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ヘラクレス・オキシデンタリス飼育記
Dynastes hercules occidentalis
産地:エクアドル
 
 
ヘラクレスオオカブトの中では最も安価な亜種、オキシデンタリス。
胸角はとても細く、別名:細ヘラクレスとも呼ばれている。
ヘラヘラに比べると人気はそれほどでもないが、独特の細長い胸角の独特のラインも非常に魅力的である。
3齢幼虫♂1頭・♀2頭から飼育に挑戦することにしました。
 


 
ここ
2齢幼虫到着
2002年11月12日
 弥○カブ○・クワガ○ワールドよりエクアドル産F1 オキシデンタリスの3齢幼虫を3頭購入した。
とりあえず羽化ズレよりも大型作出を優先し、♂は大プラケースで単独飼育、♀2頭は大プラケースで一緒に飼育することにした。マットは腐葉土主体でカブト専用マット、クヌギマットを混ぜたものを使用した。カブトムシの幼虫はたくさん食べるので、安価にする為である。
 ちなみに腐葉土は近くのコナラやカシ主体の雑木林で採取したもの。その為、ときどきヒルやムカデが出てくる!
ヘラクレスでも今では全てこのマットを使っているが特に問題なくどんどん大きくなっている。
 
マット交換(1回目) 3齢幼虫
購入時よりかなり太って大きくなっている。98gあった。
(2003.1.25)
 
2003年1月25日
 マットが劣化してきたので、マット交換をおこなった。
奈良オオから今日届いたソーラー式幼虫体重計を初めて使ってみた。
♂はかなり大きくなっていて98gもあった。
♀は61g・70gあった。
♀は黄色くなってきているので羽化ズレが心配である。
一応、♀は低くて比較的寒い所に、♂は高くて暖かい場所で飼育はしている。
 ♂は大型が期待できるのでカブト専用マットの割合を増やした。
♀蛹室作成
3月16日
 ♀幼虫1頭が蛹室を造って前蛹になっていた。♂幼虫も姿を見ていない。蛹室を造っている可能性がある。

 
3月22日
 ♂幼虫はまったく姿が見えない。前蛹になっているかもしれない。しかし、マットは線虫が発生してしまい、劣化してしまった。場合によっては蛹を取り出す必要があるだろう。
 ♀1頭はまだ幼虫のままだった。もう1頭はまもなく蛹化しそうである。
 
コバエ大発生!!
3月25日
 朝起きたら部屋中コバエが飛び交っていた。悪夢のような出来事!
仕方ないので殺虫剤を少し散布し、出勤。夜、帰宅してみるとコバエは死に絶え、死骸が床に散らばっていた。カブクワにはまったく影響なしである。発生源を調べてみるとオキシの♂幼虫の大プラケースにコバエが充満している。しかし、保湿板と防虫シートを挟んでいるのに何故だ〜?!!
蓋を開けると蓋と保湿板の隙間で挟まって死んでいるコバエがたくさんいた。余りに発生した数が多かった(1000匹は超えていた!)ので少しずつ隙間に侵入することで脱出していたのだろうか?
 普段はこのようなことは無いのだが、今回は♂が蛹化しているのではと思っていたので、マットにコバエの幼虫が発生していたのは知っていたがマット交換を控えたことがいけなかったようだ。しかも翌日、♂幼虫をケース底面より確認、羽化ズレは避けられそうにない。
 
マット交換(2回目)
3月29日
 コバエが発生した♂幼虫のマットを早速交換することにした。取り出してみるとデカい!!
体重を量るとなんと116gも!オキシは大型になりにくいと聞いていたので非常にうれしい。
♀1頭は前蛹だが、もう1頭はまだ蛹室を造っていないので揃って蛹化してほしいものである。
 マット交換して、大プラケースで単独飼育を続行した。
 
3齢幼虫@
かなり成熟してきた。116gもあった。
(2003.3.29)
 
3齢幼虫A
(2003.3.29)
 
♀蛹化
4月2日
 ♀が1頭既に蛹化していた。
 
新成虫♀取り出し
6月22日
 もう羽化しているだろうと思い、♀を取り出してみることにした。掘ってみると元気な♀が2匹蛹室から出てきた。体長はだいたい66mmと64mmくらいの♀だった。とても元気で動きが素早かった。蛹化時期から考えて羽化したのは、だいたい6月上旬だと思う。取り出すとすぐに前翅の淵が色付いたが、ヘラヘラやリッキーに比べ、色付く範囲が広く感じた。64mmのほうはまったく黒点が全く無くとても綺麗な黄土色だった。
♂がまだ幼虫なのでペアリングはまず無理である。せっかく羽化させたので売るのも惜しいし、とりあえず♂を探してみようと思う。
以下、♀66mmを♀a,♀64mmを♀bとする。
 

新成虫♀66mm
2匹とも文句なしの完品で、羽化してくれていた。
(2003.6.22)

 

新成虫♀64mm
まったく黒点がなく、非常に綺麗な♀だった。
(2003.6.22)
 
WF1♂105mmゲット!!
新成虫♂105mm
中型だが、完品で申し分ない個体。
(2003.7.12)
 
7月12日
 オキシの♂を探しオークションで完品・同産地の♂105mmを安価で発見!羽化日も5月下旬と♀とまったく一致してすぐに落札した。初めてのオークションだったが、無事に落札し到着した。エクアドル産のWF1だそうで、入手元も丁寧に教えていただいた。
 中型の個体だが、胸角の突起が基部から出ていることから、オキシの特徴が現れている。細ヘラクレスと異名を持っている亜種ではあるが、この個体はそれほど細く感じない。まだ前翅は色付いていないが、じきに色付くと思う。
♂発色
7月20日
 黒かった♂もそろそろ色付くだろうと取り出してしばらく待ってみるとなんと黒いはずの前胸背板も黄土色に色付いている!
KUWATA No.12の11ページにも紹介されているが、かなり珍しいらしい。他の雑誌でも少し色付いている標本もあるが、これほど色付いているのは珍しいのではないだろうか?
 前翅も黒点が大変少なく非常に美しい個体なので、累代して遺伝させてみたい。
 

前胸背板が色付いた♂105mm@
雑誌によると胸部が色付くのは標本でも相当レアなものらしい。生体で確認したことは無かった。
(2003.7.20)
 
前胸背板が色付いた♂105mmA
♀2匹を使って累代したい。
(2003.7.20)
 
後食開始
7月13日
 ♀aのほうが後食を開始した。
1ヶ月半くらいしてからペアリングさせてみようと思う。
 
7月30日
 黒点のない♀bも後食を開始した。
 
8月5日
 ♂も後食を開始した。
前翅の黄色もペンキで塗ったような鮮明な色で、ヘラヘラやリッキーにはない魅力がある。
 
交尾 交尾
胸部も色付く♂と交尾させた。
遺伝してほしい。
(2003.8.30)
 
8月24日
 先に羽化した♀aが後食を開始して1ヶ月以上になるので、交尾させてみたが、♂が反応せず失敗に終わった。
 
8月30日
 もう1度交尾に挑戦したら、今度は上手くいきすぐに交尾した。
45分で交尾が終了したので、すぐに♂を♀aから放して♀aを産卵用にセットした特大プラケースに移した。
 産卵用ケースはカブト幼虫やクワガタ幼虫に使った使用済みマットを主体に市販の専用マットも少し混ぜたマットを使用した。
ケース下部5cmは固く詰めた。
産卵
9月6日
 ゼリーを交換しようとしたところ、産卵マットがかなり激しく隆起していた。かなり産卵に専念していると思って間違いないだろう。
 
マット交換(3回目)
9月6日
 ♂幼虫はまだ蛹化してくれない。かなりマットが縮んできしまったので、マット交換をした。
幼虫の体重は少し増えて118gになっていた。早く蛹化してほしいものである。
 
♀bの交尾・産卵用セット
9月28日
 7月30日に後食を開始した黒点の全くない♀bもそろそろ交尾させることにした。
すぐに交尾成功40分くらいで終了した。
♀aと同様の産卵用ケースをセットして♀bを入れた。
 
♀aの採卵

セットから1ヶ月ちょっとで38個採卵できた。
(2003.10.11)
 
10月11日
 ♀aをセットしてから1ヶ月以上経つので採卵することにした。同じセットで産卵させているヘラヘラが非常に調子が悪いので、オキシも卵が採れるか心配だった。
しかし、マットをひっくり返してみると元気な♀aと38個の卵がマットから次々に採ることができた。1個は潰してしまった。
採れた卵は成長が進んでいるものも多く高確率で孵化すると思う。
プリンカップ大3個に12、3個ずつセットした。
 これで産卵セットにまったく問題がないことが分かり安心したが、あまり産んでくれないヘラヘラは種親に問題があるのかもしれない。
♀bは未だに完品で元気にしているので、同じマットに縮んだ分カブト専用マットを追加して再度産卵してもらうことにした。
 もう1匹の♀bもマットの縮み具合からすると♀a以上に産卵しているようで、採卵が楽しみだ。

※カブトはマットを固めて1個ずつ産卵するので、どんどんマットが縮んでいく。
♀b産卵ケース交換
10月13日
 9月28日にセットした♀bは、セット以来産卵の為埋め込みマットをどんどん固めているようで、ケースの半分にまで縮んでしまっていた。
 相当産卵しているようなので、新しく産卵用ケースを用意して♀を移した。
この調子だと1匹目よりもっと期待できる。
1ケース目の採卵は2週間ほど待ってからおこなうことにした。
※産みたての卵を採卵してしまうと孵化率が非常に悪くなってしまうからである。
 
孵化 卵の皮を食べる1齢幼虫
セットした卵は続々と孵化し、卵の皮を食べているところが観察できた。
(2003.10.21)
 
10月20日
 プリンカップの卵が1頭孵化していた。既に移動していたので、数日前に孵化したようだ。
他の卵も腐ることなくほとんどが孵化してくれそうだ。
 次の休日にも♀bの採卵をしたい。
 
10月21日
 今日新たに5頭孵化した。
これからもどんどん孵化してきそうだ。
1頭卵の皮を食べている幼虫も観察できた。
やはり最初に皮を食べることは重要なようだ。
♀bの採卵 ♀bが産んだ卵
採卵したものすべて大きく成長していて高確率で孵化してくれそうだ。
(2003.10.25)
 
10月25日
 9月28日から10月13日までの16日間♀bを産卵させたケースの採卵をおこなうことにした。
27個の卵を得ることができた。
 ♀aでは43日間産卵させて38個なので一日平均にすると0.9個産卵していたことになる。
 ♀bでは16日間産卵させて27個なので一日平均1.7個産卵していることになりやはり予想通り♀aよりも2倍近く産んでいた。
幼虫飼育開始 1齢幼虫@
孵化した幼虫はすべて元気で少し大きくなっているものも見られた。
(2003.11.2)
 
11月2日
 ♀aの卵を人工孵化させたプリンカップ3個のうち2個を出してみた。
1齢幼虫20頭卵1個が出てきた。
26個中5個は死滅したことになる。
卵1個は孵化寸前のようなので、孵化率は81%。
残りのプリンカップ1個は孵化したての頭の白い幼虫もいたので、先に見送ることにした。
 幼虫飼育はとりあえず6頭は大型狙いとして最初から2Lブロー容器で飼育することにした。カブト専用マットと自家製小麦粉マットを少し混ぜたものを使用した。
9頭は500mLブロー容器でカブト専用マットのみで管理、残り5頭は販売することにした。

1齢幼虫A
(2003.11.2)
 
2Lブロー容器 ※参考写真
6頭は最初から2Lブロー容器で飼育、大型を狙うことにした。
(2003.11.2)
 
幼虫採取
11月8日
 ♀aのプリンカップで孵化した残りの幼虫を取り出すことにした。
1齢幼虫9頭と卵1個が採れた。合計すると38個中29頭孵化となり孵化率は76%となった。ただ残り1個も孵化しそうな感じである。
♀bのプリンカップも3個のうち2個を開けてみることにした。
1齢幼虫13頭と卵4個が採れた。卵18個だったので死んでしまった卵は1個のみということになり非常に調子がよい。
♀bから採れた幼虫も6頭を2Lブロー容器で飼育し、大型を狙うことにした。
他2頭は500mLブロー容器にセット、残りの幼虫14頭は予約を受け付けた10頭を販売、ブッダノコなどとの交換に4頭を使った。
 
♀a死亡
11月16日
 ♀aがマット上で死んでいた。
羽化から半年生きたことになり、寿命なのだろう。もちろん産卵しなければ一年近く生きると思う。
次週♀aの最後の採卵をおこないたい。
 
♀a2度目の採卵
11月22日
 この前死んでしまった♀aのケースの採卵をおこなうことにした。
卵8個と1齢幼虫8頭採れた。もう1頭いたが、残念ながら採卵時の圧力で潰してしまった。
合計55個は産卵したことになる。まずまずの結果であった。
♀bはもっと期待できそう。
 
♀bの産卵状況
11月23日
 ♀bはまだ元気で、昨日はマット上を歩き回っていた。
今日はケース側面から1齢幼虫が2頭見えた。
前回同様かなり産卵していると思う。
ちなみに死んでしまった♀aはヘラヘラ♂124mmの標本と一緒に販売、20分も経たないうちに即売した。
標本の状態で♀aを計ったら69mmもあった。♀の場合、頭を引っ込めた時と出ている時とでは相当差が出るので生きている時に正確に測定するのはかなり難しい。飼育記では分かりづらくなるので、今までどおり♀aは66mmのままにする。
 
♀b2度目の採卵
11月30日
 ♀bのケースに複数の幼虫が見えるので、採卵・幼虫取り出しをおこなうことにした。
1齢幼虫15頭、卵15個が採れた。この他に潰れた幼虫も2頭いた。
今までの♀bの産卵数は59個で、非常に調子がよく、♀bは未だに元気である。
前回採卵した卵は8頭孵化して1個はまだ卵のままだった。
前回孵化した幼虫を13頭取り出しているので、卵27個中21個が孵化したことになり孵化率は78%とまずまずだ。
とりあえず飼育しきれないので、販売・プレ企画に回すことにした。
 
♀aの卵、最後の孵化
12月7日
 11月22日に♀a最後の採卵をおこない採れた卵8個を孵化しているようだったので、採取してみた。
6頭の1齢幼虫が得られて残り2個は見当たらなかった。
これで♀aから得られた幼虫は35頭になり、多いとは言えないが、♀bは未だに元気な上、採れた卵も続々孵化しており♀aを大きく上回っている。
 
♂前蛹取り出し ♂の前蛹
118gだった♂幼虫が蛹化寸前だったので、蛹室を暴いて蛹化シーン撮影を狙うことにした。
(2003.12.13)
 
12月3日
 11月下旬に最初に買った♂幼虫がやっと蛹室を作成していたのだが、ここ数日、いつ蛹化するかとたびたびケース側面から覗いていたのだが、オレンジ色でシワシワの尻が見えたので、すぐにでも蛹化しそうなので思い切って掘り出すことにした。
なるべく蛹室にマットが入らないように慎重に上部だけを壊して前蛹を確認した。
今日にでも蛹化しそうなので、たびたび観察することにした。
 前回のマット交換時では118gにも成長していたので、どれほどの大きさになるか非常に楽しみである。
♂蛹化
12月13日
 夜8時半頃、遂に蛹化を開始した。
背中から亀裂が入り、みるみる白い蛹が出てきて初のヘラクレスの蛹化シーンに感動した。
蛹化してみると・・・胸角突起がずいぶんと基部より先に付いている!?
もしかしたらオキシデンタリスではないのか?
エクアドル産WILDから採れた幼虫だとすると種親はエクアドル産ヘラクレス・リッキーだった可能性もあるが・・・。
しかし、♀は確かに黒点がほとんどなくオキシだったと思うが、少々不安になってきてしまった。

 
12月13日PM8:26
遂に背中から亀裂が入って脱皮を始めた。
 
12月13日PM8:32
だいぶ皮が脱げてきた。
 

12月13日PM9:01
胸角が後ろに曲がってしまった。
大丈夫だろうか?

 
12月14日AM0:49
頭部の角も伸びきった。
胸角は動くたびに曲がったり戻ったりしている。
胸角突起が基部よりかなり先に付いている!?
確かにオキシとして買ったがひょっとしてオキシじゃないのか!?そんな〜嘘でしょ弥栄さん?
 
♀bの孵化
2004年1月2日
 前回15個採れた卵をセットしたプリンカップを開けてみることにした。
11頭の幼虫が出てきた。
♀bはあいかわらずまだ元気である。
 
 
2齢幼虫のマット交換
1月2日
 ♀bからの幼虫をセットした2Lブロー容器はすべてコバエの幼虫が発生してしまっていたので、マット交換することにした。
幼虫は順調に成長しており2齢幼虫になっていた。
コストを下げる為専用マットに天然腐葉土を半分混ぜた。
 
 
♀b,3度目の採卵
1月10日
 よく産んでくれた♀bはとっくに死んでいるかと思ったら、引っくり返ってはいたがまだ元気だった。
採卵してみると1齢幼虫6頭と卵14個を採ることができた。
なんとこれまでの♀bの産卵数は79個に及んでいた。
ヘラクレスでこれほど産卵させることができたのは、初めてである。
卵も大粒で幼虫が透けて見えるものが多く今回も高確率で孵化してくれると思う。
 
 
蛹化した♂蛹の正体
1月10日
 蛹化シーンを撮ったオキシデンタリスの蛹だが、胸角突起が基部に付いていなくオキシデンタリスとは考えられなかったのだが、購入先の弥○カブ○・クワガ○ワールドへ問い合わせたところ、ラベルの貼り間違いのミスであることが判明した。
しかし、雌雄は別々に管理しており、♂のラベルを間違えたそうで、♀は正真正銘のオキシデンタリスであることが分かった。実際にお店のオキシデンタリス♂もヘラヘラ♂として羽化してしまったそうである。
♀は写真から体毛の色、上羽の色の出方、また羽のちょうつがい部分の紋様などからオキシデンタリスとほぼ間違い無いと判定していただいた。
更に蛹化したヘラヘラだが、2002年5月頃に採卵したグアドループ産/F2ヘラクレス・ヘラクレスの♂であったことも教えていただいた。
補償もオキシ成虫ペア他、検討していただいたが、ブリードする余力もないため、購入金額を補償していただいた。
大型オキシデンタリスが見られなかったのは残念ではあるが、来年にゴールド・ヘッドと呼ばれる前胸背板が黄土色に色付く極美個体を羽化させたいと思う。
 
 
リッキーの羽化 羽化した♂139mm@
オキシデンタリスということで飼育したが、ヘラヘラの間違いということで、羽化したら今度はリッキー??。
(2004.2.7)
 
2月4日
 朝、お店の間違いでヘラヘラだった蛹が羽化した。まだ前翅が真っ白な羽化したての状態だった。
夜、帰宅して見てみると前翅は赤くなっていて、完品で羽化してくれた。
しかし、よく見てみるとヘラヘラとしては胸角はずいぶんと細く、頭角先端突起が板状となっていて、リッキーとしか思えない♂であった・・・。
産地明確なヘラヘラということで、購入金額のみの補償で納得したのだが・・・。
幼虫を買って大プラケースで単独飼育して1年以上もかけて育てたのいうのに・・・。
特に♂は高価なカブトマットを使っていたので、飼育費だけでも相当なものだ。
さすがにこれでは納得がいかない。
この件に関し、再度お店に問い合わせする予定だ。
2月7日
 羽化した疑惑のヘラクレスの写真を撮影した。
体長は139mm、大型だがやはり胸角が細く迫力に欠ける。
奈良オオ購入の高価なビートルマットを使っていたのに残念。
 
2月8日
 お店に問い合わせたところ、こちらの要望に応えていただき、エクアドル産/F1の大型オキシデンタリス♂135mm・♀77mmペアを譲っていただくことになった。
やはりリッキーだということだった。
 このような問い合わせは初めてということだったが、角の突起の位置などを気にしない人や♀だったら、知らないうちに別亜種を飼育してしまうことになり、繁殖などを考えると大変危険なことだと思う。
 
 
3齢幼虫
3月6日
 2Lブロー容器で飼育していた幼虫がすべて3齢幼虫になっていた。
大型を目指したいが、スペースもきついので♂4頭は大プラケースで2頭ずつ、♀6頭は大プラケースで3頭ずつ、合計12頭を飼育することにした。種親は♀66mmと64mmからの幼虫を半分ずつ選んだ。
♂の体重は43,30,20,17g、♀は17〜41gだった。

 
 
蛹化〜羽化
2月〜
 多種の飼育やエビ飼育にのめり込んでしまった関係で、詳しい記録を付けるのを怠ってしまったのだが、♀が2〜3月頃羽化し、♂も5〜6月頃に羽化が始まった。
多少の羽化ズレはあったが、累代飼育には影響しないと思う。
蛹化までの間の幼虫飼育であるが、マット交換はほとんどせずに、マットが減りすぎて限界になった時にヘラヘラなどの幼虫飼育用マットのお古を追加するといった非常に安上がりの飼育をしていた。
その影響もあって、あまり大型にはならなかったが、5月29日の時点で、125mmのそこそこ大きな♂と中型の♂が羽化している。
 
 
新成虫取り出し
5月29日
 ♂もそろそろ羽化している頃だと思い、掘り出してみると、2頭の蛹が出てきてしまった。
前回買った幼虫が実はリッキーであったということがあり、オキシの蛹を見るのはこれが初めてである。
今回は胸角突起の位置が基部にあり、正真正銘のオキシだと確認できて、安心した。
あまり大きくなく、1頭はグラントシロカブト程度の胸角しかなかった。
2ケース目も開けてみると、2匹の新成虫が出てきた。
♂125mmと104mmであった。
どちらも角曲がりがない完品で、♂125mmはオキシの特徴がよく表れていた。
胸角は大変細く、ほとんど湾曲せずにまっすぐに前方を伸びて、ヘラヘラやリッキーとは一味違った魅力を感じた。
あと数週間で、ゴールドヘッドに色付くか確認できる。
 
 

新成虫の♂125mm
オキシの特徴がよく表れている良個体。
前胸背板が色付くか、確認してみたい。
(2005.5.29)
 


オキシの蛹を見るのは、これが初めてである。
胸角突起が基部にあるのが分かる。
(2005.5.29)
 

中型の蛹
マット交換を可能な限り怠っていたので、あまり大型にはならなかった。しかし、ヘラヘラで使用したマットなどのお古を使用したため、ここまでのコストは微々たるものである。
(2005.5.29)
 

露天掘りしたケース
大プラケースで♂2匹で飼育した。
(2005.5.29)
 
新成虫の発色
6月11日
 羽化していた♂125mmをケースから出してみるとゆっくり前翅が色付くようになっていた。
オキシらしい胸角が気に入っているので、写真撮影をした。
前胸背板の発色には期待していなかったのだが、少しだけ黄土色に色付いている部分が見られた。
とてもゴールドヘッドとは言えないが、やはり遺伝する可能性が高い。
他の成虫でもっと色付くものが出てくるかもしれない。
 
 

新成虫の♂125mm@
オキシの特徴が非常によく出ていて、黒点も少ない大変綺麗な個体であった。
(2005.6.11)
 

新成虫の♂125mmA
胸角は上方から前方へ湾曲しているのが分かる。
(2005.6.11)
 

新成虫の♂125mmB
胸角が大変細いのもオキシの特徴である。
前翅もこの後、完全にやまぶき色一色になった。
(2005.6.11)
 

前胸背板
少し黄土色に色付いているのが分かる。
(2005.6.11)
 
ゴールドヘッド誕生 更に色付いた♂125mm
ここまで遺伝してくれるとは正直思っていなかった。
ただし、日陰だと黒っぽく見えてしまう。
今後も更に色付く可能性もある。
(2005.6.18)
 

6月18日
 先週、ほんの少し色付くだけでとてもゴールドヘッドとは言えないと言っていた♂125mmが、今日見てみると更に色付くようになっていた。
日陰では黒っぽくなり確認しづらいが、太陽光に当ててみるとかなり綺麗なゴールドヘッドになり、まだ目も真っ黒になっていない新成虫なので、今後も更に色付く可能性もある。
たとえゴールドヘッドにならなかったとしても、オキシの特徴が非常によく出ていたので、お気に入りの♂だっただけに余計にうれしい。
この兄弟から累代し、色付かないものを間引いていくことで、更にグレードアップも可能と思われ、今後の累代飼育で、完璧なゴールドヘッドを作出させたいと思う。
交尾
7月24日
 2週間ほど前から♂125mmも後食を開始するようになっていたので、そろそろ交尾させることにした。
すんなり交尾も成功し、♀を産卵用ケースにセットした。
産卵のマットは、新しいマットを切らしてしまっており、仕方なく使い古しのカブトマットを使うことにした。
劣化のため、非常にグチョグチョしたようなマットではあるが、固め易いので産んでくれるとは思うが、新品マットを購入して交換する予定である。
 
7月25日
 なんと運よくゴールドヘッドだった本種の♂を購入したショップの店長から掲示板に書き込みをいただいた。
販売後、ゴールドオキシであることが判明し、累代に成功して羽化したオキシはすべてゴールドヘッドになったということであった。
他でもない店長のお墨付きをいただけたことで非常にうれしい。
 
7月31日
 新しいマットを購入したので、マットを交換しようと産卵用ケースのマットを取り出してみるとケースにマットがこびりついているため、強く掘り出したらマット中にあった産みたての卵を次々と潰してしまった。
結局、10個ほどあったようだが、潰さず採れたのは3個のみとなってしまった。
しかし、たった1週間で10個ほど産卵しているところをみると、有精卵かは分からないが、これからの産卵に期待が高まる。
劣化したマットでも調子がよいので、このマットに新しいマットを少しブレンドするだけにしておいた。


 

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