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ボルネオ産ヒメカブトムシ飼育記
Xylotrupes gideon gideon
産地:ボルネオ
 
 
なんとカブト・クワガタ飼育歴1年にして既に2000匹以上飼育しているという
強者のSさんから、ボルネオ産ヒメカブトの2齢幼虫を分けてもらうことができた。
一緒にタイ産もいただいたが、原名亜種のボルネオ産も飼育してみたい。


ボルネオ産ヒメカブトの2齢幼虫



2齢幼虫8頭到着
2003年7月21日
 Sさんから他の幼虫とともにボルネオ産F2 ヒメカブト2齢幼虫が到着した。
なんと8頭もいただいた。
ボルネオ産はタイ産に比べ更に闘争的だそうである。
ヒメカブトは多数の亜種がいるが、似たり寄ったりだと思っていたが、性格も違うというのは大変面白い。
 5頭は大プラケースへ、3頭は中プラケースで飼育することにした。
マットはクワガタ幼虫などに使ったマットを主体に専用マットも混ぜたものを使用した。

マット交換

3齢幼虫@
38gの幼虫。非常に毛深い。
(2003.10.25)

10月25日
 3齢幼虫に育ち、中プラケースのマットにも糞が目立ちはじめたので、マット交換することにした。
中プラケースの幼虫3頭を取り出してみた。
かなり毛深いのが印象的な幼虫だった。
体重は38,28,26gだった。
国産カブトくらいの大きさだが、38gの幼虫は結構立派な成虫になってくれるのではないだろうか?
 雌雄判別しようと見てみたが、国産カブト同様窪みでの判別は無理なようだ。3頭とも明確なV字マークが見られた。しかし、V字マークでの判別は曖昧らしいので、♀もいるのかもしれない。
より大きくなるように大プラケースへ変更することにした。
 セットする間、幼虫はプリンカップに入れておいたが、なんとうつ伏せ状態でまっすぐ歩いている。
 よちよち歩きとても可愛らしいが、嫌いな人にとっては恐らく一番気持ちの悪いシーンに見えてしまうのだろう。
たしか他のオオカブトの幼虫は腹ばいになって歩いていたのを見た気がするので、面白い相違点だと思った。
 マットはさっきゼブラノコとモーニッケノコのマット交換をした使用済みのマットをすべて使用し、足りない分はカブト専用マットを使用した。

3齢幼虫A
うつ伏せで歩く。
(2003.10.25)

  3齢幼虫B
腹部には明確なV字マークが見られた。
(2003.10.25)

蛹化
2004年3月14日
 大プラケースで3頭一緒に飼育していた幼虫がいつの間にか蛹になっているようだったので、掘り出してみることにした。
2頭掘り出したら、ペアだったので、もう1頭は掘り出さずそのままにしておいた。
とても鮮やかなオレンジ色の蛹が出てきたので感激したのだが、結構大型狙いだったにもかかわらずかなり小さい。
ヒメカブトの亜種については詳しくないが、ボルネオ産は一般的に小型なのだろうか?
 蛹室は♂はヘラクレスのように少し斜めに、♀は国産カブトのように縦に蛹室を造ってあった。
カブトの種類によって蛹室を造る方向が違うのも面白い特徴だと思う。
 掘り出した蛹は元の蛹室に戻して羽化を待つことにした。

ケースから掘り出した時の様子
♂はヘラクレスと同様に斜めに蛹室を造っていた。
♀は国産カブトと同様に縦に蛹室を造っていた。
右下にはもう1頭蛹がいる。
(2004.3.14)

  ♂の蛹@
小型で角が短い。
結構、広々としたケースで飼育したのにもっと大型にはなれないのであろうか?
(2004.3.14)

♂の蛹A
鮮やかなオレンジ色が印象的な蛹だった。
(2004.3.14)


  ♀の蛹
ちなみにこの♀も幼虫時にはV字マークが現れていた。
(2004.3.14)


羽化
4月4日
 蛹を露天掘りにした後、ケースにコバエが大発生してしまい、保湿板・保湿シートで防虫していたにも関わらず脱出するコバエがいるので、仕方なく更に新聞紙を挟んだのだが、過度の湿度のためにマットが泥状になって蛹室が崩壊してしまっていた。
♂は既に羽化して前翅を痛めてしまっていたが、なんとか羽化に成功してくれていた。
♀はまだ蛹だったので、蛹室を作り直し、羽化に備えた。
新成虫取り出し 新成虫の♂65mm
マットが泥状になってしまった為、前翅に少し傷を負ってしまったが、不全にならず、立派な個体になってくれた。
(2004.4.18)

4月18日
 すべて羽化していると思い、新成虫を掘り出すことにした。
マットが劣化してしまったケースからは前翅を少し痛めてしまった♂65mmと完品の♀50mmが出てきた。もう1頭いたのだが、泥に蛹室ごと流されてしまい、蛹の状態で死んでいた。
 大プラケースで5頭飼育していたケースも開けてみたが、なんとコメツキムシの幼虫が繁殖していて、蛹にたかってしまっていた。赤茶色の細長い幼虫だったので、分からなかったがコメツキムシの成虫もいたので分かった。
2頭がコメツキの餌食になってしまったが、残り3頭は無事に完品で羽化してくれていた。
♂56mm・53.5mm、♀45mmであった。
新成虫を見るとタイ産のヒメカブトに比べ、光沢が強く、胸角が太いという特徴が観察できた。
足の力も相当強く、特に♀は手に付くと協力なツメで簡単には外せなかった。
どの個体も、触るととても大きな音でキューキューと鳴いた。
闘争的なカブトらしいが、この短い角では致命傷になることはまずないと思うので、大プラケースに2ペアを一緒に入れて、小型♂のみミニプラケースで飼育することにした。
新成虫の♂56mm
(2004.4.18)

  新成虫の♂50mm
足が長く、足の力も強力で掴まれるとなかなか外せない。
(2004.4.18)

交尾
5月1日
 後食を開始したらしく、キューキューと音が聞こえるので、見てみると交尾をしていた。
このまま産卵中も同居させておくことにした。

採卵
7月19日
 ここ数週間、エサやりをすっかり忘れてしまっていたので既にセットから3ヶ月経過しているので、採卵してみることにした。
種親は♂1匹のみ生存していて、残りは既にバラができた。
卵9個と1・2齢幼虫6頭を採れた。もっとも潰れた卵や幼虫も見られたので大切に飼育していれば多くの幼虫を得ることができたことであろう。
累代飼育を続行するか分からないが、埋め込みマットに劣化は見られなかったので、カブトマットを追加してそのまま大プラケースで幼虫を飼育することにした。
卵はプリンカップで孵化させることにした。

国産カブトの卵と同じか少し小さいくらいのサイズであった。
(2004.7.19)

  1齢幼虫@
1齢幼虫もとても小さい。
残念ながら頭部が潰れていた幼虫も複数見られた。
(2004.7.19)

1齢幼虫A
やはりうつ伏せで歩いた。
(2004.7.19)

  2齢幼虫
2齢幼虫も2頭得られた。
(2004.7.19)

 

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