不明幼虫飼育記
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産地:鎌倉市

2002年
10月19日

庭の園芸用堆肥から少しクワガタ幼虫に似た不明の幼虫が7頭出てきた。うち2頭は傷ついていたので5頭飼育することにした。
頭部は大きく、カナブンやハナムグリではない。
よく仰向けでまっすぐ歩く。
去年も堆肥から黄色くなった本種を1頭見つけたが弱っていた感じで、飼育したが、死亡した。
センチコガネかコロコガネではないかと思っている。

庭の堆肥から何かの幼虫出てきたので飼育してみることにしました。恐らくよく見かけている甲虫だと思いますが羽化させて正体を突き止めてみたいと思います。
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堆肥から出てきた幼虫(鎌倉産)

幼虫採集

不明の幼虫@
頭部は大きく鮮やかなオレンジ色をしている

不明の幼虫A
とても活発に歩く

飼育

中プラケースで採取時の堆肥に腐葉土、使用済みマット、未発酵クヌギマットを適当に混ぜ5頭一緒に飼育することにした。
11月2日
幼虫の様子を見ようと掘り出して見たところ黄色くなっていた。成熟してきたようだがカブトムシよりずっと黄色くなるようだ。活発に活動していたので問題なく羽化させることができそうだ。

マット交換

12月14日
マットがだいぶ縮んだので、2/3ほどマット交換をした。
幼虫を取り出してみると真っ黄色になっていた。
5頭だったのが、4頭しか見つからなかった。
しかし、4頭ともとても活発に動いていて問題ないようだ。
新しいマットは腐葉土、クワガタ幼虫飼育に使ったマット、カブト専用マットを混ぜたものを使用した。

成熟したと思われる幼虫
とても黄色い!

蛹室作成

12月22日
3頭の幼虫がケース底部にクワガタのように蛹室らしきものを造ってじっとしている。繭玉は造らないようだ。
残りの1頭はまだマットを食べている。

ミミズ発生

2003年
1月5日

せっかく造った蛹室が発生してしまったミミズによって、壊されてしまった。
まだ、前蛹にはなっていなかったので、新しい黒土と使用済みマットで新しくセットした。
前回いくら探しても1頭見つからなかったが、5頭とも無事だった。

繭??

2月4日
メールで「不明幼虫はどうなったの?」と聞かれたので確認したら2頭ほど半透明の大きな楕円形の膜になっていて動いている!
てっきり蛹室内でカブトと同じように蛹になると思っていたがこんなのは初めてだ。
でも、ケースの透明度が低いので確かなことは言えないが、とにかくシワシワの黄色い半透明の膜のようなものでできた繭になっていて、蛹?はその内部に影となっているのが分かる。

羽化

2月14日
1頭が羽化していた。透明度が悪くよく見えないが緑色のものが見える。緑色の甲虫といったらアオドウガネかもしれないがアオドウガネだと思って飼育している幼虫は水太りしたような幼虫なので他の緑色をした幼虫なのだろうか?

不明幼虫の正体

2月15日
羽化した成虫を早速取り出してみた。
なんとアオドウガネ!・・・ということは水太りした幼虫はアオドウガネではないということになる。
アオドウガネということがようやく判明したが、アオドウガネは超普通種である。夏場はいつも道に生きているものから潰されたものまで多く見かける。
でも、幼虫となると知っている人は皆無だった。
見慣れた種だが新成虫は特に緑が鮮やかで綺麗だった。

新成虫のアオドウガネ
新成虫は特にとても緑が鮮やかで綺麗である

幼虫発生

3月30日
ケース底面を見てみると幼虫が沸いているのが見えた。3匹は成虫になっていたが、まだ蛹と3齢幼虫のものが1頭ずついた。マットの底面を少し探り幼虫をだしてみた。20頭ほど得られた。卵は見られなかった。
3齢幼虫はクワガタの幼虫のように青白い。うつ伏せで歩かなければクワガタの幼虫と見分けが付かない。

1齢幼虫
クワガタ幼虫に似ている

蛹も掘り出してみた。ケースから見えた膜のようなものは幼虫の皮であった。なんと寝袋のように包まっていた。このようなことはクワガタ・カブト・カナブンには見られず興味深い。とりあえずクワガタ用に造った黒土の人工蛹室で管理してみた。


幼虫の皮を寝袋のように使用している

成虫飼育

羽化した成虫もケースから移動させることなくそのままクワガタ用ゼリーを与えて飼育した。

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