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ビプラギアトスノコギリクワガタ
Prosopocoilus biplagiatus
産地:タイ
 
 
またしても、クワ友ニコラスさんのご好意にずうずうしく頂いてしまった小型で綺麗なビプラギアトスノコ!。
長歯型は極稀で飼育下でも簡単には出ないらしい。
まずは産卵からチャレンジしてみたい。


ビプラギアトスノコギリクワガタ♂31.5mm(タイ産・F1)



新成虫到着

到着した新成虫
寒さの為、凍えていたが息を吹きかけて暖めたらすぐに元気になり歩き始めた
(2003.1.5)

2003年1月5日
 クワ友ニコラスさんから去年の11月頃羽化した新成虫♂1匹・♀2匹も頂いてしまった。ニコラスさん、ありがとう!!
入手元のニコラスさんのHP「M’ STAG BEETLE」には綺麗な羽化シーンもあるので、興味のある方はぜひご覧ください。
到着直後は、寒さの為凍えていたが、手で暖めたり息を吹きかけたりしたらすぐに元気になった。
 野外ではすべて短歯型らしく、複数の図鑑にも載っていないが、飼育では長歯型が出ているらしい。

ブリード

産卵用ケース
まず♀殺しは起こりそうにないので3匹一緒に入れた
(2003.1.5)

 小型のノコではあるが、♀2匹いるので大プラケースで飼育開始。材産みなのかマットにも産むのか分からないが外国産のノコだから恐らく材産みだろう。柔らかめのコナラ材4本を横や斜め、完全に埋めるなどしてセットしてみた。
 太めの材はサバゲノコ用にカットしようとして中心だけ切れずに残ってしまったもの。
細めコナラ材は横にして完全に埋めてある。
後食未とのことなので、しばらく様子見。

♀死亡
3月2日
 未だ活動していないのかゼリーを食していない。皿木をどけて見ると♀が1匹死んでいた。しかもだいぶ前に死んだらしくバラバラになっていた。残りのペアが心配。

再セット
3月9日
 ビプラギはマットによく産むとネットで知ったので、セットし直すことにした。
まずペアが生きていることが心配だったが、どちらもマット深く潜っていて無事だった。。
 埋め込みマットを追加、黒土も少々入れ、固めに詰めてケース8分目まで入れ、材は1本減らし3本にした。休眠期間が長いのだろうか?

♂、後食開始
3月28日
 マット上に♂が出てきていたのを発見した。ゼリーは干からびていたので、新しいものをセットしてみた。
3月29日
 ♂がゼリーを舐めていた。♀はまだのようだ。

交尾確認
4月27日
 午前1時頃、交尾をしているところを確認できた。マット上で交尾していた。
あれから♀も後食を開始していたようだ。

幼虫確認
5月20日
 ケースを確認したところ、底面と側面にそこそこ大きくなった幼虫が確認できた。どうやら繁殖成功のようだ。

幼虫取り出し

割り出し時の2齢幼虫
脱皮したての2齢幼虫で、まだ尻部に1齢の皮が残っている。
(2003.5.24)

5月24日
 幼虫を取り出すことにした。ケース底面から2齢幼虫が2頭確認していたので、マット中にもっとたくさんいるのかと思いきや4,5頭だった。 マットにはミミズもいたので、失敗したかなと思ったが、材を割ったところ次々に幼虫が出てきた。最終的に38頭採取でき、卵は1個得られた。♀は1匹はいたが、もう1匹は見つからなかった。既にバラバラになっている可能性がある。
 ♀はまだ元気だったので、今度は♀のみで中プラケースでコナラ材1本を入れ産卵続行させることにした。

1齢幼虫
やはりとても小さい。
(2003.5.24)

 

2齢幼虫
(2003.5.24)

卵@
とても小さい。見落としたものも多分あると思う。
(2003.5.24)

 

卵A
左の小さい丸が卵。
(2003.5.24)

幼虫飼育
 38頭も得られたので、とてもすべて飼育しきれない。18頭は500mLブロー容器で飼育することにして、残りの20頭は販売することにした。マットはフスマを添加したクヌギ発酵マットだが、とても足りないので未発酵クヌギも混ぜたものを使った。
 卵はプリンカップで人工孵化させることにした。
8月11日
 あれから次々に産卵して多くの幼虫が得られた。数が多すぎてまともな記録はとっていない。
500mLで飼育中の幼虫達はほったらかしだったがすべて順調に成長しており、食痕が多かった3ケースのみマット交換をおこなったがその3頭とも♀だった。
 今まで採取した幼虫は62頭、しかも未だに産卵ケースから幼虫が沸いている状態である。

3齢幼虫
8月31日
 500mLで飼育していたが、皆かなり食痕だらけになってきたので、特によく食べている5本のマット交換をすることにした。
他、♀は蛹や前蛹になっているものが複数見られた。
取り出した幼虫5頭は♂幼虫で、大きめでも5gだった。
中でもまだ大きくなりそうな1頭を1Lガラスビンにセット、他4頭は同じ容器でマット交換をした。

3齢幼虫
比較的大きな幼虫でも5gだった。
(2003.8.31)

 

3齢幼虫の頭部
(2003.8.31)

羽化
9月16日
 ♂が羽化した。♀もだいぶ羽化しているようだ。
他の♂も蛹のものが多い。
10月22日
 また♂が羽化しているのを、発見した。
数が多いので把握していないが、既にかなり羽化しているようだ。
1Lビンに入れた♂幼虫も投入後すぐに蛹室を造ってしまい、あまり意味がなかった。

新成虫取り出し
11月9日
 最初の羽化を確認してだいぶ経つので、外から成虫が確認できるもの9匹を取り出してみた。
やはり♂はすべて短歯型だった。♂5匹に♀4匹だった。
♂は最大でも37mmで、♀は27mmだった。

新成虫の♂36mm@
やはり短歯型だった。
長歯型は低温管理で菌床飼育する必要があるのだろう。
(2003.11.9)

 

新成虫の♂36mmA
最大でも37mmだった。
(2003.11.9)

新成虫の♀27mm
♀の模様は♂よりも赤く鮮やかだ。
(2003.11.9)

 

取り出した新成虫達
(2003.11.9)

12月6日
 その後♂1匹・♀2匹を取り出し、合計6ペアはあっと言う間に売り切れてしまった。
未だ産卵用ケースには幼虫が沸いているが、面倒なのでそのまま羽化させたい。
残りの500mLブローなどにセットした幼虫はまだいるので、羽化が確認できたものを取り出してみた。
すると今までで最大の39mmの大アゴがやや大きい♂が得られた。
短歯型ではあるが、今までよりも大きい。
♀も2匹得られたので、もうブリードは止めようと思っていたが、予想外の人気だったので、この3匹でブリード続行することにした。

新成虫の♂39mm@
今までで最大の個体。
(2003.12.6)


 

新成虫の♂39mmA
繁殖力と長い寿命が魅力ではある。
(2003.12.6)



残りの個体 ♂の蛹
残りの幼虫はすべて♂だった。
どうやら小型のビプラギでも通常は♂のほうが、羽化が遅れるようである。
(2003.12.27)

12月27日
 他の幼虫もほとんど蛹・成虫になったが、すべて♂だった。
どうやら小型種のビプラギでも通常は♀のほうが羽化が早いようだ。
成虫ケースに沸いた幼虫
2004年1月4日
 産卵用ケースのマットに沸いてほったらかしにしておいたのだが、そろそろ限界だと思ったので、取り出してみることにした。
埋め込みマットから7頭の3齢幼虫が採れた。
中プラケースに新しいマットを詰め7頭をセットした。
後片付けをしようと皿木を持ってみるとやたらと軽く、穴が開いている。
もしやと思い手で割ってみると次々に幼虫が出てきて小さめの皿木だったにもかかわらず7頭も出てきてしまった。
うち1頭は蛹室を造り既に前蛹だった。
その7頭も同じ中プラケースにセット、前蛹は上記の♂蛹が羽化成功したのでその蛹室を使うことにした。

新成虫の繁殖
3月13日
 2月頃、休眠していた新成虫がマット上に出ていたので、ゼリーをセットしてそれ以来ほったらかしにしておいたのだが、ゼリーの交換のためケースを見てみるとなんとケース底面に複数の幼虫と多数の卵を発見!
材も入れていなかったのに、恐るべし!!すごい繁殖力だ。
普通に考えて、後食開始と同時にペアリング、産卵を始めたと考えられる。
普通のクワガタに必要な後食を開始してからの成熟期間はないようである。
3月27日
 そのままにしておいた中プラケースから幼虫を取り出してみたところ、1齢幼虫が25頭と卵も複数得られた。
卵は大変小さく、使用していた粗めの未発酵マットと紛らわしく見つけるのは困難だったので、探せば更に得られたと思われる。
更に産卵させてみたいので、大プラケースにセット、マット産みが中心みたいなので、材は細めのコナラ材1本のみセットした。


 

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