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ギラファノコギリクワガタ
Prosopocoilus giraffa keisukei
産地:フローレス島
 
 
体長が世界最大になるフローレス島産のギラファノコ。
いつか飼育したいと思っていたのですが、相互リンクのHP「M’ Stag Beetle」の
ニコラスさんのご好意によりF1幼虫を8頭も頂いてしまいました。
菌糸ビン飼育も適していると思いますがマット飼育が好調なので、
マットでとりあえず100オーバーを目指したいと思います。


フローレス島産のギラファノコの1齢幼虫



1齢幼虫到着

到着した8頭の1齢幼虫

2002年
11月24日

ニコラスさんからフローレス島産ギラファノコ1齢幼虫8頭が到着した。
皆、元気で安心した。
種親はWildの♂106mm・♀B品の子供だそうだ。
幼虫飼育
菌糸ビンでもマットでも生木でも何でも食べるらしいので、とりあえずいつものクヌギの小麦粉マットで1Lガラスビンに1頭ずつセットした。

3齢幼虫確認
2003年
1月1日

1頭3齢幼虫になっていた。成長するスピードが非常に早い。

マット交換


3齢幼虫
まだ初期なので、頭でっかちだ。
(2003.2.9)

2月9日
食痕もだいぶ目立つようになってきたのでマット交換をすることにした。
♂4頭・♀4頭だった。♂は大きなもので24gあった。まだ3齢初期なので頭でっかちでまだまだ大きくなりそうである。
幼虫を取り出すと後ろ足を中足に擦り付けギィーギィー音をたてた。小さくて気付かなかったが持ったとき振動を感じたので分かった。警戒音と思われるがミヤマクワガタほど大きな音ではない。カミキリの出す音に似ているので、カミキリに似せることで他の幼虫を寄せ付けない効果があるのだろう。
♀は1L、♂は2Lガラスビンに移した。
3齢幼虫の頭部
頭部は他の幼虫に比べかなり大きい
(2003.2.9)

 


3齢幼虫
まずまず大きくなっているので、2Lガラスビンへ移した
(2003.2.9)

マット交換(2回目)
3月21日
♀幼虫がいる1Lガラスビンのマットが食べ尽くされて真っ黒になっていた。
♀4頭のマットを交換した。♀と言えども食欲旺盛だ。
♂幼虫のいる2Lガラスビンもプラケースでの飼育が望ましいのでマット交換時に変更したいと思う。

マット交換(3回目)
4月19日
2Lガラスビンで飼育していた♂幼虫4頭がマットの劣化が限界状態だったので、急いで造ったフスマ発酵マットをまだ発酵は浅いが使うことにした。ただ、発酵マットに使うクヌギマットはロットによってバラつきがあり、今回は相当荒目のマットだったので非常に固めにくかった。
幼虫の体重を測ると46、45、42、38gだった。ギラファとしては普通なのか重いほうなのかは分からない。あとでクワ本で見てみると50gはざらとのこと。でも、まだ大きくなりそうなので100mmUPは可能かもしれない。
比較的重い46,45gは中プラケースに1頭ずつセットした。残り2頭は底面積が広い2Lブロー容器にセットした。このまま蛹化したとしても大丈夫な広さだと思う。

3齢幼虫:42g
マットは劣化していたが、暴れている様子もなく順調に成長しているようだ。
(2003.4.19)

 

飼育ケース
比較的重い2頭は中プラケースで単独飼育。
(2003.5.1)

♀の蛹化
4月26日
1週間前から♀は4頭とも蛹室を造り前蛹になっている。既にシワシワなので、あと数日もすれば蛹化するだろう。
4月29日
1頭が蛹化した。まだ白く透明感のある綺麗な蛹だった。♀だがかなり大きく羽化が楽しみだ。
4月30日
2頭目も蛹化した。
5月1日
3頭目も蛹化した。
5月5日
4頭目も蛹化した。これで、♀は4頭すべて蛹化した。♂はまだまだのようだ。
前蛹の♀幼虫
♀は4頭揃って前蛹になった。
(2003.4.26)

 

♀の蛹
最初は白くて半透明でガラス細工のようだったが、数時間後には明るいオレンジ色になっていた。
(2003.4.30)

♀羽化


新成虫の♀51.5mm@
♀といえども大きい。
(2003.6.7)

5月26日
最初の1頭の♀が羽化した。
5月28日
2頭目も羽化した。
5月29日
3頭目も羽化した。
6月1日
4頭目も羽化した。蛹の期間は1ヶ月弱であった。
6月7日
♀を取り出してみた。やはりすべて50mmオーバーで、51.5mmが2匹、50.5mm1匹、50mm1匹だった。
♂の蛹化
6月28日
なんと2Lブロー容器の♂が蛹になっていた。中プラケースの♂幼虫にだけ気を取られてしまっていて、気が付かなかったのだ。一部しか確認できないが、あまりサイズは期待できそうにないと思う。この分だと中プラケースの♂もこのままマット交換なしで蛹化してくれそうで助かる。

♂の羽化


新成虫の♂94mm@
38gの幼虫でもこんなに立派な個体になってくれた。46gの幼虫に期待!
(2003.7.19)

7月12日
ブロー容器の蛹が羽化した。どうやら羽化不全もなく完品で羽化してくれたようだ。
7月19日
羽化した♂を取り出してみた。最後のマット交換時38gしかなかった個体だが94mmにもなっていた。完品で満足のいく個体であった。中プラケースで飼育している46gの幼虫は100mmオーバーに期待したい。
次の個体で蛹も撮影しようと思う。
7月20日
第2回プレゼント企画のインドアンテが羽化不全してしまったので、この♂との新成虫ペアを代品としてプレゼントさせてもらった。喜んでいただけたので一安心。

新成虫の♂94mmA
(2003.7.19)

 


新成虫の♂94mmB
(2003.7.19)

残りの♂蛹化〜羽化
♂の蛹
(2003.9.15)

7月29日
中プラケースの♂幼虫が1頭蛹化した。
8月9日
2Lブロー容器の幼虫はまだ蛹化する様子がなく、マットも劣化してきたので中プラケースでマット交換した。
前回42gの幼虫だったが、55gになっていた。
もう1頭は蛹室を造っていたので、そのままにした。
8月28日
7月29日に蛹化した♂が羽化した。
9月12日

中プラケースに移した♂幼虫も遂に蛹化した。見た感じそれほどのサイズではなさそうだ。
9月15日
中プラケースの蛹を取り出してみた。
蛹室はケースのカドに斜めの状態で造られており、羽化時とてもまっすぐにはなれない大きさだった。仕方がないので、以前黒土で造ったクワガタの人口蛹室を少し大きくしそこで羽化させることにした。
9月27日
3匹目の♂が羽化した。かなり大きそうな個体だ。

♀後食開始
8月中旬
5月29日に羽化した♀が既に変色していたゼリーを食べており、慌てて新しいゼリーをセットした。
9月13日
今度は5月26日に羽化した♀が後食を開始した。
9月17日
6月1日に羽化した♀が後食を開始した。
これで、♀3匹すべて後食を開始した。
♂は1匹羽化したところだが、ギラファノコは寿命が長いのでペアリングまで♀はじっくり成熟することができて丁度よいだろうと思う。

新成虫取り出し@
9月15日
8月28日に羽化した成虫を取り出してみた。
とても大きい。体長を測ると105mmもあった。
前回46gの幼虫だった個体である。
まだ眠そうで威嚇などはしなかった。
中プラケースで単独飼育することにした。
9月23日
♂105mmを取り出してみると、威嚇するようになっていた。
改めて撮影したが、♂94mmよりも明らかに大アゴがより発達している。内歯のギザギザが多いのがお分かりいただけるだろうか?

新成虫の♂105mm@
(2003.9.23)

  新成虫♂105mmA
とても大きく厳密に測定すれば106mmあると思う。
(2003.9.15)

新成虫取り出しA 新成虫♂109mm
まだ羽化したてのため赤い。特に大アゴの付け根はまだ柔らかく曲がっていたのが伸びたばかりだ。
(2003.9.28)

9月28日
昨日羽化した3匹目の♂がかなり蛹室が狭そうでまっすぐになれていないようだったので、急遽取り出すことにした。
取り出してみるとあまりの大きさに感激した。前回の♂105mmよりも大きい。
まだ赤く慎重に取り出して、ヘラクレスオオカブトを羽化させた人口蛹室に入れて固まるのを待つことにした。
10月4日
人工蛹室の♂を見ると黒く固まっていたので、体長を測ってみると109mmだった。
100mmオーバーが目標だったので、大満足。
次回は110mmオーバーを狙いたい。

 今日虫友のDさんからメールをもらったのだが、Dさんのほうのギラファでは2ヶ月も経たずに後食を始めて活発に活動しているらしい。こちらは4ヶ月で後食を開始しているので、なぜだろうとのことだった。
サバゲノコでもそうだったのだが、ずばり季節に影響されるみたいだ。うちのサバゲノコは4,5月に羽化したものが、4ヵ月後の8月頃にようやく活動を始めたのだが、7,8月に羽化したものは1ヶ月少々で早々後食を開始している。このことはギラファでも同様なようだ。
 恐らく体内時計のようなもので、活動に適した時期まで休眠するようにしているのだろう。

新成虫の♂109mmA
カッコよすぎの大型フローレスギラファ。
マット飼育でも110mmオーバー狙いも充分可能だと思う。
(2003.10.4)


  新成虫♂109mmB
惜しくも110mmには1mm足りなかったが大型個体が羽化できて大満足。
(2003.10.4)


最後の♂の羽化
10月14日
 9月15日に取り出した最後の♂の蛹が羽化した。
人工蛹室での羽化だが、完品で羽化してくれた。
11月3日
 体長を測ってみると101mmあった。
最初の♂以外3匹とも100mmオーバーするとは思っていなかった。

♂109mm活動開始
11月20日
 先週くらいからマット上に出てきていたが、今日確認してみると後食を開始していた。
先に羽化した105mmのほうはマット上には出てきているが、まだ動かずゼリーも食べていない。

♂101mm死亡
11月23日
 人工蛹室でそのままにしておいた♂101mmをいざ取り出そうとフタを開けてみると死んでいた。
早いうちに埋め込みマットに埋めておくべきであった。販売しようと思っていたのだが、残念。
仕方がないので、♂2匹と♀3匹でブリードすることにした。

♂の死亡
 残りの♂2匹も次々と死亡してしまった。
どうやら羽化後、早く取り出してしまったことが原因らしい。
特に大型個体では成熟に時間がかかり、体の表面が固くなっていても内部はまだ未熟で体長を測ったりしていじってしまうとダメージを与えてしまうのである。
♀はものすごい食欲で、多種飼育でブリード続行する余裕もなく激安販売して今回の飼育は終了することにした。
今回の失敗を踏まえて、近縁種のコンフキウスノコでブリードしていきたいと思っている。


 

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