麗に折りたたんで見えなくなっていた。
まだ、尻がかなり出ている。
(2001.6.4)

 


PM7:12
羽化D
色もだいぶ黒くなってきた。
尻も縮んできた。
無事完品を羽化させることができた。
(2001.6.5)

飼育結果
 結局、幼虫21頭を飼育した結果、4頭がマット劣化や菌床がドロ状になったことにより、幼虫や蛹で死亡した。
17頭は1頭のみ羽化不全をしてしまったが、残りはすべて完品で羽化させることができた。
1ペアのデータは紛失してしまったが、14匹の体長は以下のとおり。
♂は71,71,71,70,69,67,62,61mmで、大型の71mmが3匹も出た。
♀は47,45,45,44,44,43mmだった。
2ペアは会社の友人に譲り、残りの個体で累代を続けることにした。
 飼育開始からぜんぜん食痕をみることができず、全滅か!?と心配したがなんとかそこそこのサイズを出すことができた。
今回使用した菌糸ビンは高温に非常に弱いらしいことが、メーカーのカタログにも書かれており30℃ギリギリの飼育をしていたことが菌床にかなりのダメージを与えていたようだ。

オオクワガタの♂69mm
残念ながら写真は撮っていなかったが、70mmオーバーはかなりの迫力だった。
熊本産ではブリードした個体も同様の大アゴが短い個体だったが、山梨産ではスマートで大アゴも短くない綺麗な個体を羽化させることができた。

 


新成虫の♀45mm
♀は光沢が非常に強く大変綺麗。
(2001.8.10)

その後の飼育
 その後、マット飼育に変更して特に大型を目指すというわけでもないが累代を続け現在でも飼育している。
最近では菌糸ビンも相当安くなっているので、また大型を目指して飼育してみようと思っている。


 

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